第3話
男が連れてきた若者たちをみて、村長は事情を察した。
明らかに日本人ではない。おそらく東南アジアだろう。男よりもさらに黒い肌に不思議なイントネーション。
不法入国か、逃げ出した技能実習生か。しかし、数百人の高齢者を一人で世話することに疲れ切った村長に断る気力はなかった。
翌朝から、若者たちはよく働いた。
十数名の若者たちは手分けして認知の入った老人宅を訪問して、入浴・着替え・食料の配達をやり、午後には自分たちの家を修理した。
翌日は、同じように巡回をこなしたあと、午後は畑仕事をはじめた。西大和村にはかつての柿畑や放棄された田んぼが大量にある。
翌朝はふたたび巡回をし、午後は農作業。
きびきびと動く若者をみていると村長は自らも力がみなぎるようになってきた。
秋が来た。
カカシ村の只太郎 @_000
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