2、南方国際鉄道にようこそ!

GM:では、皆さんは様々な事情を抱えて南方国際鉄道に乗車することになりました。その前にちょっとおさらいですが南方国際鉄道は、最終目的地のラージャハ帝国までは一か月強掛かる行程です(サプリメント「鉄道の都キングスフォール」情報)。

トーニャ:一か月……。

GM:その道のりは、魔物の襲撃、奈落の出現、自然災害など様々なトラブルが付き物で、あまりに過酷すぎて往路のみで二度と乗りたくはないと、人生で一度きりの鉄道の旅になる人もいるようですね。

リナリア:素晴らしい、修行に持ってこいね。

GM:そんな南方国際鉄道の乗車料金ですが、まぁ、一か月も乗ることになるので、この世界では高額です。基本の個室で12000Gとさせてもらっております。で、こちらが列車の全体図となります。


 そう言ってGMは、テーブルいっぱいに渾身の魔動列車MAPを広げます。

全9両編成で、様々なニーズに応えるべく大小さまざまな客室が完備された各部屋にはNPCの名前が記載されているものと空き部屋がいくつかあります。


シャルリーヌ:うわ~、大きいですね。

リナリア:というかでか過ぎでは……?

GM:調子に乗って作っていたら、ついついこんなサイズになりました(汗)。機関車を入れて9両編成です。1号車には長旅に備えてお風呂や洗濯室が完備。2号車はハイクラスな乗客用のスウィートルームがありますよ。乗車賃は15000Gですが。

トーニャ:15000G……(絶句)。

GM:3号車は食堂車。4号車はラウンジ車でバーやビリヤード台などがある娯楽スペースですね。5号車は個室の一等客室がある車両。6号車には二人部屋の二等客室と四人部屋の三等客室があります。7号車は短距離利用する人用の座席だけの車両。最後の8号車は二階建てで、貨車の上に展望室があります。


※列車の図面を掲載できないので簡略したものを掲載します。左が進行方向です。

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リナリア:(料金表を見て)四人部屋でも9000Gするのか。

GM:四人部屋は、グループが同室で使うことを想定した部屋ですね。なおPCの皆さんの乗車賃は支払い済みという扱いにしますので、今の所持金がマイナスになったりする心配はないですよ。そうしないと列車に乗ってもらえないですし。

トーニャ:それはありがたい。

GM:値段は気にせずに好きな部屋に選んでください。

シャルリーヌ:GM。私に、スウィートルーム以外の部屋が見えていると思いますか?

GM:高貴な家の出の方だとスウィート一択ですかね。冒険者になるため、家からかき集めた支度金を使い切ってでもスウィートを選びそうです(苦笑)

シャルリーヌ:たぶんそんな感じでしょうね。ここならアントワネットも外に出してあげられそうですし。

GM:窮屈だとは思いますが良しとします。

トーニャ:私、乗車賃をどうしたんだろう? 友達から借金したのかなぁ。

GM:おや、借金から逃げているんですか?

トーニャ:いや! さすがにそれはないと思いたい!(汗)お金を気にしなくてもいいなら。私は、他の人となるべく顔を合わせたくないので個室が良いです。

GM:はい、トーニャは個室ですね。


リナリア:みんな、違うタイプの部屋がいいかな。四人部屋にNPCの名前が三人しかいないようですが、ここを選んでも良いんですか?

GM:あ、すみません。そこはちょっと事情があって選べないです。ちなみにすでにいるのはみんなオジサンですよ?

リナリア:やだ、ナンパされてしまう?(照れ)

GM:ナンパされるかわからないですが、年頃の女の子と同室になるとオジサンたちも落ち着かないと思います。

シャルリーヌ:お菓子とかいただけるんじゃないですか?

リナリア:んー、じゃあ、私は二人部屋にします。

GM:了解しました。さて、部屋が決まったところで皆さんに、皆さんが乗車される際に説明を受けますが。現在、南方国際鉄道ではキャンペーンを展開中です。

シャルリーヌ:キャンペーンですか?

GM:はい、有事の際にお手伝いをいただければ乗車賃が値引きされます。例えば、魔物の襲撃から列車を守ってもらえたら2000G値引きされます。

トーニャ:おー! それはありがたい!

リナリア:それなら個室でも良かったかな?

GM:変えますか?

リナリア:んー、いや、このまま二人部屋で良いです。

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