第三十章 悪魔の黄金比
第三十章
私は
『キグヌス
キグヌス
「この写真、デネブに似てると思いません?」
私は直接本人に話を
「あ、これ私です。」
何ですと!?
「カイン様、本当に何もかもお忘れなのですね。私はキグヌス
デネブはさらりと言ったがこちらはさらりと
「デネブの
「男です。」
「・・・へえ。」
「ガッカリさせてしまいましたか?」
「いいえ。」
何がガッカリだ。
「カイン様、怒ってます?」
「怒ってないです。私、そろそろマリウス王子の
私はいささかぶっきらぼうに言ったかもしれない。
「行ってらっしゃいませ。お気をつけて。」
デネブはいつものように見送った。
裏切られたような気持ちで一杯だった。こっちも男だって
「ねえ、カイン。この写真、カインのところにいた使用人に似てない?」
城にある自分の
「そうですか?デネブは
私は
「顔が似てるんだよね。」
マリウス王子がじっと新聞に目を落としながら言った。
「そうですかね。他人の
こんなことなら今日も
「そういえば、先日の
「へえ、そうなんですか。」
「
「そうですね。」
「で、カインのところの使用人はどういう
「ドラキュラ
「あの女以外に使用人はいるの?」
「いないです。」
「ふーん。」
「カイン、今日は何を教えてくれるの?」
マリウス王子がようやく生徒らしいことを言った。
「ええと、今日はフィボナッチ
「また?」
「・・・の応用で、フィボナッチ・リトレースメントをやりましょう。」
「続けて。」
お、許可が出た。私は分かりやすいように図を
「フィボナッチ・リトレースメントは
そう言って、書き終えた図を見た時にふとこれまでの
二十三.六パーセント=シリウス王子
三十八.二パーセント=マリウス王子
六十一.八パーセント=ドラキュラ
再び百パーセント=
何だかこれまでのことが
「どうしたの、カイン?」
「何でもありません。」
こんなチャートありえない。一体何の価格だ。
「カイン、さっきから様子がおかしいけど?どっか悪いの?頭が痛いとか?」
マリウス王子が一人で
「大丈夫です。ちょっと・・・
「え?」
「ああ、何でもないです。さあ、王子も実際に
私は
「そういえばカイン、アベルの件はどうするの?いつやるの?」
マリウス王子が
「
私はそう答えた。
「ペルセウスを
マリウス王子はそう申し出た。ここに本人がいなくて良かった。
「今日一度も姿を見かけませんが、ペルセウスはどこに?」
「
マリウス王子はそう言った。
「アベルの件は私に任せてくれたんじゃないんですか?信用ないですね。」
私は少し
「
マリウス王子はそう言ったが、私は
「ペルセウスに仲間がいるかもしれません。
私は
「それなら、カインが
マリウス王子が
「ペルセウスを見つけたら、マリウス王子のところに戻るよう伝えますね。」
この子のあしらい方が分かってき始めていた。
「カイン、冷たいよ。」
マリウス王子が
「
私はそう言って
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