第十八章 お友達のマリーちゃん
第十八章 お友達のマリーちゃん
クラウスの
「まずは
鬼コーチ・クラウスが言った。
「はい、コーチ!」
そう返事をしたものの、私は一回もできなかった。
「できないの?一回も?」
クラウスが
「カイン、君はコーチがつくレベルじゃない。
クラウスはそう言ってさじを投げて立ち去った。まあ当然か。私は昔っから
何時間たったのか分からない。空はいつも天気が悪くて、体内時計は狂ってる。時計がないと時間なんて分からない。私を呼びに来たメイドさんがまだ生まれたての
「カイン様、お友達がいらしています。」
メイドさんが言った。お友達なんていない。誰だろう。
「
私はそう言った。
「マリー様と
メイドさんは少し困った顔をしてそう続けた。
マリー様・・・少しだけ覚えがある。まさか・・・
「
私がそう答えると、メイドさんはスカートをつまんで可愛らしくお
「ペルセウス!生きてたの!?良かった!!」
私がそう言って
「まずは僕に
王子は目を
「これは失礼しました。遠いところ、よくぞお
私は
「立つがいい。」
マリウス王子が言った。いばりんぼう王子め。
「
私がそう言うとメイドさんは
マリウス王子を庭にある
「ここまでどうやって来たんですか?」
私はマリウス王子に尋ねた。
「俺が
王子の代わりにペルセウスが答えた。そして背中を私の方に向けると黒いコウモリの
「ペルセウス、飛べるの!?」
「うん。マリウス王子にカインの
ペルセウスが自分の
「へえ、そうなんだ。」
そう言った私の顔は引きつっていたかもしれない。
「もしかして、カインは飛べないの?」
マリウス王子が私に尋ねた。この子は私の
「飛べたとしても、王子を
私は
「それにしてもペルセウス、生きていて本当に良かった。
私はテーブルに両手をつき、
「おいおい、頭を上げてくれよ。俺なら大丈夫だって。
ペルセウスは
「
マリウス王子が不満をぶちまけた。
「それは、すみませんでした。」
確かに何も言わずに消えたのはまずかった。手紙の一つでも残しておけば良かったのだろうか。
「カイン、分かっていると思うけど、今すぐ一緒に帰るからね!」
マリウス王子が
「え、それはちょっと・・・」
私はペルセウスを
「ペルセウスを
マリウス王子はそう言ってペルセウスの
「ペルセウスさえいなくなればカインはうちに戻って来られる。誰も
マリウス王子が言った。目が本気だった。本気でペルセウスを殺すつもりだ。
自分をディアボロからここまで
「タウルス
ちょうどそこへクラウスがやって来た。お茶を運んできたメイドさんも一緒だった。メイドさんがマリウス王子の
「カインをディアボロに戻すための
マリウス王子は
「ここはドラキュラ公国。タウルス族のあなたが
クラウスは
「僕は
マリウス王子は言い返した。
「手出ししたのがバレればね。」
クラウスはそう言ってニヤリと笑った。
「ここはドラキュラ
クラウスはそう言ってまたニヤリと笑った。さすがにマリウス王子も
「マリー様、
私はそう言って
「マリー様?」
私がそう声をかけると、マリウス王子が首に手を
「早く僕のところに戻って来い。」
マリウス王子は私の
「ペルセウス、マリウス王子のこと、ごめん。でも本当はそんなに悪い子じゃないんだ。だから・・・」
「分かってる。カインが姿を消したとき、マリウス王子が真っ先に俺を引き取るって言ったんだ。まあ何か
「うん。ありがとう。」
ペルセウスがマリウス王子の後を追いかけた。
「ずいぶん
クラウスは二人の
「気づいていたんですか?」
「
「ああ。」
そうだった。
「ディアボロを
クラウスが
「子供ですよ?」
私は何だかんだ
「
「まさか。まだまだお
クラウスに
「すぐに大人の男になるよ。」
クラウスはそう言ったニヤリと笑った。この
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