第2話「5月27日0:00~24:00」

 引き続き、夜は熱発に苦しみ続け、対して眠ることもできずにベッドで過ごした。

子守代わりに聞く、ラジオ有吉弘行のサンデーナイトドリーマーは助かるよほんと。


 そして木曜の朝を迎えると、さっそく病院から電話がかかってきた。病院からの電話で目覚めたという方が正しいか。「朝の十一時からドライブスルーで検査を行いますので来てください」ということだ。


 地方都市では車を自走して病院まで向かって、ドライブスルー方式でPCR検査を行うのがふつうである。逆に都心部ってどうしてるんだろ?

 PCR検査前には何かを飲むのも食べるのも禁止なので、何も飲まず食わずで朝11時病院に向かった。

 ドライブスルー方式のPCR検査がどう行われるかというと、渡された筒状の容器に唾液をためるだけである。

 車の中で、唾液をためては筒の中に吐き出すという作業をひたすら繰り返した。なぜかとてもみじめな気分になる作業だった。ためた後、防護体制を完璧にした看護師にその筒を渡して、病院を出ていく。

 結果は次の日の朝になるということだ。


 だが、知り合いの話では、結果はその日のうちに来ることがほとんどだという。(夜の商売をやってる友達で3度PCR検査を受けたとこがあるやつがそう言っていた)

 じゃあ、もし陽性なら俺もその日のうちに来るのかなと思っていたが、その日病院からは結局何もなかった。


 そういえばもし陽性なら明日からホテル生活で好きなもの食えないから、帰りにドライブスルーでマックでも買って帰ろうかなと思ったが、まあドライブスルーでも倫理的にはよくないだろうと思いとどまった。

 まあ、当然なんだけどさ。

 そういう気持ちはよぎるわけだよ、ドライブスルーで寄るくらいは大丈夫だろう的な。


 「あーあ、そういえばおいしそうなパスタソースを買ってあったなあ」と思い出し、その日はパスタを作って夕飯とした。どんな味だったかは思い出せないがあまりおいしくないカルボナーラだったな。味覚がなかったわけじゃないぞ。

 料理を作る気力はあるものの熱は38度以上あり、やはりふらふら。飯を食ったらすぐにベッドへと向かった、そしてやはりあまり眠れず、クイズゲームのアプリをやりながら、ベッドの中で夜を過ごした。

 「ワンチャン陰性だったらいいなあ」と思いながら。


 まあ、陰性だったらなんの病気なんだよって話なんだが。


 



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