第三十二章 悪魔アインの正体
第三十二章 悪魔アインの
「ベテルギウス、本物のアベルはどこ?」
私は
「心配しなくたって、生きてるよ。」
ベテルギウスが言った。けれど
「だからどこ!?」
私はもう一度強い
「こっちは
ベテルギウスはそう言って目を
「はあ。もういい。分かりました。じゃあ、
私は
「分からない。」
ベテルギウスは下を向いてそう言った。
「はあ!?」
「分からないんだ。俺はアインの手引きで一人で
ベテルギウスはそう言った。嘘をついているようには見えなかったが、たくさんの人間がひそかに
「それじゃあ、逃がすのはあなた一人ってことでいい?ベテルギウス?」
「ああ。他の奴らは各々別の目的があってここへ来てる。自分たちの目的を果たすまでは帰らないさ。」
ベテルギウスは後ろめたそうにそう言った。この男の目的は
「ベテルギウス一人なら、とりあえず私の
私はデネブを頼るつもりでそう言った。私は
「分かった。人間界に着いたら、アベルの
ベテルギウスはそう約束した。
「ところで、カイン。この
「それなら持ってる。」
私はマリウス王子から
「良かった。アインから
「・・・・・・」
自分の中で
「ベテルギウス、今はっきり分かった。私はアインじゃない。
私がそう言うと、ベテルギウスは何を言っているのか分からないという顔で目をパチクリさせていた。それをよそに、私は頭の中で悪魔アインと対決するための
「デネブ、いますか?」
「はい、カイン様。」
声を聞きつけて二階から下りて来たデネブはアベルの姿をしたベテルギウスを見て、何も言わなかったが
「大切な仕事を頼みたいんです。」
「何なりとお申し付けください。」
デネブは
「こちらはベテルギウス。実はアベルに化けた
「殺しますか?」
デネブの目が
「いやいや、そうじゃなくて、人間界に帰してあげたいんです。夜の
私がそう言うと、デネブはあっさり
「お
「
「
デネブは
「じゃあ、ベテルギウスのことはデネブに
「マリウス王子のところですか?」
デネブが尋ねた。
「まあ、そんなところ。」
私は作り笑いを浮かべて
「デネブ、もし万が一のことがあればこの屋敷にあるもの何でも持って行っていいので、生き延びてくださいね。」
私はデネブの
「カイン、死ぬかもしれないみたいなフラグ立ててるけど、大丈夫か?」
ベテルギウスが心配して会話に入って来た。
「うん。大丈夫。同じ
私は自分に言い聞かせるようにそう言った。
二人をおいて
アインは
「カインです。
私は
「
私は姿勢を低くして、
「カインか。
「はい。見つかりました。」
私がそう答えると、
「申してみよ。」
「はい。
「ほおう。」
犯人の名を告げられても
「
「ほおう。」
魔王は笑みを浮かべたまま
「
私がそう言い
「それでカイン、そのアインは一体何者なのだ?」
「
私はたどり着いた
その時だった。二人しかいないはずの
「カイン!!
「またやると思っていました。マリウス王子。今度は
私がそう言うと、マリウス王子が
「
私は部屋の中を逃げまどいながら扉に向かって叫ぶと、外で
「カインを守れ!マリウス王子を取り押さえろ!」
「ペルセウス!
マリウス王子が兵士たちと
「カイン、ペルセウスに
「へ?」
「早く
「ペルセウス、
私はマリウス王子から距離をとり、
「イエス、マイロード!」
ペルセウスは何かに取りつかれたようにそう言うと、
「これでわしの方は大丈夫だ。」
「マリウス王子、こんなこと止めてください!」
私は
「カイン、何でまた
マリウス王子は完全に
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