7、いざ、ダイケホーンへ

GM:ということで……。ダイケホーンに駆けこもう判定! 冒険者レベル+敏捷で、目標値13だ。


ナタリー:当たる気がしないんだけど……。


ベルジ:え、でもナタリー、固定値8もあるんじゃ……。さては、2d6で5を出せない前提で喋ってるな?


ナタリー:5は……出ないよ……。


ベルジ:出る出る、いけるいける! ……い、いける?


GM:不安にならないで(笑) このくらいのレベル帯だと、そこそこ余裕でいけるはずの難易度設定だから!


ベルジ:いや、僕じゃなくて、他のメンバー……。


ナタリー(四連ファンブラー):5は出せない。


イヴ(三連ファンブラー):いや、5は出さなきゃ人権がないから頑張って。私は7出さないといけないけど。


エリック(先程崖登りでファンブルした人):固定値は一番高いから、流石に行けるといいな……!


ヨル(世界を終焉に導きし者):俺は6出せば行けるが、どうだろう……。


ベルジ:……誰か置き去りにしそうで怖いから、僕が殿しんがりを務めるね。一番遅い人についていくから、振りません。


GM:お、えらいねえ。


ベルジ:その代わりに、何か攻撃されるとかになったら、《かばうⅠ》を使っている判定にしてもらえませんか!


GM:いいですよお。じゃあ、そう裁定しよう。ベルジ以外は判定をどうぞ。


〈冒険者レベル+敏捷判定〉

イヴ:[2,2]+8=12《失敗》

エリック:[3,4]+9=16《成功!》

ナタリー:[6,2]+8=16《成功!》

ヨル:[3,1]+7=11《失敗》


イヴ:さっきからこんな数字ばっかり出るんだけどー?!


エリック:わかるよ……。


ベルジ:残っていて良かった……!!


GM:では、駆け込むことに成功した方。歩き方のコツを聞いていたエリックや、それに続いていたナタリーの二人は、ダイケホーンに何とか入ることが出来た。細かい描写は後でするから、今は呼吸を整えて待っていてもらおう。


エリック:「……しまった、あいつら置いてきちゃったな」灯りのある場所に入ってやっと気付いたことにしよう。


GM:そして、足のもつれたイヴとヨル、それを守ろうとするベルジのもとに、3mを越える大型の蛮族が2体現れる。〈魔物知識判定〉が振れるよ。


ベルジ:振りまーす!


〈魔物知識判定〉

ベルジ(セージ):[1,6]+9=16


GM:おお、弱点値まで抜けてるね。トロールという蛮族だ、ルールブックで情報を見ていいよ。そして、逃亡を試みる君達に対して、一度ずつ攻撃を試みる。……回避はしますか?


ベルジ:しないで庇わせてー!


GM:目標としては、逃げ遅れたイヴとヨルに1体ずつ攻撃を仕掛けてくる感じ。


ベルジ:庇います、庇います。


GM:両方庇いますか?


ベルジ:庇います、勿論です。拒否しないでください。


ヨル:拒否はしない。


イヴ:庇われます。「ベルジ……!」


GM:では、2体分の攻撃のダメージを出そう。


〈ダメージ決定〉

トロールA→ベルジ:[5,4]+10=19点

トロールB→ベルジ:[2,4]+10=16点


ベルジ:防護点13点を引いて、6点と3点! 合計9点のダメージを受けた! 残りHPは34!


イヴ:硬った!


GM:硬いねえ! 強いねえ、いいねえ君。『殿を務める』は素晴らしい提案だったと思う。


イヴ:これねえ、私が当たったら死ぬ。


ベルジ:大丈夫、僕が来た。メイン盾来た! これで勝つる!


ヨル:本当に助かるな……。


GM:この後だけど、戦闘を行ってもいいし、さっきと同じように冒険者レベル+敏捷で判定してもいい。ただ、この場で逃げきれなかったり戦闘のためにとどまった場合、1ターンごとにトロールが追加されます。


ベルジ:無限湧きやめてよぉ!!


イヴ:狩場としては最高だねえ。トロール素材や経験値が欲しいから、夜にディガッド山脈周回しませんかって。


ベルジ:MMOならありそうな展開ー!


エリック:悪用されそうな場所だねえ。


イヴ:あ。GM、【フラッシュライト】で目潰しとか出来ない?


※【フラッシュライト】

マギスフィアを変形させ、灯りを点す魔動機術。真語魔法にも【ライト】という似た効果の魔法はあるが、【フラッシュライト】の方が、名前からして眩しそうなイメージがある。


GM:うん、出来て良いよ。知覚が暗視だから大打撃だろうねえ! そもそも太陽の光が嫌いな種族だし、突然の光は嫌がるでしょう。


イヴ:【フラッシュライト】を行使した後に、走って逃げることも出来る?


GM:問題ない。他の二人にもちゃんと伝えておけば、味方には被害は出ないだろう。


イヴ:「今からちょっと眩しくするけど、ビックリしないで走ってね!」【フラッシュライト】、作ります!


ベルジ:目を両手でギュッ!


ナタリー:かわいい(笑)


ヨル:目を背けて細める。


〈魔法行使判定〉【フラッシュライト】

イヴ(マギテック):[2,1]+7=10《成功!》


GM:では、少なくともこの場にいるトロールは、君達を追うことは出来ないだろう。


イヴ:ならば、撤退!


ベルジ:ベルジはシンガリ・ベルジに進化した! なので振らないです。


〈冒険者レベル+敏捷判定〉

イヴ:[2,6]+8=16《成功!》

ヨル:[4,1]+7=12《失敗》


イヴ:ええ?! ヨ、ヨルー?!


ヨル:なんでだ……。


ベルジ:ヨル。僕が居るよ……!


ヨル:すまない……。


GM:残ったのは、ヨルとシンガリ・ベルジだ。さっきの2体はついてこられなかったけど、別の方向から新しいトロールが現れて、ヨルを攻撃しようとするね。


ベルジ:庇うよ! 庇わせてね!


ヨル:すまない……すまないベルジ……。


〈ダメージ決定〉

トロールC→ベルジ:[5,3]+10=18


ベルジ:防護点で13点軽減して、5点! 残りHPは29だ!


エリック:硬いねえ!


GM:いや、ここに居てくれてよかったな……。


イヴ:トロール3体に殴られてこのダメージって、結構だよね。硬さが……。


ベルジ;イヤホラ、もう20点近く飛んでるから苦戦してるよ僕! ……あっ、いや。四捨五入しても20点は飛んでなかった。嘘だったわごめん。


GM:かなり硬いぞこの盾役。


ベルジ:それでも「早く早く! 早く行って、ヨル、早く!」って後ろから急かそう。


ナタリー:本当にね?


イヴ:ダイケホーンに逃げ込んだ私達からベルジ達までの距離ってどのくらい?


GM:結構ある、少なくとも100mはあるんじゃないかな。高低差含めて。


イヴ:ってなると、ここから【ライトニング】でぶち抜いて援護とかは出来なさそうだ。射程が届かない。


エリック:しかし、ベルジが殿を務めてなかったら目も当てられなかっただろうなあ……。大惨事だな。


イヴ:一人は死んでたんじゃないかなあ、これ。


ベルジ:「ヨルさん! あっちだからね! エリックの兄貴たちが走ってったのあっちだからね! 間違うなよぉ?!」


エリック:あ、そうか、これヨルは速さが足りないんじゃなくて、方向音痴が出てるんじゃ……(笑)


〈冒険者レベル+敏捷判定〉

ヨル:[5,4]+7=16《成功!》


ヨル:「……こっちか?」


ベルジ:「あっちだよお!!」


ヨル:という感じで辿り着いた。ありがとう。


GM:到着と同じターンだけど、ベルジも振っていいよ。ヨルを追って動いていただろうから。


ベルジ:ありがたい! 僕が逃げ切れたか判定だ!


〈冒険者レベル+敏捷判定〉

ベルジ:[6,1]+8=15


ベルジ:逃げ切ります!


GM:えらいなあ!


イヴ:優秀だなこいつ!


ナタリー:ええっ、優秀!!


エリック:ベルジ優秀だな……?


ヨル:優秀だあ……いやほんと、ほんとすまない、ほんと……。


ベルジ:ふう、良いことした!


イヴ:やっぱり扱う人によって優秀さが変わると思うんだよ……。


一同:うん……。


GM:(そっと雪国風の背景を出す)


エリック:わ! 雪だ!


GM:此処まで雪は積もってないんだけど、大体こんな感じだ。ダイケホーンの外周には砦があり、貴方達……最後の一人のベルジが駆け込むと、門が閉まって施錠される。それから、一人の少年が声を掛けてくる。「大丈夫か?」見た目的にも、ダイケホーンで暮らす、狩人を目指している少年、って感じの子どもだ。


エリック:「ああ、ありがとう、大丈夫だよ。全員居るみたいだ」


イヴ:「もうマジで無理! 今度山入る時、絶対もっと有用な魔法覚えてくる! 無理!」


ナタリー:体力つけるとかじゃなく『魔法覚えてくる』なんだなあ。


イヴ:うん!(清々しい返答)


ヨル:大丈夫か? って視線をベルジに……


ベルジ:「あー! よかった! 皆ちゃんと先に着いてたんだね!」って安堵の笑顔を浮かべるし、ヨルには親指を立てて返すよ!


エリック:弟を見るような目で、「よくやったな」と褒めておこう。


ベルジ:褒められた! 嬉しそうに頭を掻きます。


ヨル:「ベルジ……助かった」


ベルジ:「だって、これが盾役の役目ってもんじゃん」ふふんと自慢げに。


ヨル:ワア!! 役目きちんと果たしてて偉い!!


ベルジ:偉いですよ僕は! あ、話し掛けて来てくれた少年に対しては、「えっと、それで君は?」って聞いておこう。


GM:「俺は、アール」


ベルジ:「アールくん。僕ベルジ!」


GM:「ベルジな。……あんたら、あの金ぴかを倒す為にハーヴェスから送られてきたんだろ? そろそろ人が派遣されてくる頃だって、爺ちゃんが言ってた」


イヴ:「金ぴか。うん」


ベルジ:「そう、金ぴかを倒しに……あ、でも、金ぴかってさ。ダイケホーンの人達にとっても悪い奴なの?」


エリック:まだそいつが敵だとは断定出来ないからね。今のところ目撃情報だけだからなあ。


GM:「それは……あー、話す前に、俺の家に来ないか?」


エリック:「ああ、それは助かる」


GM:「夜の山を歩いてきたなら疲れただろ」


イヴ:「うん。無理、もう」


ベルジ:「是非お邪魔させてもらおうかな。僕は大丈夫なんだけど、イヴがすっごい疲れてるみたいだから」


イヴ:「もお、山、無理!」


ナタリー:無理さが伝わってくる(笑)


GM:では、アールの家に向かうことにしよう。皆それでいいかな?


一同:賛成!

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