とある男のコロナ病床日記

ハイロック

第1話「2021年 5月26日(水) 0:00~24:00」

 「明日はゴルフだあ」っと、いつもは4時くらいまで起きて酒を飲んでるところを2時に切り上げてベッドに入ったあたりから異変は始まった。


 どうにも体が熱い。

 悪寒が走る。

 

 こりゃあ風邪だなあと思いながら、ワンちゃん明日までには治るだろと思いながら眠りについた。


 ところが全然眠れない、体中から汗が止まらず、目をつぶるたびに謎のイメージが浮かんでくる。

「体を分裂させれば熱が分散して楽になるけど、そのためには熱を下げないと体が分裂しないなぁ」

 何を言ってるかわからないと思うけど、本当にこんなようなことを考えていたんだ。はっきり熱に頭をやられてしまっている。


 ほとんど眠れずに朝を迎え、ゴルフは断念。

 無理やり電話をかけて、ゴルフ場をキャンセルする。

 そして図った体温は38.9度。インフルエンザにかかって以来この高温を経験したことはない。もちろん嫌な予感がしている、この時期にこの反応、コロナしかないのではないか。


 とはいえ、身に覚えがない。

 職業柄、多くの人に会うとはいえ、マスクも消毒もしている。人込みに行くようなこともなかったし、別らしくその週と前の週は飲みに行ったりもしていない。


 最近温度変化も激しかったし、それで体調を崩した可能性も高い。どっちみち車を運転させるのも少し厳しい。水曜は様子を見て明日、PCR検査を受けよう。

 そう思って、仕事の方はお休みにすることを決断し、関係者に連絡。

 そしてネットでPCR検査の予約を取った。


 というかなんでいまだに、PCR検査は有料で2000円なんだ。もし国民にちゃんと検査してほしいなら無料にすべきだと思うのだが。


 そして水曜日は、ほとんどベッドから出ることなく過ごした。経験したことない発熱が続き、汗がだくだくで止まることはなかった。

 おかげですぐ口の中がからからになるので、枕もとのお茶で少しずつ口の中を湿らせるということを繰り返す。

 飯は食えたんだったかな、家に人からもらったどら焼きがあったのでそれは食べたのを覚えてる。発熱で眠ることも十分にできず、ただ汗と熱にうなされながら、その日は過ごした。





 


 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る