第二十六章 謎めくアベル
第二十六章
「カイン、着きましたよ。早く
アベルが息を止めて言った。同じ馬車に
「はいはい。
私は
「アベル、このままカインを魔王の
リゲル
「本人が
アベルが口と
「カイン、もしかしたら・・・このまま最後を迎えるかもしれない。本当に
リゲル
「
私がそう答えると、リゲル
「来たか。」
「何だ。
「
リゲル
「
魔王が言った。
「リゲル、ご
魔王がそう言うと、リゲル
「ようやく、二人で話せるな。カイン。」
「・・・そうですね。」
ん?どういう関係だ?
「
「あの日とは?」
「決まっているだろう。わしが殺されそうになった日だ。」
あ、
「
私はその時、まだ本物のカインと
「ではわしを殺そうとした
「覚えておりません。」
「あの日、お前はわしの
そうそう。マリウス王子がカインに魔王を殺すように頼んで、カインがそれを
「お前と話していたところに、隠れていたマリウスが出て来たのは覚えている。だが
え?それって犯人はマリウス王子ではないってこと?それならどうして、王子は自分がやったなんて言ったんだろう。
「どうした、カイン?わしの
「本当に何も覚えておりません。ですが・・・犯人を
何言ってるんだ私。言うんじゃなかったかも。
「ほおう。
「はい。」
ええい、もう
「この場で名を上げないところをみると、それなりの
「承知いたしました。」
私は
「ところで、カイン。」
「何でしょう?」
「お前、ひどく
「・・・すみません。」
私はさすがに
「ただいま
私はリビングのソファーに座る二人にそう声をかけた。
「カイン、なぜここにあなたがいるの?」
ローズレッドが
「まさかドラキュラ
マーガレットが言った。
「違います。
二人はあからさまに
「じゃあ、私、ちょっとお
久しぶりのお
「あ~
「ルルワ。」
「何だ?カイン?」
『
「
「犯人ならお前の思っている通りの人物だ。」
ルルワが言った。
『アベル。』
私とルルワの声が重なった。
「やっぱりかあ。」
私はそう言って、
「マリウス王子の近くにいて、
ルルワが言った。そうだ。思い出した。あの時、アベルに負けた気がして
「マリウス王子はカインが好きなんだ。おかしいだろう?」
「確かに。マリウス王子の気持ちを知っている今なら、アベルと一緒がいいと言ったら何かあるって
私は
「アベルは王子の
ルルワが私の
「魔王はマリウス王子が自分の
私はルルワに尋ねた。
「息子だからだろう。目をつぶりたいんだ。」
ルルワは
「アベルを
「アベルの
ルルワはそう答えた。つまりはマリウス王子も無事では済まないということだ。
「ルルワ、アベルはなぜ
「誰であれ、
ルルワが言った。
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