森崎真司 視点(3)

まえがき

高3の5月29日(土曜日)


土曜日の昼前、自宅の自分の部屋でゲームをしていると、家の固定電話が鳴り響いた、母が出たのだろう、電話の呼び出し音が鳴りやみ、しばらくすると、顔面蒼白になった母が僕の部屋の中に入って来て「夕夏ちゃんのお母さんからの電話で、夕夏ちゃんがリストカットして、〇〇総合病院に搬送されたって!」と電話があったと言った。


「・・・・・え!?・・・・すぐに!・すぐに〇〇病院に行く!!だから乗せていって!!」


〇〇病院は僕の家から15㎞程離れた場所にあり、バスだと遠回りのうえに乗り継ぎが必要で時間がかかりすぎる、しかも父が出張中で家に居ない、母に自家用車に乗せてもらうのが一番速い。


〇〇総合病院の個室病室に入院となった彼女、今はベッドで寝ている、普段よりも血の気が引いた顔で次々と涙が溢れ出ていた。


僕は何故リストカットをしたのかが分からない。ただ夕夏の涙を拭きとる事しかできなかった。




診察結果を聞きに行っていた夕夏の両親が戻ってきた、ただその顔は鬼のような形相ぎょうそうをして、夕夏のお父さん信之が「娘が何故リストカットをしたか分ったよ、していたんだ、だけど、『』と医者に言われたよ!」静かにだが、怒気がこもった声で僕を責める様に言い放った。


「・・・・・・へ!?・・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」


めちゃくちゃ驚いた、だって僕はセックスをした記憶がない、つまり童貞だ。


「行為におよんだとしても、何故?避妊をしなかった?」「まさか!おろせとでも言ったのかね!?それならリストカットをした理由に説明が付く!」と、問い詰める夕夏の両親、僕は否定し、母も味方になってくれるが「なら!娘が浮気をして身ごもったと言うのかね?そんな不条理な娘に育てた覚えはない!」と言い、取り合ってくれない。


その様な状態の中で夕夏が目を覚ました、困惑しつつ状態を把握していく、流産の事を聞くと安堵をしたが、僕と目が合うと震えだし「・・・ごめん・・・ごめんなさい・・・」と言いながら大泣きをする、その後もゴメンとだけ言い泣くばかり、夕夏の両親は「とりあえず娘を傷物にした以上責任は取ってもらう。」僕が何を言っても流産した子と無関係だと証明ができないので、とりあえず来月が18才の誕生日なのでそれまで待ってもらう事にした。



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あとがき

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