8、ダイケホーンの夜
GM:アールの家は、祖父のバートランドと二人で生活しているようで、少し手狭ではあるけれど5人とも入れる。室内で、イノシシのシチューをご馳走になるよ。
一同:やったー!!!
ベルジ:「食べて良いの!!」
イヴ:「食べ過ぎは駄目」
ベルジ:「わかってるよう!」
エリック:「ベルジは食いしん坊だからなあ」
ベルジ:「ふふん、育ち盛りなので」
ヨル:もそ……と食べてる。
ナタリー:「このイノシシ、血抜きがしっかりされてて美味しいわ」
GM:「狩人の料理だから」とアールが頷く。
ベルジ:「そういえば、さっきの質問だけど……結局、金ぴかはダイケホーンでも危険視されてるのかな?」
GM:それに関しては、その通りだね。普段見る事がない魔物だから、おかしなことが起きる前に排除すべきだと考えているらしい。
ベルジ:「あー、確かに」
エリック:「ちなみに、君はその金ぴかを見たことがあるの?」
GM:「俺は見た事がないが、見たってやつはいっぱいいる」
エリック:「それはこの集落の傍で?」
GM:いや、付近では出ないらしい。けれど、少し下って行って釣りなんかをしていると、よく見掛ける。珍しいわけでも無くて、かなり頻繁に目撃されているみたいだ。ただ、狩人は基本的に少人数で行動しているから、こっちから戦闘を仕掛けたりはしてない。
エリック:「戦闘が発生してないなら、強さは分かりそうにないな」
ベルジ:「じゃあ、誰かが襲われたってことは無いんだ!」
GM:「まあ、俺達は狩人だし、危ない事は危ないってわかるから。逃げるようにしてる」
エリック:「そりゃそうだ、それが賢いよな」
ベルジ:エリック兄貴、レンジャー目線だ! 「ってことなら、僕達でどうにかするしかないよね」
GM:じゃあここで、デュラハンについての情報を出しておこう。
・二頭立ての馬車に乗っている騎士。その見た目から、デュラハンと判断された。
・デュラハンのように見えて、頭の部分には金色の兜が乗っている。首は抱えていない。
・狩人は不要な殺しはしないし、殺した場合食べたり埋葬したりしているので、アンデッドが居るとは思えない。もし居るとしたら、ハーヴェス側の不始末か、第三者の思惑が絡んでくるのでは。
GM:デュラハンに関して魔物知識判定を振っても良いよ。
ベルジ:知った顔して解説したいから振っておこ! 「デュラハンって言うのはね!」
ナタリー:一応振っておきます!
GM:知名度は11、弱点値は18だ。
〈魔物知識判定〉
ベルジ:[6,1]+9=16
ナタリー:[3,6]+8=17
ナタリー:ああん惜しい!
GM:じゃあ、ルルブⅠの459ページを見ておいて。立ち絵も前の方にあるよ。シナリオボスっぽい格好いい見た目してる。
イヴ:魔物知識抜いてくれた人たちに、「デュラハンって、魔法使ったっけ?」って質問。こっちは【スパーク】撃たれてるし。
ベルジ:「うん、真語魔法と魔導機術は」
イヴ:「えー、でもあんな魔法、私の知識にないんだけど? 真語魔法にも、魔導機術にもあんな魔法は無いし。神聖魔法だって、あんな攻撃魔法はないでしょ?」
ベルジ:「無いよぉ!?」
イヴ:「あんな攻撃出来たら、ベルジが敵殲滅出来ちゃうもんね」
ベルジ:「プリーストにそんなの求めないでよお!」
ナタリー:敵殲滅型プリースト?
ベルジ:どんな神様信じてたらそんなことになっちゃうんだ。「蛮族たちが信仰している神についても、神官様……お師匠から話は聞いたけど、こんな魔法は無かったと思う」
ナタリー:「操霊魔法じゃないかしら。デュラハンが使える筈無いから、襲撃者は別だったと考えた方がいいわね」
イヴ:ナイス。セージならわかるよね?
GM:わかって問題ない、あれは【スパーク】だったし、コンジャラーしか使えない魔法だよ。
イヴ:「コンジャラーか。……そのデュラハンって、頭に兜が乗っていたんだよね? 取れた首持ち歩いてないし」
GM:「ああ。俺は見たことが無いから、聞く話では、になるけど」
ベルジ:「……実は、首、繋がってるんじゃない?」
イヴ:「デュラハンの振りをした人間、って可能性も無くはない訳ね。そう! 【スパーク】撃ってきた奴、人間なんだよ!」
エリック:「さっきも言ってたが、それどういう事なんだ?」
イヴ:「撃ち合いの最中に、急に威力増しやがった!」剣の加護、運命変転を使われた!! って察した時からずっとキレてる。
ヨル:『やがった』って(笑)
ナタリー:お、お怒りだ……(笑)
イヴ:「生意気にも……!!」(笑)
エリック:「ああ、人間の持つ加護ってやつか」
ヨル:「確かに、それが出来るのは人間だけだ」
ベルジ:「剣の加護を悪用するなんて、人族の片隅にも置けないね……」
イヴ:「だから、あの兜を一回引っぺがしてやりたいなって」
ベルジ:「どんな考えがあってアンデッドの振りをしてるかわからないけど、もしそうだとしたら、死者に対して凄く無礼だと思うんだ」
ヨル:あ! 神官みたいなこと言ってる!
ベルジ:『みたい』なんじゃなくて神官なんだよお!
エリック:「まあ、ともかくあれだな。明日、日が昇ってから、そいつを探すって流れだな」
ベルジ:「うん。夜の内は……さっき逃げてくる時に見たけれど、でっかい蛮族……あ、トロール、ってやつがいるから、出るのは危ないだろうし」
GM:それに関しては、アールも凄く頷くね。「夜の山に出るなんて馬鹿だ」
ベルジ:「だってさ」
エリック:「俺もそう思う」
ベルジ:「だってさ!」
ナタリー:「ベルジったら自信満々ね」
ベルジ:「専門職二人に賛同されちゃったら、自信満々にもなるよ!」
イヴ:あ、金ぴかを、どのあたりで見掛けたって話は聞いていたっけ?
GM:少し下って行った辺り……ダイケホーンとハーヴェスの中間くらいかな。それから、メインの山道傍が多い。例の襲撃現場の傍でもよく見掛けるらしいね。
イヴ:馬車を狙って動いてるっぽい?
ベルジ:馬車隊を狙ってるし、『人がいっぱい居るから』襲ってる、って可能性が高めだよね。
エリック:積み荷は荒らされていなかったらしいし。盗賊だとは思えないよなあ。
ベルジ:あと何か、聞いておくべき情報はあったかな……。
イヴ:私はもう思いつかないな!
ヨル:うーん、特に……。
ナタリー:なーんもない!
ベルジ:あ! そうだ、一応……プリーストとしての情報収集が出来るかもしれないから聞いておきたいんだけど、ダイケホーンでメインに信仰されている神様って何? 何の神殿があるのか聞きたい。
GM:ハーヴェスにあるような神殿なら、一回りくらい小さいのがあっていい。特定の信仰はなさそうだね、愛国心はあるけれど。
ベルジ:成程! じゃあキルヒアの神殿も存在はしていて大丈夫かな?
GM:あっていいよ、古代神だし。
ベルジ:ありがとう! じゃあもう、良いかな、なんかあるだろうか……。
GM:大丈夫。 こっちから出したいのに聞いてもらえない情報とかあったら、思い付いた風を装ってアールが喋るから。
エリック:「あ、そう言えば、ここらで最近……黒髪の弓使いと、金髪の魔法剣士を見掛けてない?」
GM:「ふむ、知らないな……」
ベルジ:じゃあこの流れで。情報とかじゃないけど、「この辺で、この時間から泊まれる宿って知ってる?」
GM:「ああ、あることには。だけど、5人で泊まるのは難しいだろうし……数人、うちに泊まったらどうだ? 悪いが、うちにも5人泊まれるようなスペースは無いから、半々くらいにはなるが」
ベルジ:「半分泊めてもらえるだけでもありがたいよ! あ、泊めてくれるなら、その……足りていない物はある? 交易隊が動いてないなら、行き来が滞ってるものもあるだろうし」
GM:「あんたら、金ぴかを倒しに行ってくれるんだろ? なら、物は要らないよ。宿屋のおばさんも、金ぴかを倒してくれるっていうなら一晩くらいは、何もなくても泊めてくれるだろうし」
ベルジ:成程……申し訳ないような、ありがたいような表情をして、「ありがとう! しっかり休めないと、体力だとか、身体の調子だとかで大変だからさ。野宿慣れしているとはいえ、屋根のあるところで寝られる方がいいんだ」
GM:「この森で野宿は無茶だな」
ベルジ:「わかってるよう!」(笑)
イヴ:「じゃ私、宿の方に泊まろ! 酒飲みたいし」
GM:欲望に忠実だな?
イヴ:「私は酒場に行きたい! だから宿屋に行く!」
エリック:「酒飲みに行くなら、俺もそっちに付いて行こうかな」
ヨル:「俺はこのまま泊めてもらっても良いだろうか」
ナタリー:下手に動くとね?
ベルジ:迷子になるの??? この集落で??
ヨル:やりかねないですね。
ベルジ:んもー! 「僕は身体が大きいから、普通の人族の使う家具じゃ色々難しいだろうし、ある程度そういうの配慮されてそうな宿の方に行こうと思うんだけど……けど」
GM:けど?
ヨル:そういえば成人してなかったね……。
ナタリー:「お酒以外もあるならついて行けば良いんじゃない?」
エリック:此処は
イヴ:普段から飲ませてると思うんですけど。
ベルジ:僕も普段から飲んでると思います。リルドラケン、お酒強そうだし。
エリック:度数高いって気付かないで火酒飲んでそう。
ベルジ:このお酒美味しいね! 何ていうの? ブランデー? ふーん、葡萄のお酒なんだ! へー!
イヴ:渋いなベルジ……。
ヨル:プレイヤーの趣味出てる(笑)
ナタリー:「三人が行くなら私も行こうかしら」
ベルジ:皆行くなら、ヨルも付いて来る?
ヨル:いや……敢えて一人で部屋に残っておこうと思う、こっちで何かあるかもしれないから。俺は単独行動の方が得意だし。
ベルジ:了解! 取り敢えず酒場は4人で行って、宿は別になるって感じで良いかな。イヴと僕は宿屋に泊まるし、ヨルはアールくんに泊めてもらうらしいけど、他はどうする?
エリック:俺も宿の方にしようかな、体格そこそこあるし。あとは見た目的にアールもバートランド爺さんも人間っぽいし、ナタリーが家泊まりの方が良い気がする。
ナタリー:賛成! まあ人間様ですし。
イヴ:なんでそんな偉そうなんだ(笑)
ベルジ:エリック兄貴、寝転んだらベッドがギリギリ! とかありそうだもんね。これで泊まる場所も決まったし、皆で酒場に行こうか! 情報収集って建前で、僕は特に収集せず酒を飲む。
ナタリー:同じくそんな感じになると思う。
イヴ:飲む! ついでに話聞く!
エリック:まあ飲むよね。
ヨル:……このメンバー大丈夫か?
ナタリー:ヨルこそ、私達が居ない間に外出して迷子とかやめてね??
ベルジ:迷子の迷子のナイトメアー、貴方の行方は何処ですか?(童謡に合わせて)
ヨル:大人しくしてます(笑) 「情報収集は得意でないから、お前らに任せる……」家の前で軽く鍛錬しておこう。
ベルジ:あ! ヨルが此処で分かれるなら、【キュア・ハート】をしておかないと。
ヨル:ほう?
ベルジ:ちゃんと眠ればMPは全回復するけど、HPはちょっとしか回復しないから。イノシシシチューを食べて落ち着いたところで、皆の疲労や怪我を回復しておこう。
ヨル:あー! 助かる!
GM:回復は好きなだけやってもらって大丈夫だよ、MPが尽きない限り。
ベルジ:じゃあ結果だけ報告します、ちょっと待ってて!
この後、【
この6回の行使の内、1回はファンブル、1回はクリティカルが出るという出目の荒れ様である。
ベルジ:残りMP12! 今のでMP20点以上使ったなあ。今やっといてよかった。GM、進めちゃってください!
GM:じゃあ、次は酒場の描写からしていこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます