4、展望室の小さな乗客

GM:グランドターミナル駅を出発し、時刻は夕方くらいになりますが。皆さんは車内でどのように過ごされますか?

リナリア:晩ご飯には少し早い時間ですか? そしたら展望室に向かおうかな。

GM:了解です。


・8号車:2階展望室

□=□=□=□=□=□=□=□=■


GM:リナリアは、最後尾8号車の2階部分になる展望室にやってきました。ここには三人の先客がいますね。新しく来たリナリアに気づいて、その内の二人が近くに来ますよ。

リナリア:どんな人たちですか?

GM:まず頭に白いユリが生えている女の子ですね。

リナリア:メリアの短命種ですね(即答)。

GM:そうです。「こんにちは~私、リリアンといいます」

リナリア:どうもリナリアです。

GM/リリアン:リナリアさん。アタシ、旅行作家なんですが少しお話良いですか?

リナリア:旅行作家?

GM/リリアン:はい。短命種である自分が生きた証を子孫に残そうと思いまして、自分が見聞きしたものを書物にまとめているんです。

シャルリーヌ:う、ちょっと切ない。

リナリア:そっか短命種だから、あと10年も生きられないんだもんね。

GM/リリアン:そうなんですよ~。ちなみに現在3才です。

トーニャ:あと7年……。

GM:でも、当人は特に気にしている様子はないですけどね。

リナリア:ま、私で良ければ話には付き合いますが。

GM/リリアン:ありがとうございます。それではリナリアさんの旅の目的は何ですか?

リナリア:そう聞かれるなら、キラン!と目を光らせますね。憧れのお姉様の素晴らしさを語った後で、そのお姉様を探してブルライト地方に向かう途中で――という話を一気にします。止められなければ一時間くらいしますよ。

GM:リリアンはとても楽しそうに聞いていますよ。「へー、すごーい!」って感じ。すると、もう一人近づいてきたグラスランナーも話に食いつきますね。彼は演奏家のようで、脇にハープを抱えて常にポロロ~ン♪と、つま弾いていますね。

リナリア:あなたは?

GM:ボクは、バーナビーっていう演奏家さ。憧れのお姉様を追いかけて旅をするなんて君、かなり情熱的な人だね。

リナリア:いえ、憧れているんじゃないく、私はお姉様になりたいんです!

GM/リリアン&バーナビー:わー、すごーい!(感心)

シャルリーヌ:これは見事に頭空っぽそうなコンビですわね。

全員:(笑)

GM:三人で盛り上がっている後ろで、三人目のレプラカーンの女性が「はぁ~!」と、それは深いため息を吐きながら眼鏡をクイクイしています。

トーニャ:一刻も早く立ち去りたそう。

GM:そうですね。いつでも姿を消すタイミングを計っている感じです。

リナリア:でも、現在は乱戦エリアが形成されているので離脱はできませんよ?

GM:確かに逃げるのは難しそうですね(苦笑)。レプラカーンは観念して、それなら自分も会話に参加することを決めたようです。「はじめまして、私はルルー。キングスレイ鉄鋼共和国の鉄道ギルドに所属する魔動機師よ。この南方国際鉄道に興味があって乗車したの」

リナリア:何かすごいのこの列車?

GM:そう言われると彼女のスイッチが入りますね。「興味あるの? それなら説明するけど、この列車には大変すばらしい技術が使われていてね。まずエンジンが特別製で通常のものとは音違うところからもわかると思うけど―――(ペラペラ)」

リナリア:音……?(汗)

シャルリーヌ:まあ、いろんなマニアはいますからね。

トーニャ:いやぁ、ぜひルルーさんとお話がしたいなぁ。

シャルリーヌ:逃げていること、バレますよ?

トーニャ:あっ!(汗)

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