2、商会にて
GM:では、君達は街をしばらく歩いて、商会に到着する。建物内にそのまま入ることは出来るんだけど、中の雰囲気、かなり暗い感じだね。交易隊は、ここの商会が王国の支援を受けて行っていたもので、かなりダメージを受けたようだ。
エリック:あー、一大プロジェクトが駄目になっちゃったのか。
GM:資金的にも人的にも被害を受けたんでしょう。暗い雰囲気ではあるけど、一応、それなりの数の商人があくせくと働いてはいる。
ベルジ:リルドラケンって臆さない種族だという偏見があるので、近場に居る適当な商人さんに寄ってって、「ちょっといいかな?」って声掛けてみよう。止まってくれそう?
GM:ちょっとイラっとしたような表情はするけど、「なんだい?」って返事はする。
ベルジ:この雰囲気だもんなあ。「しばらく前に起きたっていう襲撃事件に関して、王様からの勅命を受けて調べてるんだけど」
GM:「王様がねえ」と訝し気な顔はするけど、少し姿勢は正すかな。
ベルジ:「生還したっていう商人の方に、接触して話を聞きたいんだけど、貴方はその人のこと知ってるかな?」
GM:「知ってるも何も、あいつならずっと二階の休憩室に入り浸ってる。家には居られないんだとよ」
ナタリー:ああ……可哀相。
ベルジ:「そっかあ……」悲しそうな顔。「仕事中に引き留めてごめんね、協力してくれてありがとう。あっ、貴方の名前を聞いてもいい? 僕はベルジ!」
GM:ヨーロッパっぽい名前から適当に決めます。えーと……(ぱらぱら) マイルズです。
ベルジ:マイルズさん。「ありがとう、マイルズさん! 王様に報告する時に、マイルズさんの名前も伝えておくから!」
GM:「あー、俺の名前なんて良いから、商会のことを言っといてくんな」
ナタリー:イイ人ね!
イヴ:視野が広い商人だ。
ベルジ:「わかった! 協力的だったって伝えておくよ!」
GM:「頼んだ頼んだ」
ベルジ:マイルズさんを解放してあげよう。
GM:解放されて仕事に戻りました。
ベルジ:それから、パーティーメンバーの方に、「商人さん二階に居るって言うから、向かってみよう」
イヴ:「そうしよ」
エリック:「そうか。じゃあ行こう」
ナタリー:ついてくー!
エリック:「ヨル、こっちだよー」
ヨル:何も言わずについていきます。 迷子扱い(笑)
ベルジ:介護されてる(笑)
GM:二階に上っていけば、休憩室がある。扉にわかりやすく書いてあってもいい。本来は、お茶を飲んだり煙草を吸ったりというような部屋の筈なんだけど、今は例の一人が占拠しているようだね。
イヴ:ノックノック!
GM:返事はないけど、物音が聞こえる。
イヴ:扉は開くのですか?
GM:扉は開きますよ。
イヴ:「入りますねー」開けます。ガチャ。
GM:そんなに広くない部屋だ。10人やっと入れるかどうかってくらい。
ナタリー:リルドラケンって入れるの?
ベルジ:ええ?!
GM:入れるよ(笑) ドラゴンっぽい見た目っていっても、ちゃんと人族にカウントされてるので、リルドラケンも入れるようなサイズで建物が作られてる。
ナタリー:へー! 優しい世界!
ベルジ:建物くらい入らせてくれ(笑)
GM:室内を見ると、やつれた様子のリカントの青年が一人。扉の方を見てビクッとするけど、戦闘が美人のエルフだからか少し安心した様子はある。
イヴ:「貴方が……生きて帰ってきたという一人で、いいんですね」
GM:「そうです……不名誉なことですが」
イヴ:「いえいえ! 貴方が帰って来てくれたお陰で、私達は対策を立てる事が出来るんですから!」
ベルジ:うんうん。
イヴ:「現場で何があったのか、差し支えない範囲で教えて欲しいんですけど」
GM:休憩室内に座れる場所があるから、座って話しませんか、という形になる。
イヴ:誰か座る? 足腰ツライヨーって人いる?
エリック:足腰丈夫だから立ってるよ!
ヨル:足腰丈夫だよ!
GM:いや、リルドラケン含む大男達に立ったまま囲まれると威圧感が凄いから座って欲しいんだけど(笑)
ベルジ:威圧感あるんだよなあ! いっそ近付かないで入り口付近で聞いてるつもりでいたけど、折角示してくれたし座るか。
ヨル:じゃあ、意味は無いけど、俺が代わりに後方彼氏面しとく。壁に寄りかかって。(?)
ベルジ:そのポジションって必要だよね。絵面的に。(?)
GM:大体のメンバーが座ったことを確認して、商人は話し始める。「襲撃が数日前だから、もう覚えてない部分も多いんです——」
商人は、襲撃の記憶を語り始める。
情報は箇条書きで記そう。
・山道を七割くらい登った辺りで、襲撃を受けた。
・彼は馬車の中にいたため、外の様子はいまいちわかっていない。襲撃者が何方から来たか、何者だったかなどは、わからないとのこと。
・魔法を使う敵がいた。
・馬車から放り出された直後、戦車のようなものが馬車を引き倒すのを目にした。
・金色の何かを見た。
エリック:金色?
GM:金色。ゴールド。(『
ナタリー:スペルが(笑)
イヴ:あのさあ……(笑)
ナタリー:義務教育ー!
ベルジ:これはひどい(笑)
ヨル:GOLDだよ(笑)
GM:いいんだよ細けえことは! 商人が目を覚ました時には、運よく周囲に誰も居なかったそうだよ! それから危険を承知で下山して、どうにかこうにか帰ってきたそうだ。「運が良かったとしか言いようがない」
エリック:「そりゃあ大変だったなあ」
イヴ:何も知らずに襲われたって感じなのか。怖いね。
GM:そうだね、馬車の中からわかるような予兆は無かったようだ。
エリック:どっちから襲われたかはわからないけど、気付いたら馬車から放り出されていたと。
GM:うん。
イヴ:「うーん、対策立てるって言ったけど、立てれるかなあ? これ。……難しくない?」
ベルジ:「結局、何もわかってないからね……」
エリック:「これは単純な興味なんだけど、交易隊は一体何を運んでたのか教えてもらえるかな?」
GM:積み荷は、塩、穀物系の食料。あとは服なんかの繊維製品とか、ダイケホーンでは確保しづらいものを運んでいたようだ。王国が交易隊を支援していたということからわかる通り、儲けを出すための貿易と言うより、国家間の扶助の意味合いが強かったらしいね。
エリック:「成程……恨みを買うような要素は薄いな」
GM:まあ、強いて言うなら、ハーヴェス王国やダイケホーン全体に対しての恨み、または人族に対する恨みなんかの、対象の大きいものになるだろうね。
ベルジ:つまり蛮族か。
イヴ:そればっかりは本当に。何百年単位の敵対だし。
ヨル:「積み荷が盗まれたり荒らされたりしていたか、覚えていれば教えて欲しい」
GM:「目を覚ました時は動転していて気にも留めていなかったが、言われてみれば確かに積み荷が荒らされた形跡はなかったかもしれない」
イヴ:積み荷目的ではない、かつ生きているものが全滅させられている……?
ベルジ:蛮族なら積み荷は奪うだろうし、それがノータッチってことは……積み荷を必要としないアンデッドっぽいんだけど……奇妙だなあ? 首を傾げる。
イヴ:人族に恨みを持つ蛮族も、生き物に殺意を持つアンデッドも山ほどいるからなあ。
ヨル:でも、強い恨みを持っているなら一人だけ生き残らせるのはおかしくない?
イヴ:いや、知能の高いアンデッドがいたなら、あえて一人生き残らせて帰すのはあり得る。人族は仲間意識が強いから、芋づる式に釣れるし。
ナタリー:こわー!
エリック:事件の調査のために人が寄ってくるからね。でも、その後に行かせた調査隊は全滅とか無いんだよね?
GM:そうだね。目立った被害はない。
ベルジ:そもそも遭遇出来てすらいないっぽいしなあ。
ヨル:ダイケホーンの方でも、目撃情報は出てるけど、被害らしい被害はないみたいだし?
GM:いや、ダイケホーンに関しては被害があったのかすら今のところわかってない。現地の人の話を聞けていないから。
ヨル:あっ、そうか。
イヴ:一回行ってみないと、なんともこれ以上は。
GM:あとは、そうだね。商人は、イヴが考え込んでいる様子を見て、「貴方達、もしかして、あそこを登っていくつもりなのか」と。
イヴ:「まあ、一応。王様から勅命受けちゃったし」
GM:「目を覚ました後に気付いたことなんだが……。襲撃地点は渓谷にある一本道の筈だったんだけど、大きい横穴が出来ていたんだ。あの辺りを蛮族が根城にしているとしたら、素直に登っていくのは不意打ちを受けやすいんじゃないか」
エリック:「ええ……しかし、其処しか登っていく道は無いんだよな?」
GM:「ああ、馬車を通せる太い山道は其処しかないんだが……冒険者や狩人は、その道とは違う、細い登山道を使っているという話を聞いたことがある」
イヴ:「登山道!」
エリック:「獣道……みたいな?」
GM:「聞いたことはあるが使ったことはない」とのこと。彼はただの商人だからね。
エリック:「そりゃそうだ、細い道なんか知らないよな」
イヴ:となると、知ってる人に聞いてみるか……。
ベルジ:聞いてみた方が良いんじゃないかこれは。
ナタリー:うん、山だし。
ベルジ:山だし(笑)
今回のメンバーは、登山経験がある者、山の近くに実家がある者、登山をメインにしたシナリオに触れたことがある者で構成されているため、山歩きに対しての警戒が強い。
ヨル:「事前に情報を集めておいて損はないな」と事前に情報を集めておいても迷う奴が言います。
ナタリー:山の中で迷わないでよね???
ヨル:皆で移動しような!
ベルジ:「エリックの兄貴がディガッド山脈のことわかるなら、兄貴の知識に頼れば良いと思うけど」レンジャーレベル6さん!
エリック:「ダイケホーンとハーヴェスの間は……わからないな」……わからないですよね?
GM:何回も行き来してるなら判定出来るよ、って感じかな。
エリック:わかんないですね!
GM:実家がダイケホーンとかね!
エリック:俺の実家はハーヴェスですね! レンジャー活動も平地がメインだね!
イヴ:実はぁー、実家がダイケホーンでぇー、週に一回歩いて帰るんですよぉー、って言ったらOKなんだろうな。
GM:それはもう自動成功も自動成功だよ、ボーナスあげちゃうよ。
エリック:成程? そういうメタ読みをして来ればよかったんだな?
ナタリー:ダイケホーン出身読みかー! 難しいなー!
エリック:そんな感じなら、返答はこうかな。「一応把握しておいた方が良いだろう。道から外れたところに入って何か起きたりしたら、な? 下手なリスクを背負わないためにも、事前に情報は仕入れた方が良い」
ベルジ:兄貴が言うならそうなんだろう、頷いて「うん!」
エリック:他にこの商人さんに何か聞けることあるかな?
GM:ああ、じゃあ補足しておこう。大きな横穴のことについてなんだけど……。
ディガッド山脈では、『マナタイト』の浮遊が起こりやすい。
マナタイトは不思議な力を持った金属で、空へ浮かび上がることがある。
これによって、このアルフレイム大陸では、空にぽつんと浮かぶ島があったり、浮島群が出来ている地方があったりと、ファンタジーなロマン溢れる地形が作り出されている。
特に今回、我々が通る地域は、マナタイトの浮遊によって地殻変動が起こることが多いらしい。
横穴が出来てしまう、、というのも、珍しい事ではないだろう。
エリック:成程。偶然かもしれないけど、偶然にしては出来過ぎているんだよな……。
GM:まあ、偶然出来た横穴が丁度良かったので利用した蛮族なんかは、少なくはない。だが、今回のような襲撃はそうそう起こらない。
ヨル:不確定要素が多いし、ダイケホーンで情報を集めるまでは、その横穴の近くは通りたくないな。
エリック:そうだね、やっぱり誰かに裏道を教えてもらおう。
ヨル:何処で聞くのがいいかな?
ベルジ:冒険者ギルドとかで良いんじゃない? 其処を通ってる冒険者は居るでしょ。多分。
GM:居るだろうね。質問は以上かな?
ベルジ:質問は良いけど、ロールプレイをしておこう! 忘れないうちに挟んでいこう! 商人さんに、「僕たちがこの事件について調べて、解決してくるから! 時間は必要だと思うけど、貴方が自分の家で眠れるように、頑張るので」
GM:「ありがとう、優しいんだな」
ベルジ:「こう見えて神官ですので」
ヨル:おお!
ナタリー:神官してる!
GM:「そう……あの事件から上手く眠れないんだ。解決してくれれば、少しはましになるかな」
ベルジ:「神に代わって人を救済することが神官の役目です。キルヒアの教えに眠りに関するものはないけど……」データ的には〈精神効果〉じゃないと思うから解除出来ないだろうけど、【サニティ】を掛けてあげていい?
※【サニティ】
乱れた精神状態を普段通りに落ち着けるプリースト魔法。
GM:いいね、判定をどうぞ。
〈魔法行使判定〉→【サニティ】
ベルジ(プリースト):[4,3]+8=17《成功!》
ベルジ:精神抵抗はしませんよね?!
GM:する筈もなく。少し落ち着いたようには見えるね。貴方達が調査に向かってくれるということも、安心の理由になっているようだ。
ベルジ:よっしゃ! 満足した! ので、冒険者ギルドに行こうよ!!
エリック:賛成、特に質問とかはない。
GM:全員大丈夫そうかな?(ちょっと間を取って) よし、よさそうだね。
ベルジ:折角だから格好付けとくか。「頑張ってくるので、解決まで……ちゃんと生きて、待っててください」
GM:商人は感謝の意を伝えて、見送るかな。
ベルジ:わらわらーって外に出て、と。「ダイケホーンの山道の話、冒険者ギルドの先輩たちに聞いてこよう! 他に何処か行きたいところとか、思い当たる所とかある?」
ヨル:「近くに住んでいる人だとか……狩りのためにディガッド山脈に入っていく人間だとか……ハーヴェスには居るのか?」
GM:ダイケホーンから下っていく狩人は多いけど、ハーヴェスから登っていくとか、山の麓に家を構える狩人は、あんまり居ないんじゃないかな。山道に蛮族が出るから。
ヨル:そうかあ。
エリック:実際の山の近くだと山岳ガイド協会とかあるよね(笑)
イヴ:普通の山ならあるだろうけど、此処に関しては冒険者がガイドだろうな。
ベルジ:道が分かって、かつ戦える人を護衛として連れてった方が便利だもんね。
ナタリー:そうね。冒険者ギルドで良いんじゃないかしら!
ベルジ:「商人さんのためにも頑張らないとね!」
イヴ:「ちょっと買い物してきたいから先行っといてよ。食糧とか水とか要るでしょ?」
ナタリー:たしかにー! ついて行こうかしら。
ヨル:あ、じゃあヨルもイヴについて行く。
ベルジ:買い出し組?
エリック:「じゃあ、俺はギルドの方に同行するよ」
ベルジ:「兄貴!」きゃっきゃ! あ、あとイヴに200ガメルを託しながら、「僕にも、イヴが必要だと思う食べ物セットお願い! あとドライフルーツがあると嬉しいなあ」
イヴ:「はいはい、ドライフルーツね」
エリック:「俺は……自分の食い扶持くらいは持ってるが、あれば嬉しいな」
イヴ:「了解。まとめて買っておくから」……ということで二手に分かれよう。
GM:よし、だったら、買い物組から済ませようか。すぐ終わるだろうし。
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