第4話 女性労働者


「ねぇ、マナ」

「なんですか?」

「なんでマナは会社で働いてるの?」

「はい?」

「いや、お金はあるのになんで働くのかなって」

「貴女だって働いてるでしょう」

「アタシは自分で働く日とか時間とか決められるけど、マナはテージ出社テージ退社してるでしょ?」

「そうですけど」

「家の事だけしてのんびりしたいとか思わないの?」


「まぁ、確かに三人分の家事をしてた方が楽ですけどね」

「なのに働くの?」

「性に合ってるというのが答えかもしれませんね」

「しょう……」

「私の性格的に外で働いていた方が楽という意味です」

「最近ってさ。女の人も普通に会社に行ってるんでしょ?」

「そうですね」

「その人たちも外で働いていた方が楽なの?」

「さぁ?」

「え?」

「他の人がどう思って働いているのかは分かりませんよ。まぁ、風潮に乗っているっていうのもあると思いますよ」

「ふうちょー」

「流行りと言った方が良いですか?」

「はやりすたり!」


「女の人が働くのがはやってるの?」

「男の人みたいに働けるようにこの国ならずいろんな国で運動が起こってたりしますからね」

「なんで男の人みたいに働くの?」

「お金を稼ぐためには必要でしょう。結婚したくない人とかもいるでしょうし」

「あ、そっか」

「お一人様なんて今時珍しくもないですしね。女性だから雇えないとかいう視野の狭い話が出ない分、今の方がやりやすいですよ」


「じゃあ、女の人が働けるようになって良かった?」

「まぁ、私個人としては……」

「男の人みたいに働けて嬉しい?」

「そこはきっぱり否定できますね」

「え?なんで?」

「私が働く理由はお金を得る為であって、男の人みたいに働きたいわけじゃないです。お金を得られるなら家事でもいいですよ」

「え、お金必要?」

「誰かがまともな職に就いていないと周囲から怪しまれるかもしれませんしね。企業に属していれば国への税金とかの手続きもやってくれますし」

「じゃあ、家事やればいいのに。あ、ヤオの方が料理うまいからやらないの?」

「家事一切できない貴女よりはマシです。私は自分の働き方を男性と比べることをしていないだけですよ」


「よくわかんない」

「男性みたいに働きたいとは思ってないし、企業に勤めているのも適当な理由です。だから、家事をしてくれとヤオに頼まれれば喜んで家事に従事します」

「今は八時だよ」

「家事に従事は時間のことじゃなくて、家事を行うという意味です」

「マナは難しいんだよ!」

「なるべく簡単な言葉を選んでいるつもりですけど……。そういえば、急にどうしてこんな質問をしたんですか?」


「今日、女の人で損をしているって感じる時ありますか?って聞かれたから」

「誰に?」

「知らない人」

「なんて答えたんですか?」

「さぁ?」

「変な顔されませんでした?」

「されたされた!だって別に女だから損をしたって事無かったし、得をしたって事も無かったから!」

「ホント、羨ましくなるくらい能天気ですね」

「今日は晴れてたけど」





 ******** ******** 

【女性労働者】

 働きたければ働けばいい。

 主婦になりたければなればいい。

 今は国内外で女性労働者が流行っているので昔に比べて働きやすくなっている。


 なお、家事と外での労働は基本的に同価値。どちらの方が大変だとかいう話は個人的主観によるもので、どっちにも異なる大変さが潜んでいる事を理解して欲しい。

 家によっては共働きになる事もあるだろう。その際は、家事も分担する方が良いだろう。

 だから男性諸君、共働きになっているのなら女性にだけ家事を負担させるのは止めといた方が良い。


 王華の中の結論

「アタシは家事してた方が楽!でも今はヤオに家事をして貰って、マナが働いてくれるから安心!」


※ 彼女は参考にしないでください。

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