痛み
バブみ道日丿宮組
お題:鋭い負傷 制限時間:15分
痛み
負傷を自分でどうにかできれば、生存確率は多く変わってくる。もちあるく救急セットや、常備薬はかなり効果的だ。そして1人よりも2人いれば、なお精神面で傷は浅くなってく。
とはいえ、捕縛された身となれば、話は違う。
「いつまでそうやってうつむいてるの」
「……」
幼馴染の声が聞こえる。
彼女は一昨日の放課後わたしを罠にはめた。
罠にハマったのは仲の良かった友人の呼び出したということもあって油断してたこともある。
反射神経がよければ、彼女の一撃をかわしてその場をやり過ごすこともできた。けれど、スタンガンという凶器はわたしの首筋に入り、意識を失うことになった。
崩れ行く最後の景色は友人のどうしようもない表情だった。彼女は利用されてただけであって、悪いのは幼馴染だ。気遣う必要のないことなのだ。だから気にしないでほしい。
そして、
「……どうして」
今ここに友人がいないのは良かった。
こんなわたしを見れば、すぐに友だちをやめたいと思うだろう。げんにもうやめさせられてるかもしれない。
わたしは彼女の所有物として、マーキングされてる。それは昔からあるもの。
「あなたは私のだから」
うつむいた視界に写る彼女のマーク。
それはおへそのすぐ下にある名前入りのハートマーク。そして彼女の名前。他にもいろいろある。
「最近かわいい後輩ができたみたいね?」
「……なにをしたの」
「今はなにもしてない。あなたが静かにしてくれれば、私はどうでもいいの」
つまり、私が我慢さえすれば、第三者は被害をうけない。そういうことなのだろう。
「調教してもいいかしら」
「断ってもやるのでしょう」
身体にはいたるところに、痣ができてる。彼女が作った傷跡だ。彼女はそれを良しとしてる。きれいな肌を許さない。
「きれいな血の色。私はあなたのこれが好きなの」
そうして彼女はたくさんの鞭をわたしに浴びせた。
その時間は長いようで、短く感じた。
痛みが極限を迎えると、わたしは尿をもらしてた。
痛み バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます