第24話 健康とはなんぞや?
真琴「ときに未咲、野菜はちゃんと食べているか?」
未咲「えっ、うん……ちゃんと食べてるけど……」
真琴「無理にとは言わないがオーガニックの野菜を食べたほうがいい。わたしはそうしてる」
未咲「そう、なんだ……」
真琴「ところで未咲……」
未咲「ん? なに、真琴ちゃん?」
真琴「その、だな……」
真琴ちゃんはそう言って人指し指を股の前でくるくるさせている。心なしかもじもじしているようにも見える。これは……?
真琴「最近未咲を見ているとつい催してしまうのは、その……わたしの精神や排泄器官に、なにか問題でも生じているということなのだろうか……?」
未咲「恋する乙女みたいな瞳でこちらを見られても……」
真琴「違う! 断じてそういうわけでは……ただ、いまも尿道の奥が疼いてたまらないんだ……」
いまにも漏らしてしまいそうな真琴ちゃんがそこにいて、ついトイレに促したくなる。でも、そういえばわたしは真琴ちゃんのおもらしをあまり見たことがない。期待が膨らむ。
真琴「冬の季節とはいえ、ここまで催したことは過去にない! わたしはおかしくなってしまったのか?!」
未咲「落ち着いて真琴ちゃん、ここ店の中だし……」
そう、わたしたちは洋食屋さんに来ていた。
真琴「ちょっと来てほしい! どうしても辛抱ならないんだ!」
未咲「あぁっ、清算終わってからにしよ? ね?」
真琴「早くしてくれ! たのむ!」
店の中にトイレあるのにな……そう思いながらわたしたちは店の外へ。
未咲「えっと、なんでお店のトイレ行かなかったの……?」
真琴「未咲の前で出さないと意味がないだろう! わたしはずっと待っていたんだ、このときを!」
未咲「つまりどういうこと……?」
真琴「未咲はいつも人気者で、わたしにとっても生きる希望だったんだぞっ……その想いがここに現れたんだ、ようやくいま!」
未咲「トイレだったら相席したのに……」
真琴「否っ! 青春時代の甘酸っぱさをいまここで体現するとしたらわたしはこれしか浮かばないっ!」
そう言って真琴ちゃんはがばっとスカートをまくりあげて、限界のところをさらけだした。
真琴「乙女にとって最大の恥、おもらしをすること! それがわたしに残された課題だったんだ!」
ずっと無傷でこられたのは幸運といっていい。だけど真琴ちゃんはそれじゃ足りなかったらしい。
未咲「ここ道路だし……」
真琴「構わん! みなが味わってきた恥を、わたしも一心に受けようではないか!」
そう言って、しかし純情に真琴ちゃんは失禁した。
真琴「んあっ、あぁぁ…………」
吐息が多く、それがみんなと違うところだと瞬間に理解することができた。
真琴「するは一時の恥、しないは一生の恥……」
未咲「そこまでのことかなぁ……」
とにかく気持ちよさそうだったので、そのへんはよかったのかもしれない。
真琴「これで終わりだと誰が言った……」
未咲「無理しなくていいんだけどなぁ……」
続けて失禁。もうしたいのかなんなのかわからない。
真琴「……あしたから気分変えていくので、また会うときには違う存在でいよう」
最後によくわからないセリフを残し去っていく真琴ちゃん。やっぱりちょっと無理があったんじゃないかなぁ……。
未咲「うさちゃんのぬいぐるみ買ってかえろ」
わたしも気分を変えていくことにした。
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