第十九章 幽霊屋敷で昼食を
第十九章
マリーちゃん以来、私の元を訪れる者はなく、ひたすら
「カイン様。」
メイドさんが私を呼びに来た。そろそろお昼の時間かな。こんな生活だと食べること以外に楽しみがない。
「今日のお昼は何ですか?」
「チキンの
メイドさんがにっこり笑って答えた。この人好きだな。
「今日は
歩きながらメイドさんが言った。
「そうなんですか!?大公のお父様って
「そうですね。
シュテファン様とは
記憶を失ってから、というかこの
メイドさんに連れられて来たのはいかにも出そうなお
「本当にここにいらっしゃるんですか?」
私はメイドさんに
「はい。
メイドさんは
「カイン様、私は屋敷の中に入ることを
メイドさんが
「え、え、でも・・・」
「中に屋敷付きの使用人がおりますので、その者が
メイドさんはきっぱりそう言って、
「わ、分かりました。一人で行きます。あの、でも、メイドさん・・・」
私はガタガタ
「何でしょう?」
「何かあったら
「デネブです。」
メイドさんがくすりと笑って言った。
「デネブさん。」
「デネブとお呼びください。
デネブさんは優しい笑みを浮かべた。私と同じ青い
私は意を決して
「あのう・・・どなたか・・・」
デネブの話ではこの幽霊屋敷の
私がガタガタ
「ぎゃあああーっ」
「デネブ!!デネブ!!デネブ!!」
玄関の扉を
『こっち、こっち。』
白い
『
白い
『こっち、こっち。』
「はいはい。
私は
白い
『見て。』
白い影法師が立て止まって言った。蝋燭の明かりで
『
「そうなんですか。」
この幽霊屋敷の
『こっちはシュテファン。』
白い影法師が言った。
『こっちは・・・』
白い影法師がそう言いかけた。クラウスの肖像画があるのだろうと思って
「これはクラウスの
私が
「え、私?私はこんなことしないですよ。」
『お前だ。』
「いやいや、本当に違いますから!」
私は
「ちょっと、どこに行ったんですか?ここに一人にしないで!」
私は暗い
「カイン、来たか?遅かったな。こっちだ。」
「クラウス!」
私はクラウスの方へ
「何だよ。
クラウスが
「さあさあ、行きましょう!クラウス!お昼が
「君が
クラウスが
ダイニングは大きな
「伯父上、お久しぶりです。お待たせして申し訳ありません。」
私は
「いやいや、クラウスもさっき来たところだし、私は
伯父上はそう言っておっとりとした優しい笑みを浮かべた。この人もパパのように優しい人だ。キビキビとしたクラウスとは性格が
「さあ、座って。」
伯父上が席に着くよう
「こうして見ると、二人ともよく似ているね。兄弟みたいだ。」
伯父上が私とクラウスの顔を
「本当に俺たちよく似てるよね。」
クラウスが
「顔は似てますね。」
私は
前のカインならクラウスと
「そう言えば、このお屋敷には幽霊の使用人がいますよね?ちょっと
私は話を変えた。
「え?幽霊の使用人?」
伯父上もクラウスも
「幽霊の使用人っていませんか?」
ちょうど幽霊屋敷の使用人らしき人がダイニングに食事を
「カイン、幽霊の使用人はここにはいないよ。」
伯父上が答えた。その顔は
「大丈夫か?
クラウスも
「そうですね。疲れているのかもしれません。」
私は何も見なかったことにして、昼食を楽しんだ。チキンの
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