第32話 ぱんつ三部作③:うさちゃんぱんつ♪

 玲香「……で、これが彼にアピールする最後のぱんつね」

 未咲「そ! 進くんよろこんでくれるといいなぁ」


 るんるん気分で穿いたのは、わたしにはあきらかに年不相応なうさぎのぱんつ。


 玲香「案外似合わないこともないのよね、これが」

 未咲「えっ! なんかショック……」

 玲香「よろこんで穿いてたじゃないのよ……」


 なにはともあれ、いざ帰宅!


 未咲「おまたせ~、何穿くか迷っちゃって……」

 進「……」

 未咲「えっ、どうしたの進くん?!」


 反応がないから、倒れているのかと思っちゃった。


 進「zzz……♡」

 未咲「やっぱり……心配したわたしがばかだったかな……」


 よし、寝起きドッキリしかけちゃお。


 進「(なんかあったかい……)」


 まだ気づいてないみたい。続けて反応してもらうようにはたらきかける。


 未咲「どうしよう、未咲おしっこもらしちゃった……」


 これでかんぺきっ。そう思っていたけど。


 進「zzz……」


 起きるどころか深い眠りについたようで、わたしは涙目になる。


 未咲「わたしじゃダメ……?」


 確認のため、勃っているかどうかのボディチェック。


 未咲「あっ、よかった、ちゃんと反応してる……」


 微妙にあったかくなってるように感じた。脈はかろうじてあるらしい。


 未咲「ここからさらにがんばらないと……はぁんおしっこぉ……」


 トイレに行かないように自分を縛りつけて、じっと耐える。


 未咲「見てほしいんだけどなぁ……うさちゃんぱんつ」


 お尻に大きくプリントされた、多分にデフォルメされたうさぎのキャラクターを彼に見えるようにきゅっと腰をあげてみる。


 未咲「しっぽもついてるんだから……」


 位置はちょっと違うかもしれないけど、お尻の穴にちょうど重なるくらい。


 未咲「いつでももふもふしていーよ……?」


 言ってると自分ばっかり勝手に気分が上がってきてしまって、出したくなった。


 未咲「あんだめっ……おしっこもう我慢できない、もれちゃう……」


 きゅっきゅっと出すところを締めたところで、どこまでもつかわからなかった。


 未咲「トイレいきたい……おしっこでちゃう……はやく気づいて……」


 必死のアピールもむなしく、わたしはとうとうトイレに行けなかった。


 未咲「あっやだっ出てる……おしっこ漏れちゃった……」


 気持ちよくてどうにかなりそうなところを彼に見られた。


 進「なにしてるの?」

 未咲「なにって、見てのとおりだよ……?」


 恥ずかしくて涙が出ちゃう。おしっこも出ちゃう。女の子だし。


 進「また我慢できなかったの?」

 未咲「そう、『また』なんだ……」


 このままだと単におしっこが我慢できない女性としてしか見られなさそう。アピールのつもりでやったんだけどな……。


 進「ねぇ、僕もおしっこしていい……?」

 未咲「えっ? ダメだよ、我慢しなくっちゃ!」


 寝起きで判然としないのかそんなことを言い出す彼。言ってる自分が一番説得力ないわけではあるけど。


 進「はぁぁでちゃう、おしっこもれちゃう……あぁぁっ」


 まるでわたしみたいなことを言いながら、さらにベッドを汚していく。


 未咲「進くん見て! うさちゃんぱんつだよ!」

 進「あっ本当だね……おっと、僕としたことが……」


 そこでようやく気づいたのか、ふと我に返り恥じらいを見える。


 進「もちろん全部見た、よね……?」

 未咲「うん、それはもうばっちり☆」

 進「できれば一刻も早く忘れてほしいんだけどね……」


 ぱんつ三部作は、こうしてできあがった。

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