第十章 クレイジー・プリンス
第十章 クレイジー・プリンス
「
「え?」
「正確に言うと、殺し
王子はそう言った。耳を疑う
「魔王が僕を
マリウス王子は可愛らしい顔のクリクリの
「あの日・・・魔王が倒れた日、僕は部屋に隠れて見ていたんだ。カインが
マリウス王子はそう続けた。
「もう
マリウス王子はそう言った。まさかこの王子に殺されていたとは。自殺したんじゃなかったんだ。
「カインがいつものように
マリウス王子はそう言って、まるで化け物を見るような目つきで私を見た。
「その上カノープス兵に連れて行かれそうになった時には助けてくれた。兵士の頭をかち割って。あれは何?僕へのオマージュ?」
王子は人を
「まあ、それはもうどうでもいい。」
王子は吐き捨てるようにそう言うとため息をついた。
どうでも良くない!人を殺しておいて、その言いぐさはない。可愛い顔してとんでもないガキだ。
「きっと僕たちは運命なんだ。」
「はあ?」
「僕はカインのことが大好きだよ。カインも僕のこと好きでしょ?」
マリウス王子はそう言った。
「マリウス王子、お話が
私はイカれ
「カイン、カミラに戻りなよ。そしたら僕のお
マリウス王子は確かにそう言った。王子はカインが本当は女だと知っている。家族しか知らないんじゃなかったの!?パパさん、ママさん、どういうこと!?
「僕が気づいていないとでも思った?靴は
マリウス王子は自分が優位にあることを知っていた。だから魔王の
「大丈夫。僕とカインは
「カインが二度と裏切らなければ
ああ、そうだ。そうだった。こいつは悪魔だ。可愛い顔していても悪魔は悪魔。人を食い物にして己の欲を満たす奴なんだ。
「僕は殺し損ねた魔王を始末して、次の魔王になる。でもその前に
発言が
「返事は?」
「・・・・」
「また裏切るつもり?」
「・・・・」
「いい話なのに。僕はカインのことが大好き。カインも僕のことが好き。邪魔な二人が消えれば二人共ハッピー。まるでおとぎ話の王様とお妃様だ。」
お妃様になる女に父と兄を殺して来いなんて言うおとぎ話なんて聞いたことがありません!
「ねえ、カイン。」
マリウス王子がそう言ってにじり寄って来た。
「僕が暴走したらどうなると思う?」
マリウス王子は耳元でそう囁いた。
「別に自分の手で魔王やシリウスを殺してもいいんだ。実際魔王はやったし。失敗したけど。」
じゃあ、そうしてくれ。私のことは巻き込まないで。
「僕はカインの愛の
好きじゃない~!
「僕を裏切った君を許してあげるよ、カイン。だから魔王とシリウスを殺して僕への愛を示して。」
マリウス王子はそう言って私の首に手を回して来た。
「やっぱりカインがいないと僕はダメなんだ。他の誰を手にかけても何にも思わなかったけど、君だけは違った。川に捨てた時、後悔した。生まれて初めて泣いたよ。僕は何をするか分からない。僕はカインがいなかったら何をするか分からないんだ。だから一生
マリウス王子はそう言って背伸びをして私にキスをした。それが
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