第2話 竜と女の子

 山には竜がいます。

 その竜と生け贄にされた女の子は仲良く暮らしています。

 竜と女の子は幸せそうです。


「あれ? あばれんぼな竜と人間の女の子が仲良くしているぞ?」

 そこにやって来たのは一匹のサルです。

「どうして、あばれんぼな竜と一緒にいるの?」

 サルは女の子にそう言いました。

「私は村の生け贄にされました。けれども、竜はあばれんぼではありません」


「ウソだよ! 竜はあばれんぼなんだよ!」

 サルは女の子をからかっています。


 竜は何も言いません。


「私の大切な竜のことを、悪く言わないで!」

 女の子は本当のことを言いました。

「ふん、竜はあばれんぼなんだよ!」

 サルはそう言って、山の中へと去って行きました。


「ありがとう。オレのことを思って言ってくれて」


「ううん。竜は本当はあばれんぼではないからね」


 竜と女の子は笑顔です。

 サルの言っていたことは果たして本当なのでしょうか?

 サルや他の動物も、あばれんぼな竜のことをどう思っているのでしょうか?

 あばれんぼな竜は、ちょっとずつ変わろうとしています。


2話、完

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あばれんぼな竜 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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