第2話 現実からの逃避(強制)前編

そんな事を思った次の日、すなわち今日が釈放される日だ。

警官「もうこんな事はするんじゃないぞ。」

内心では「してないのに」と思いつつも

「ありがとうございました。」と言った。帰宅中、自分の学校の制服を着た男子共がいた。いつものあいつらだ。

剛志「コイツが俺の愛子に手を出そうとした輩か!こんな奴にはお灸を据えてやらねーとな!」ボコッ  痛い。そしてどうやら愛子はこいつのカレカノだったらしい。まあもうどうでもいい。これで俺も晴れて前科付きだ。まあそれでどうなるとかは今は関係無いけどね。

家に帰ってくると親がこの事を聞きつけて海外から帰ってきていた。

父親「お前をそういう犯罪者に育てた覚えはないぞ!なのにこれは一体どういうことなんだ?!」

母親「何かこんな事をしたのには理由があるのよね!?そうよね!?ねぇ!」

俺は正直に理由を話した。嘘を付く理由がないからね。

「被害者の女子、もとい愛子は自分を貶めようと自分を家に誘ってそこで同じ時に警察に不審者がうんたらかんたらって言って待ち伏せていたんだってさ。」

父親「そんなアニメやマンガに似た様な事、現実で起こることがないだろ!嘘を付くんじゃない!」

「嘘なんて付いてないよ!信じてよ!」

父親「もうお前とは縁を切らせてもらう。」

「は!?なんで!?」

父親「お前が嘘を付いてるからだろうが!」

「言ってないよ!ていうかお母さんも何か言ったらどうなの!」

母親「お父さんが言うんだから仕方ないじゃない、無理よ。」

「そ、そんな…」

父親「分かったらさっさと家から出ていけ!」

母親「流石にそれは可哀想でしょう。せめて明後日とかでどうかしら。」

父親「仕方ない、明後日になったら出ていけよ!絶対!」

なんで自分だけこんな目にならなくちゃいけないんだ。

「もういい、おやすみ。」

そう言って自分は寝た。もう諦めていた。

密度の濃い一日だった。

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