第10話 あの記憶の追憶(夏夜神社)

8月のある日だった。

私は夏夜神社に1人でいた。

相変わらず一人ぼっちの自分は、折り紙で紙飛行機を作って飛ばしていた。


「春奈ちゃん何しているの?」


和樹君に声をかけられる。


「あのね、紙飛行機を作って飛ばしていたの。

一緒に作ろうよ、和樹君」


私は和樹君を誘った。


「いいよ、僕もやる」


和樹君は喜んで言ってくれた。

私にとってそれが嬉しかった。


「中々、飛ばないねえ…」


さっきから紙飛行機を作っていても、中々飛ばなくて苦労している。

そんなふうに困っていると、和樹君がこう言う。


「俺、作ってみる」


そうして和樹君は紙飛行機を作って飛ばした。

その紙飛行機は宙を舞うかのように飛んでいて、凄かった。

そしてその紙飛行機はとても綺麗だった。


「何でそんなに飛ぶの?」


「え? これはマジックだよ?

俺の能力を使ったの」


和樹君は優しい笑顔で私に言う。


「私もやりたい!」


私は和樹君にそう言った。


「じゃあ、お手手貸して」


私は和樹君に手を貸した。


和樹君が、紙飛行機を普通に飛ばしたあと、私は和樹君に手を操られながら紙飛行機を操った。


「凄いね和樹君!

私にもできる?」


私は和樹君にそう聞いた。


「簡単だから春奈ちゃんにもできるよ!」


そして私はさっきやった事をもう1回やって見た。

すると紙飛行機が、宙を舞うかのように飛んでいった。


「凄いじゃん」


和樹君は笑顔で言ってくれた。

その頃いつの間にか空は暗かった。


「あ、暗くなっちゃったねえ…」


私は切なくそう呟いた。


「本当だねえ…。

送っていくよ」


和樹君と私は一緒に家まで帰ることにした。


「じゃあね」


私の家に着くと私は和樹君にそう言った。


「じゃあねえ」


和樹君はそう返してくれた。


楽しかったな。

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