Chapter Two - 想い -
着いた場所には、見覚えがあった。
「懐かしいね。」
「うん。来たかったんだ。」
そう。ここは私たちが出会った場所だ。
「久々に来たよ。」
「確かに。僕も来れてなかった。」
ここは夜空が良く見える高台だ。
昔は天体観測によく来ていた。
「今日は星がよく見えるね。」
「そうだね。」
昔こうやって星を眺めてたら、瑞樹から話しかけられたんだっけ。
「流れ星みえないかな…。」
「どうだろう。もしかしたらみれるかもしれないね。」
「みれたらいいなぁ。」
「願い事あるの?」
願い事かぁ。
瑞樹とずっと一緒にいたい…なんて。
「内緒。瑞樹は?」
「願い事か…今は教えてあげない。でも、旅に出たいなぁって思ってるよ。」
じゃあ、いつか教えてくれるのかな。
しょうがない。
教えてくれるまで、待ってあげよう。
旅...か。忙しいし行ってないなぁ。
行けたら楽しいんだろうな。
「どこに行きたいの?」
「うーん。色んなとこ。海外とかもいいかもね。」
「へー、私も一緒に行きたいな。」
「...そっか。」
「また、来ようね。」
「...。...そうだね。」
瑞樹は星空をずっと眺めながらそう答えた。
…?どうしたんだろうか。
彼の表情はどことなく寂しそうだった。
「帰ろうか。」
「う、うん。」
私たちは駅前まで戻った。
「今日は楽しかったよ。ありがとう。」
「こちらこそ、ありがとう。いい一日になった。」
「もう電車がくるね。」
「そうだね。」
「じゃあ、またね。」
「じゃあ、ね。」
そこで私たちはわかれたのだった。
瑞樹は少し名残惜しそうだった。
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