第二章 初仕事の日に謀反発生
第二章 初仕事の日に
「いいこと、カミラ?王子の家庭教師の仕事は休めない。なぜなら王子が城にあるあなたの
絶世の美女の母が私の手を握りながらそう言い含めた。
「分かりました。」
だんだん状況が
本物のカミラにとってどうだか分からないが、私にとっては幸運な入れ替わりだ。かねてから男として生きてみたいと思っていた。
「善は急げです。すぐに王子が待つ
私は
輝かしい男人生の始まりだ。そう意気込んでいたものの、
「あ、どうも。お待たせしてすみません。授業を始めまーす。」
ここは
「カインが遅刻するなんて珍しい。何かあった?」
王子が私に尋ねて来た。
「いえ、別に。ちょっと川に身を投げて
私は
「え!?
王子が驚いて言った。医者を呼んでくれるなんて心優しいではないか。牛の角がついた魔王の息子なのに!
「仕事が好きなんですよ。お医者さんにも治せませんから、授業やりましょう。歴史とかちょっと無理があるんで、数学にしましょう。」
私は数学の教科書を手に取った。王子は
「フィボナッチ数列ですね。一、一、二、三、五、八みたいに最初の二つ以外は直前の二つの和になっているものです。フィボナッチ・リトレースメントは投資でも使われる指標なので勉強しておいて損はないですよ。私も学生の頃、FXの指標の一つとして使っていました。結構荒稼ぎしましたね。」
私がそう言うと、王子はキョトンとしていた。
「FX?何か今日のカインはいつもと違う。」
王子が
「そ、そうですか?」
魔界にはFXはないらしい。
ドンドン、と執務室の扉を強く叩く音がした。
「王子はいらっしゃいますか!?」
そう言って兵士が入って来た。兵士は毛むくじゃらで二本足で立つ
「な、何ですか!?誰ですか!?」
私は恐怖で引きつった顔でそう尋ねた。
「大変です!魔王様が
毛むくじゃらの
「きゃあああああっ!」
私は女に戻って叫び声を上げていた。
「黙れ、
そう言った兵士は
「ついて来い。」
半魚人はそう言って王子の腕を
事情はよく分からないが、王子を連れて行かせてはいけないと思った。私は
「どうして・・・」
王子がそう何か言いかけたが、逃げるのが先だと思って話を聞かなかった。
「こっち。」
私は教えられていた隠し通路への扉を
「走って!城の外に出られるから!」
私は王子にそう言った。王子は黙って
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