第11話 最大MPを増やしてみよう

 「ふう」


 ギルド紹介所の近くあった公園のベンチに腰を下ろす。たくさんの人達が公園を散歩していた。

 食べ物を食べながら歩いている人が目につく。


 「そういえばおなかすいたなぁ。レベル上げ終わったら何か食べてみるかな」


 まずはレベル上げと食べるのは我慢する。3レベルまで上げて930なのだから1レベル上げれば1000いくだろうと、とりあず鞄にかけてみる。


 「スキルカルクナレ」


 ――重さ-1を付与しました


 「スキルカルクナレ」


 ――重さ-1に上書きしました





 ――重さ-1に上書きしました

 ――オプションがレベル4になりました

 ――マスターがレベル4になりまた


 ”上がったぁ! どれどれ1840かぁ。これまた一気に上がった。マスタースキルのおかげだろうな。うん? 青っぽく光ってる”


 最大MPを確認する為に水晶を見ると光に色がついていた。

 スキルの詳細も確認する。


 *マスター

  *レベル4:スキル発動消費MPを1にする。また経験値を2倍獲得。アブソープションを取得(レベルアップ時、MP全回復)。成功率+5%。

   次のレベルまで:オプションがレベルアップ時に一緒にレベルアップする。


 *オプション

  消費MP:1(マスター効果)

  装備全般に有効

  成功率:55%(マスター効果)

  オプションが付いているモノは上書きになる。

  *レベル4:素早さ+1/重さ-1/衝撃吸収+1/命中+1

   次のレベルまで:0P/500P

   成功時4P、失敗時2P(マスター効果)


 ”成功率も上げてくれるのか。マスタースキルって凄い。でもオプションがなぁ”


 最大MPが1000を超えたのでもう一つの楽しみの食べ物を見に行く。一般人側の道路に面した屋台には、いろんな食べ物が売っていた。

 食材から調理したものまであって、おいしそうなにおいを漂わせている。

 まずは、質より量と安くとボリュウームがある食べ物を探す。


 「はい。銅貨7枚。まいどあり」

 「ありがとう」


 お肉たっぷりの食べ物だ。ビーフシチューという名で、野菜もいっぱい入っている。


 「おいしい! こんなの食べた事ない!」


 感動してパクパクと頬張った。塩以外の味付けなど初めてだ。あっという間に平らげた。

 満足してギルド紹介所に向かう。


 「あの~1000以上なったので紹介してほしいのですが」

 「え!? うそ」

 「はい」


 ”普通はレベル上げるのって難しい?”


 受付のお姉さんが、水晶を確認する。


 「1840! 何レベル上げたのですか? というよりどうやってこんな短時間で……」

 「そ、それは秘密です……」


 エストキラは、困り顔でそう答えた。増えたMPから言えば15レベルは上がっていると思っても不思議ではない。普通は、レベルが上がってもMPは回復しないのだから一気に上げるのは大変だろう。


 「そうですか。では、仕事内容で希望のモノはありますか?」

 「えーと」


 そう聞かれてもどういう仕事があるのか見当がつかない。


 「そうですね。例えば、街中でとか、寝床つきとか」

 「あ、じゃその二つの条件に合うのありますか?」

 「これになります。解体作業ですね」

 「解体……はい。じゃそれでお願いします」


 ”解体って物を壊すって事だっけ? もしかして力仕事? 僕にできるかな?”


 「一日分の作業で銅貨400枚です。よろしいでしょうか」


 ”寝床付きなら400枚でもいいか”


 「はい。それでいいです」

 「では、こちらを持って行って下さい。こちらが場所の地図になります。頑張ってくださいね」

 「はい。ありがとうございます」


 エストキラは、用紙と地図を受け取りギルド紹介所を出た。

 1時間ほど歩きやっとついた建物には、『魔道具解体屋』と書いてある。


 「すみません」


 そっとドアを開け中を覗き込むと、ムキムキの男が一人いた。声を掛けると振り向く。紺の髪と同じ紺の瞳がギロリとエストキラをとらえた。


 「うん? 坊主何かようか?」

 「えっと、ここで働きたいんだけど……」

 「紹介所から来たのか?」


 頷くと用紙を渡す。それを見た後、エストキラをじっと見つめ頷いた。


 「いいだろう。俺はガント。まず一回やってみて続けられそうなら雇おう」

 「はい。キラです。宜しくお願いします」

 「こっちに来な」


 そう言って連れていかれた部屋には、何やらいろんなものが山積みになっていた。エストキラが一度も見た事がないものばかりだ。


 「やってもらうのは、魔道具の解体だ」


 ”これって、どうやって解体するの?”


 自分より高く積み重なった魔道具をポカーンと見上げるのだった。

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