あとがき

 久しぶりのリプレイの執筆は苦労をしましたが、何とかギリギリ形にすることができて良かったです。ここからは蛇足だよなぁと分かってはいるのですが、他に語る機会がないと思うので、ちょっとシナリオの裏話をしたいと思います。蛇足なら別に読まなくても良いやという方は、どうぞ読み飛ばしてください。


 実はセッション中、またリプレイ中に語るには余計な混乱を招きそうと思って伏せていたことなのですが。今回登場したアーサーと言うNPC、表向きは人間の格闘家という設定ですが、その正体はワーウルフという蛮族でした。

 ただ、彼は邪悪な存在ではなく人族に馴染もうとしているレアな蛮族であり、彼が目的地としていたラージャハ帝国では実力が認められれば蛮族であっても傭兵として雇ってもらえるというというお国柄があったので、彼もラージャハ帝国で傭兵になるつもりでした。クリスティは人族と馴染もうというアーサーをハルーラ神官として正しく導くこうと同行していたのです。

 なぜ、そんなNPCを用意したのかというと曲者の乗客の設定を考えていた時に、思いついてしまったためとしか言いようがありません。シナリオを作っている時に最近流行っている「宇宙人狼」こと「AmongUs」の動画をよく見ていた影響か、このシナリオ「人狼ゲーム」っぽいなと自分でも思いまして。じゃ、本物の人狼(ワーウルフ)も登場させてみようと思ったのです。

 万が一、PCたちに早々に正体がばれてしまった場合、人族に馴染もうとする蛮族というテーマで展開する話も考えてはいましたが、セッション時間の関係からメインの物語を優先して進めることにした次第です。

 しかし、話の流れで人狼ゲームの様相を呈した際に、冗談だったのかも知れませんがトーニャが、アーサーに「汝は人狼なりや?」と聞いてきたときはかなり驚いたのは、そうした事情です。

 だって本当に人狼(ワーウルフ)なんです。一瞬白状しようかなと思いましたが、いやいや今はメインの事件に集中してほしいという思いからセッション中は最後まで伏せたままにしました。ただ今にして思うと、あの場で正直に正体を明かしておいたらオーガをアーサーに引き受けさせるという選択肢がPCたちに生まれて、分断行動をさせずに済んだかな?と、思わなくはないですが。

 その時は、アーサーがクリスティの仇であるオーガと刺し違えて死に、蛮族でありながら人族を守り感謝をされるという展開になったかも知れません。

 ただGMが美しい話だと持て囃したところで自己満足に過ぎないですよね。やはりPC達が最善の手を尽くした今回の内容こそが彼らの冒険なのだと思います。

 GMとPC達の思惑が入り混じって一つの物語ができるTRPGは、やっぱり面白いゲームですよね。

 以上、蛇足でした。


 あ、すみませんもう一つだけ。


 このリプレイに登場するNPCたちには共通点がありますが、実際のものとは一切関係がないものですのであしからず。それではまたリプレイを書く機会がありましたらお会いしましょう。


令和3年5月31日 海生かける



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ソード・ワールド2.5リプレイ「人生で一度きりの冒険を」 海生かける @umio_kakeru

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