第二十二章 Cの肖像画
第二十二章
ある朝、いつものようにクラウスと一緒に朝食を取っていた。そこへ
「
クラウスはデネブが
「また
「はい。」
デネブが
「そこに置いといてくれる?」
クラウスはダイニングテーブルを
「クラウス、お見合い写真でしょう?私、見てもいいですか?」
私は最近クラウスのもとに届くお見合い写真を見るのが朝の
「どうぞご自由に。人の見合い写真を見て一体何が楽しいんだか。」
クラウスが
「楽しいですよ。ご
私はそう言いながらデネブからお
「何々・・・エーデルワイス・ダネシュティー。
私はクラウスに
「・・・
クラウスは
「もったいないですね。」
私は
この上品なレディーのどこか気に入らないんだか。クラウスの
「俺、こう見えても
クラウスが
「へえ、
「信じてないね?」
心のこもっていない私の
「このペンダント、昔、誕生日プレゼントでもらったんだけど、これに俺の
クラウスはそう言って
「え、キモッ。」
思わず
「キモッて・・・ひどいな。」
「お相手も同じことをしていたら完全バカップルだし、クラウスが
私はクラウスのことを思って
「分かったよ。誰にも話さない。」
クラウスは
「そうだ。今日の
クラウスは
「はい。
私も何事もなかったかのようにそう
「じゃあ、そういうことで。また
クラウスはそう言ってダイニングを出て行った。仕事に行くのだ。私も仕事がしたい。クラウスを
昼食まで私はいつものようにデネブと
「あともう少しで飛べそうですね。」
デネブが言った。私は
「ちゃんと飛べるようになったら、私も仕事をさせてもらえるのかな。」
私はそう言った。
「あなたは仕事を作る
デネブが言った。
「仕事を作る・・・?」
「カイン様は何がしたいのですか?」
デネブが
「何って、仕事がしたいです。仕事して、認められて、
そう、それが私の人生だった。努力して
「カイン様、あなたの願いはすべて
デネブが
「そろそろ
デネブが
「もうそんな時間ですか。」
スケジュール
「お
私は
「あのー、すみません。カインです。どなたかいらっしゃいませんかー?」
私は
『また来たんだね。』
声がした。聞き覚えがある声だった。あの白い
『こっち、こっち。』
白い
「この絵をこんなふうにしたのは私ではありませんよ。」
私は白い
『こっちはシュテファン。』
前と同じように白い
『こっちは・・・』
白い
「だから違うって言ってるじゃないですか。私はこんないたずらしません。」
『シー。』
「え?」
私が聞き返すと、
「
私は独り言を言いながら
「
「
振り返るとクラウスがいた。後ろから
「クラウス!?」
私は驚いて声を上げた。
「あ、あのクラウス、この
私は自分が疑われると思って
「クラウスはCLAUSとも書くが、俺はKLAUS。
クラウスが言った。いつも通りの顔で。私の
「俺も最初は絵描きが間違えたのかと思ったけど、
「これは
クラウスが
「君はシュテファン
「今何て?」
「
クラウスが
「なぜそんなこと・・・」
そう口をついたところで思い出した。
「俺はカインの
クラウスの目に
「クーデターを起こしてシュテファンを
クラウスの顔が
「クラウスはどうして入れ替えられたことが分かったんですか?」
私は静かに
「きっかけはこの絵だった。以前は城に掛けられていて、
クラウスが悲しそうな顔で言った。ローズレッドの言葉は
「ローズレッドは他に何か言ってませんでしたか?」
「何かって?」
「いや、それだけかなって・・・」
ローズレッドは私が女だということは話さなかったのだろうか。
「この話を君にするのは二度目になる。
クラウスが
しまった
「別に意味はないですよ。大切な話なので、
私は言い
「前の君も今の君も腹の底で何を考えているのか全く分からない。あの時も君は俺を止めようとしなかった。君から
それが
「私はクラウスの
「親友だ。いつまでもずっと。」
クラウスはそう言って私を
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