5月30日

 片手鍋に水を入れ、コンロにかける。

その間に冷蔵庫からレタスを1玉、流し台の中で丁寧に水洗い。

スーパーで買ったレタスなら、そこまで念入りに洗う必要はないのだけれど。

母が送ってくれる野菜にはいつも、新鮮な代わりにちいさな虫やカタツムリが潜んでいるのだ。

案の定、ちいさなカタツムリを見つけて窓を開け、生垣にそっと乗せてやる。


 そうだ、えんどう豆も届いてた。

レタスを洗い上げて、冷蔵庫の野菜室から山盛りのスナップエンドウを取り出す。

旬の野菜だといっても、一度に大量に送り付けてくる母に有難い反面少しだけ呆れてしまう。

これだけのえんどう豆、食べきれるのかしら。


ひとつひとつ丁寧に筋をとり、水でざあっと洗って網にあげると丁度良く鍋の湯が沸いた。


 まずはレタス。

湯をくぐらせるとあっというまにしぼんで、ぺしゃんこになる。

軽く火を通すことでかさが減るので、いくらでも食べられてしまうのだ。

元々、生でも食べられる野菜なので、さっと湯を通したらすぐ引き上げておく。

 次に、スナップエンドウを茹でる。

こちらは少し長めに。

ぶくぶくと煮え立つ鍋の中に豆を入れると、さあっと鮮やかな緑色に変化していく。


えんどう豆が茹で上がったら一度湯を捨て、新しく水を張る。

再度火にかけて沸騰するまでに肉を用意する。


『豚しゃぶ用 ロース』とラベルに書かれた肉は程よく脂身があって柔らかそうだ。

お湯が沸いたところで、1,2枚ずつ湯に入れていく。

色がすっかり変わって、軽く沸騰したら引き上げてザルにあげ、これをトレイの肉が無くなるまで繰り返す。


 大き目の、ちょっと深めの皿(うちではカレー皿を良く使う)を出してレタス、えんどう豆を盛り、その上に更に茹でた豚肉を盛り付ける。

そうだ、トマトを買ったんだった。

すっかり忘れていたトマトを洗い、くし切りにして皿の隅に添えると、一気に皿全体が明るくなった。

 やっぱり、彩は大事だよね。

「にんじんは彩だから、見えるところに添えてちょうだいね」

母の言葉を思い出す。


 炊飯器からごはんをよそい、おかずとともに皿に乗せてテーブルに運ぶ。

味付けはお好みで――ポン酢、出汁つゆ、ごまだれとレモン味のめんつゆ。

それからマヨネーズと七味も一応。


良く冷やした緑茶とグラスも並べて、それでは。


「いただきます」



本日のメニューは、冷しゃぶサラダ。


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一日 一文 カタバミ @Katabamix

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