17、惨劇の朝

・2号車:シャルリーヌの部屋

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GM:さて、皆さんが正式にヴァンさんに雇用され、数日経った朝の事です。そうだな……最初は、高貴な身分である顔を立ててシャルリーヌさん部屋かな。

シャルリーヌ:気をつかわれてしまいましたね(苦笑)。

GM:あなたの部屋の扉が、忙しなくノックされますね。

シャルリーヌ:あら、何事かしら?

GM:扉を開けると、ヴァンが立っていますね。頭越しにアーサーも見えます。

シャルリーヌ:お二人揃ってどうされました?

GM:ヴァンは、声を潜めて「シャルリーヌ様、朝早くからすみません。実は問題が発生しまして、5号車のクリスティさんの部屋に来ていただけませんか?」と、言います。

シャルリーヌ:ここでは詳しく話せないようですね。わかりましたわ。


・5号車:クリスティの部屋

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GM:シャルリーヌの後で、トーニャとリナリアも呼ばれますので来てください。

トーニャ&リナリア:はーい。

GM:三人が集まると、そこでようやくクリスティの部屋に通されます。と言っても、全員一度に入ることはできませんが。

トーニャ:じゃあ、私は外から覗き込もうかな。

リナリア:私は入ります。

シャルリーヌ:中はどうなっていますか?

GM:かなり荒らされていますね。そして、ベッドの上に血がベッタリ。枕は切り裂かれています。

PC全員:!?

シャルリーヌ:え、クリスティさんが亡くなっているんですか?

GM/ヴァン:遺体は見つかっていません。今朝、アーサーさんがクリスティさんを起こしに来たところ応答がなく、中から施錠もされていたそうです。その後、何度ノックをしても反応がなかったもので、不審に思って車掌に鍵を開けさせたところ、この惨状を発見したため皆さんをお呼びしたという次第で……。

シャルリーヌ:アーサーさんは昨晩何か隣の部屋で物音を聞かなかったんですか? 争うようなものとか?

GM/アーサー:いや、俺は熟睡するタイプなんで何も聞かなかったなぁ。申し訳ない。

トーニャ:窓も施錠されているんですか?

GM:されていました。ちなみに個室の小さなテーブルの上に個室のカギが乗っていたそうです。

シャルリーヌ:密室ですか……。

リナリア:でも、この世界【ロック】って魔法があるから。私も使えるし。

シャルリーヌ:まぁ、ということはリナリアさんが容疑者ですわね?

リナリア:いやいやいや……(苦笑)。

トーニャ:何レベルで使えるんでしたっけ?

リナリア:【ロック】は、ソーサラー技能1レベル。ちなみに開錠する【アンロック】は3レベルで使えるよ。

シャルリーヌ:つまり最低、【リープ・スラッシュ】が使える敵が出てくる可能性が高いですわね……。

GM:メタいなぁ(苦笑)。

トーニャ:血の跡はベッドにだけ付いている感じですか? 他にはありません?

GM:見たところないですね。

トーニャ:ベッドを調べても良いですか?

GM:どうぞ。トーニャはスカウト技能を持っているので観察判定パッケージを基準に判定してください。

トーニャ:(ころころ)13ですね。何かわかりますか?

GM:そうですね。トーニャは、血の跡が不自然かなと思いました。ここで刺されて出血したとすると、飛び散り方が違う感じなんですよ。

トーニャ:え、どういうこと?

GM:わざと血をまき散らした感じなんです。

リナリア:あー、別のところで殺した後に取った血をとって、ここでぶちまけたのか。

GM:(正解)

シャルリーヌ:つまり現場が、ここではない可能性があるんですね? 私もアントワネットを使って調べてもよろしいですか?

GM:アントワネットは個室には入れないので、頭だけ突っ込んでって感じですかね。どうぞ。

シャルリーヌ:(ころころ)18ですわ。

GM:じゃあ、引き裂かれた枕の匂いを嗅いだアントワネットが「なんか不潔な……獣のような。変な匂いがする」って言います。

シャルリーヌ:獣……?

リナリア:人狼か?

トーニャ:誰を追放するか決めないと!

全員:(笑)


 ゲームが違いますね(笑)。


GM:えーと、語彙の少ないGMでは表現が難しいんですが、男臭いというか、ま、クリスティさんのものとは明らかに違う匂いがするってことです。

リナリア:男…・・・? まさかアーサーさん?

トーニャ:汝は人狼なりや!

GM:(いいっ!?)アーサーさんは首を横に振って否定しますよ。「俺がクリスティを殺すわけないだろ?」


 この時、GMはすごく動揺するんですが。PCたちには悟られず済みました。なぜ動揺したのかは後で書こうかなと思います。

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