彼女のトリセツ


 僕の彼女は影響されやすい。今も、何やら僕の部屋を物色している。


「室内に見知らぬ香りが……」


「この前言ってたフレグランス、置いてみたんだ」


「床に長い髪が……」


「寝落ちは程々にね」


「引き出しに怪しい個包装……!」


「誕生日おめでと!」


 顔を真っ赤にした探偵は、そっと僕に抱きついてきた。

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