第16話高嶺の花④
「あれ、りほじゃない」
松本と同じ位の綺麗な顔立ちで日本人離れした体型の人が突然話しかけてきた。
「うん」
「そこにいる人はりほの彼氏?」
「違うよ。ただの同級生」
「そうだよね。もう彼氏はいらないよね」
松本の表情が曇りだしたのを俺は見逃さなかった。
「……」
「まぁ、いいわ。それじゃありほまたね」
女性はたんたんと喋って店を出て行った。
「今の人誰?」
「今のはモデル仲間の
その割にはさっきの態度、嫌な感じだったけどな。
「さっき彼氏が何とか聞いてたけど何のこと?」
多分聞いてはいけない事何だと思うが知りたかった。
松本みたいな好かれる人物にはなるにはどんな人と関わってきたのか。
「……」
松本は無言になりさっきと同じように悲哀に満ちた表情を俺に見せてきた。
「···ごめん。変な事聞いて」
松本には特別制度が導入されていて寝食を共にしなければ本来はいけないが、松本だけはお互い別々の家で寝る事になっている。
何でも松本と一緒にいると男が襲ってしまう可能性があるとか。
安心して下さい。
俺は襲わないと思います···多分。
松本と別れた後、家に帰る為に電車に乗ってると一人の女性から声をかけられた。
その方向を見ると日本人離れした綺麗な顔がそこにあった。
「さっきりほと一緒にいた方ですよね?」
「あ···はい、そうですけど」
さっきまでと雰囲気が違い、嫌な感じではなく優しい感じがした。
「それと帰宅ラッシュにも関わらず、何であなたの周りには人がいないんですか?」
「それは俺が神だから」
急に変な発言をしたから目が丸くなっていた。
「ごめんなさい。みんな足腰の鍛錬してるんじゃないんですかね」
「そういう事ですか」
この子もいい子だよ。
絶対嘘だと分かる事をのみこんでくれたよ。
「そう言えば自己紹介まだでしたね。私の名前は
「吉良悟です」
「りほとは本当に付き合ってないんですね?」
やたら付き合ってる、付き合ってないかを気にしているが何かあるのか。
「本当に付き合ってないですよ」
安堵したため息を漏らすと、ちょうど電車も駅に止まり降りていった。
嘘でも付き合ってますって言えば良かったかな。
そうすれば何か分かったかも知れないし。
次の日になり教室に入ると松本の人気は相変わらず凄まじく、昨日よりも特に男子生徒が集まっていた気がした。
せっかくペアになってもこれでは喋りかける事も出来ない。
それから数日間同じ様な状態が続き、一人の生徒が先生に一つ提案した。
「松本さんは大変人気が高くペアになっている男子が機能していないので、もう一度ペア決めをするべきだと思います」
お前らが松本に群れるから、俺は近付けなかったんだよ。
機能って俺は高性能のロボットじゃなく人間だ。
「吉良君はどうしますか?」
担任の飯沼が突然喋ってきた。
「お…俺はこのままでいいと思います」
人前で意見を言った事があまりないので、ついついおどおどしてしまう。
「松本さんはどうしますか?」
「私はどちらでも」
ふ、振られた。
間接的だけど振られた。
「それじゃあもう一度クジ引きで決めましょう」
みんながどんどんクジを引いていき残りは数枚。
まだ当たりが出てない所を見ると、これは俺が引けといっているばかりだ。
神の力みせてやるぜ。
箱の中に手を入れ一枚紙を引いて開けたら×印が書かれていた。
終わった。
全てが終わった。
俺はこの前、同じクラスの
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