ほんとこの作品本当に本当に最高なんですよ…
普段から溢れんばかりの教養とふでぢからでハイブローな作品をたくさん描かれているPZさんの力がエンタメに全振りされることでこんな素敵素敵な作品が出来てしまうなんて…
厨二小説大賞を立ちあげてよかったと思える好例です!
ハードボイルドだしコンスタンティン(※キアヌの出てくるバチクソかっこいいエクソシスト映画)だしセリフ回しが本当にかっこいいし小道具もワクワクするし銀髪だし無表情メイドっ子のオートマタまで出てくるし贅沢盛り盛り過ぎて大大大好きですこんなの………
兎に角読者のこめかみをぶん殴らんばかりの語彙と知識量がすごい。
え…それってそんな名称だったの!?そんなアイテムあるの!?っていう語彙が小説の雰囲気を作り上げる効果にもなってます。
ショートリコイル!?トリガーガード!?スミスウェイト版!?!?!?なんかよくわかんないけどかっこいい!多分なんかアレだ!うん!よくわかんないけど頭よさそうだしなんかちゃんとしてそう!まるっきり馬鹿の感想しか出てこないだと…!
物語冒頭のやり取りから100点満点ですよ…海外ドラマ的な外連味たっぷりの会話の応酬が徹頭徹尾ヘキに刺さりました…
激重過去持ちの殺し屋というモチーフもだいすきだし影のある姉弟関係もだいすきです…ベタだろうと好きなものや好きなんや…!少しずつカレンとの情にほだされていく塔もとてもよきです。少女と殺し屋というものは古来からシナジーが高いと学会に認められておりますので、積極的に駆け落ちして当初距離感を測りかねながらぎくしゃくしつつ存分に関係性を育んでもらえたらと思います。別に恋愛関係に限らずがいいですね!
ダブル主人公という構成もいいですね。どちらかが刺さるような構成になっててとってもあざとい感じがいいですね…!
二人の過去の関係性匂わせも色気があっていいですね。あざとい!
藤原個人の欲を言えばストーリーと各々の関係性が王道過ぎたことと会話の外連味の味付けが少し濃いめだったことでしょうか。これは完全に好みの域の話ですが…
全体としてエンタメ小説として非常に読みやすくカッコいい作品でした!
第三次大戦後の魔都・上海を舞台に、異能の探偵と殺し屋が暗躍、またいろんな反社会的組織と激突するお話。
ケレン味たっぷりの異能ノワール・アクション伝奇です。何がすごいってもうそのエンタメぶり! 飄々とした異能探偵にその助手たる無表情のメイド風少女、影のある殺し屋と孤独なマフィアのお嬢様など、厨二心をくすぐるキャラクターが盛り沢山。それが治外法権化した魔都を舞台に暴れ回るという、もう心地よさの塊みたいな物語でした。
が、真に魅力的なのはむしろその先。わかりやすいエンタメを貫いた上で、しかしそれを下支えする様々な要素——具体的には舞台設定や小道具などの、その圧倒的な知識量にこそ最大の娯楽性があるのだからとてつもない。
なにしろ、出てくる名詞の数がとにかく多い。それも一般常識的なものからマニアックな知識まで、果ては教養と呼ぶべきものさえも。物語世界を、ひいては作品そのものを構築するこれらのパーツの豊富さそのものが、そのまま本作最大の魅力となっているのが印象的でした。いやこれ本当にとんでもない……知の物量にあてられるかのような読書体験。すごい。
そしてその上で、主軸自体はどエンタメしてくれてるのがもう本当に最高! とても楽しい娯楽大作でした! 間木さんが好き!