第二十四章 狂気のコウモリ男
第二十四章
「鏡さん、呼びにくいので何か他の名前で呼びたいんですけど、いいですか?」
私は誰もいない朝の廊下を歩きながら、伯父のシュテファンから託された『
「
鏡に映った私が答えた。
「ルルワはどうですか?」
ルルワとは誰もが知ってる物語にカインの
「いい名前だ。」
「気に入ってもらえて良かった。ところで、いつこの城から逃げ出せばいいと思いますか?」
「
「馬で逃げるというのは?」
「道は分からないし、日もかかる。
「ですよねー。」
「ルルワ、そろそろダイニングだからしまいますね。」
私はダイニングの扉の前に立っていた。今日もクラウスと朝食をとることになっていたのだ。
「カイン、くれぐれも気をつけるんだ。クラウスはお前の
「分かってます。」
私はそう言って、
ダイニングにクラウスの姿はまだなかった。私が
「
「ありがとうございます。」
デネブは私お気に入りの
今朝は目玉焼きにソーセージ。好きな組み合わせだ。デネブの紅茶を待たずにガツガツ食べ始め、オレンジジュースで流し込み、あっという間に
「おはよう。カイン。」
「おはようございます。びっくりしました。急に
クラウスは
「お
クラウスが
「そのペンダントの中には俺の
クラウスはニコニコ笑ってそう言った。
「・・・クラウス、
「違うよ。俺もこのペンダントの中にカインの
クラウスがうっとりとした
「ずっと好きだったんだ。カインのこと。でも
クラウスが
「これで
「どういう意味ですか?」
「俺とカインは
「私たちは親友じゃなかったんですか?」
私は
「君は女だ。カイン。もう俺の
クラウスはとろけそうな笑顔で言った。イカれてる。
「私、気分が悪いので失礼します。」
私はそう言って席を立った。クラウスは
「服がないっっ!何なんだこのドレスは!?」
私は
「あ、気に入ってくれた?」
クラウスが私の後ろをついてきていた。このストーカーめ。
「このドレスは何ですか!?」
私は
「
クラウスが
殺す。クラウスへの
「城にある父上の
クラウスは当たり前のように私の
「カイン、俺からは逃げられないよ。君の本当の父親を
クラウスは低い声で言った。
「
「そうだね。ずっと俺を
クラウスが
「ずっと君が本物の未来の
クラウスは
「でも俺は
クラウスはそう言って
「もう
私はそう言ってクラウスにかけられた金色のペンダントを
「何するんだ、カイン!?」
クラウスは
「お
クラウスはそう言ってペンダントの中身を見せて来た。本当に決め顔のクラウスの
「俺のにはカインのものが入ってる。」
クラウスは自分のペンダントの中身を見せて来た。いつ撮ったのか分からない
「そのボタン、昨日私の服から取りましたよね?」
「カインなんて
クラウスは
「それに今着ている服も、ここにある服も俺が用意してあげたものだ。どうしようと、君はとやかく言える
クラウスはそう言ってまた金のペンダントを私の
「やめてください!」
私はクラウスの手を振り払って、
「追いかけっこがしたいの?忙しいんだけどな。」
クラウスがまたペンダントを持って近づいて来た。
その時だった、ものすごい
「
クラウスの
「ここがどこか分かっているのか?」
クラウスが
「も、申し訳ございません。ですが、
男は
「言ってみろ。」
「
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