第十一章 偉大なるグランマ・ローズレッド
第十一章
「失礼カイン、マリウス王子を探していて・・・」
そう言って
「おや、マリウス王子ここにいらしたのですか。シリウス王子とヴラド
アベルが言った。何も知らないアベル。ライバル
「分かった。行くよ。」
マリウス王子が
「カイン、今すぐ屋敷に戻った方がいい。おばあ様がドラキュラ
「おばあ様?」
「
アベルが言った。もはやこの男が親切な男に見える。
「ありがとう、アベル。すぐに屋敷に戻ることにします。」
私はそう言った。マリウス王子が私たちの会話を
「カイン、おばあ様に会って来るといい。でもすぐに僕のところに戻って来るんだ。」
マリウス王子が
「分かりました。」
とりあえずそう返事をした。嫌ですとは言えない。
行き交う兵士たちにヴラド
「遅かったわね。カイン。」
白髪の女が言った。
「あの、あなたは?」
私は尋ねた。
「記憶喪失というのは本当のようね。私はローズレッド。ただのローズじゃない。
それがローズレッドとの出会いだった。その立ち振る舞いからすぐに強い女だと分かった。
「突っ立ってないで手伝ってくれる?」
ローズレッドが言った。何やら
「あの、どうすれば・・・」
「私は耳を塞いでいるから、あなたが火をつけてちょうだい。」
「分かりました。」
私はローズレッドが差し出したマッチを受け取ると、
「
背後からローズレッドが言った。振り返った瞬間、ドーンと
「ヤダ。お部屋が
ローズレッドが空中を
「これで
「おばあ様これは一体・・・」
「ノンノン。私のことはローズレッドと呼んで。」
「ローズレッド。」
「そう、それでいいわ。この
ローズレッドはそう言いながらソファーに座った。
「お一人で準備なさったんですか?」
「そうよ。あなたのパパもママも城に出払っていて、私しかいなかったのよ。」
ローズレッドは女優のように
「なあに?私みたいなおばあちゃんにはできないと思った?笑わせないで。私はあなたより若い時から
ローズレッドは
「あなた、今回は
ローズレッドが腕を
「あなたはドラキュラ
ローズレッドはそう言った。彼女の言葉が私に自信を与えた。そうだ。私は私がなりたかった私になったんだ。最高の男に。
「あら、顔つきが変わったじゃない。そうよ。その顔よ。いつもそうやって
ローズレッドは満足そうに
「はい。」
私は大きく
「さてと、本題に入りましょうか。」
ローズレッドは長い足を
「
ローズレッドが
「マリウス王子は
「どうして?あなたに
「それは・・・」
「女だとバレた?」
ローズレッドが
「私が女だって知っていたんですか?」
「当たり前でしょ?家族なんだから。あなたが立派な
ローズレッドは頭を抱えて言った。
「やっぱりそうなんですね。」
私は向かい側のソファーに
「何か言われた?」
「魔王はマリウス王子に毒を
「本当にやることが悪魔ね。でもなぜ戻って来たあなたを
「私のことが好きだと言っていました。カミラに戻って
「それはいいわね。」
「え!?」
ローズレッドが
「一つの手として取っておきましょう。あなたがシリウス王子を手なずけられなかったら、マリウス王子の
ローズレッドは
「シリウス王子に
私は言った。
「いいわよ。好きにしなさい。でもシリウス王子につくなら
ローズレッドはそう言った。カインがこの人が
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