第23話 人生で何度目かの、いちばん気合いの入った未咲のおもらし

 未咲「玲香ちゃん、わたしおしっこしたい!」


 玄関をあけるなり言われたのは、そんなことばだった。


 玲香「何よ藪から棒に……トイレ貸してあげるからくれぐれもここでしないように、いい?」

 未咲「それじゃだめ! きょうのわたしのおま○こ、玲香ちゃんのお口を欲しがってるみたいなの……!」

 玲香「厄介な日ね……」

 未咲「そういうことだから、ね……? 早く、しゃがんで……おしっこ、漏れちゃうから……」

 玲香「わたしきょう飲みたくないんだけど……」


 人生でいちばんいいおしっこができそうなときに限って、いつも玲香ちゃんはつんけんしてる。わたし、玲香ちゃんの前に現れないほうがよかったのかな……。


 玲香「そういうことだから、はい、早く帰っ……?!」


 次の瞬間、未咲が飛びついてきて逆肩車の状態に。そうなるとわたしの口についてるものは……。


 未咲「玲香ちゃん、お願いだからちゃんと飲んで……ひどいこと言わないで……」


 未咲が泣いている。泣くようなことにも思えないし、まずいまのわたしはおしっこを飲みたくない。


 玲香「いやだから、わたしの言うこと聞いてる?」

 未咲「聞いてるよ! それでもわたしは玲香ちゃんにおしっこ飲んでほしいって言ってるの! ちゃんと聞いててよね……」


 なんかちょっとキレ気味な未咲。そんなに怒ること……?


 玲香「じゃあわたしの気持ちはどうなるのよ?! わたしは飲みたくないって言ってるのに無理やり飲ませようとするあんたは相当酔狂ってことになるわよそれでもいいの?!」

 未咲「いいもんっ! たとえここで玲香ちゃんとの関係が終わったとしてもわたしは悔いなく死ねるもんっ! 美味しいおしっこを玲香ちゃんに飲ませることだけがわたしの生きがいなのにそれを奪おうとする玲香ちゃんだとは思いたくないよ! 内から湧き出てくるこの思いは誰にも止めさせないんだから!」

 玲香「いいこと言おうとして、結局やってることはただの変態行為よ! 目を覚ましなさい!」

 未咲「やだ! ここでおもらしする! ぱんつ穿きながらじゃぁぁぁってするもんっ!」


 なんだかきょうの玲香ちゃんはちょっと怖い。だからわたしは少し子どもっぽくなってしまった。自分でもかっこ悪いと思ってしまう。


 玲香「……わかったわよ。いまのあんたがそうしたいのならそうしなさい。ただ……わたしも限界なのよ……」


 そう言ってぐらつく玲香ちゃん。きょうも飲みすぎちゃったみたい。わたしも危ないことしちゃったなぁ……。


 玲香「ちょうどトイレのドアノブに手をかけたときに未咲にインターホン鳴らされたんだもの、多少は苛ついちゃうわよ……」

 未咲「なーんだ、そうだったんだ……」

 玲香「ちょっと、笑いごとじゃないわよ……んんっ?!」


 いま、下ですごい音がした気がする。ぶじゅぃぃっ……みたいな。


 玲香「未咲、早くおしっこしなさい……これ、立ってらんな……」

 未咲「わかった、いくねっ」


 ようやく愛が芽生えた気がして、わたしは安心した。


 未咲「ちょーっとくさいかもしれないけど大丈夫、味は保証するから♡」

 玲香「毎回思うんだけど、そろそろ信用なくなってきてる気がするのよね……」

 未咲「しっ、しかたないよ! わたしちゃんと年食べてるんだから!」

 玲香「年食べてる、ってあまり聞き慣れない表現よね……とる、とかのほうじゃないの……?」


 そんなこと言いながら、玲香ちゃんは続けざまに排泄していく。いままでの玲香ちゃんらしくない声をあげながら。


 玲香「お゛ーっ、お゛ーっ……」


 相当我慢したんだから、そういう声が出てもおかしくはないのかな……?


 未咲「玲香ちゃんのおしっこの出しかた、なんか独特だね……」


 最近大人のビデオでそういうの出てきてるから、その影響かな……。玲香ちゃんも見てるんだ……。


 未咲「んんっ、でちゃう……! 幼稚園の頃からずっと一緒だった玲香ちゃんに、あんなにおもらしっ子だった玲香ちゃんに、小さい頃からずっともったいなく流し続けてきた味つきのおしっこを、この寒空の下で溜め続けてもう出したくてたまらないってなるまでそうして、玲香ちゃんの家の前に来た頃にはもうちょっとパンツに出てて染みができちゃってて、いいにおいもしてきたけどちょっとくさいなぁって思ってたときに玲香ちゃんが扉開けてくれて、あぁやっとおしっこできるってトイレに駆け込みたかったけど、ううん、ここまできたんだったらいっそ玲香ちゃんにおしっこ飲んでもらおうって考えたらまたちょっと染みちゃって、どうしようどうしよう、このままだとみっともなくおもらしして終わっちゃうって思うとそうはなりたくなくて、必死におしっこの穴締めてたらなんでかわかんないけど玲香ちゃんの顔にダイブしたくなっちゃって、玲香ちゃんの口がこんなに近くにあるって考えると……あぁおしっこおしっこ……ねぇ玲香ちゃん、ほんとにわたしのこの思い、受け取らなくてもいいの?」


 ぎゅうぎゅうと太ももで顔を締めつけられてしまって、おまけに自分もしらふじゃなくおもらしまでしちゃっててよく考えることもできない。


 未咲「だっておしっこだよ……? ただのおしっこじゃないんだよ? みさきちゃん特製の、甘酸っぱくてまた飲みたくなるおしっこ、きょうのきょうまでずっとたいせつにしてきたんだから……そりゃ、年月経っちゃってふつうに戻りつつはあるんだけど……それでもね? わたしは玲香ちゃんに、あの頃をずっと憶えててほしくて、おしっこの味をなるべく保ちたいって思ってるだけ」


 みさきちゃん、なんて言いかた、ひさしくしてこなかった。なんでもできそうだったあの頃以来だと思う。おしっこを直に飲まれてくすぐったかったり恥ずかしかったりしたことはあるけど、どれもいまとなっては大切な思い出。きっと忘れはしない。たとえその時が来たとしても、わたしはわたしであったことを思い出したい。叶わなくても、誰か大切な人――そう、玲香ちゃんだけにはちゃんと憶えてていてもらいたいな。


 未咲「だからね、あぅっ……玲香ちゃんがもしおばあちゃんになったとき、子どもたちに飲ませてほしいんだ……その……おしっこを、ね? 大丈夫、わたしのおしっこをほとんど嫌がらずにずっと飲んでこられたのって、じつは、じつはね……玲香ちゃんしかいないんだ……わたしの味を知ってるってことは、その……原子レベルで玲香ちゃんにもね、きっとしっかりそれはもう刻まれてるってことでね……科学的なことはよくわからないけど、そんなことを思うんだ……」


 まだおしっこを発射しない。きっともっと語りたいことがあるのかもしれない。こっちはずっと待ってるのに。


 未咲「玲香ちゃんはよくおもらししてたよね。それってべつに悪いことじゃなくて、まずひとつにわたしの目の保養……いたっ! になってたし、そのおかげでね、じつは……これ言うのとっても恥ずかしいんだけど……わたしのおしっこの味がね、開花したんだよ」


 そう言ってようやく少し開放した。まずは味わってそのときのことを思い出してほしいというメッセージなのかもしれない。


 未咲「それが肌でわかったとき、わたしはすっごくうれしくなって、その日のおしっこコップ3杯もいけちゃったんだ」


 ちょうど大人の膀胱サイズに一致する。その頃から未咲はおしっこフェチだったのか。


 未咲「でも玲香ちゃんにいうのはどうしても恥ずかしくて、ずっと黙ってたの……ごめんね、いま、こんな形で告白することになっちゃって」


 しぃぃぃぃーっ! 未咲はそう言って、もう一度噴射。ふるえるほど気持ちいい。


 未咲「はぁ、はぁ……全部出したい……いま思うとほんと玲香ちゃんえっちだったなぁ……えちえちすぎて鼻血ずっと止まらなくて常時ティッシュ持っておかないと大変だったんだから……まぁそのティッシュはトイレどうしても我慢できなかったときに外でするときにも必要だったんだけどね……」


 そのへんは想像に難くない。


 未咲「外でおしっこするときも大変だったなぁ……間に合わなくて雪におしりつきそうになるくらいまでしゃがんでおもらししたこともあったし……」


 このへんも、同性だからよくわかる。なんならわたしのほうがそのへんの理解が深い。尻もちまでついたことがあったぶん、未咲よりひどかった記憶がいまも色濃く残っている。


 未咲「玲香ちゃんは……そっか、その尻もちでおしり冷えちゃってそれが膀胱までダイレクトに届いじゃったぶんおしっこの勢いもすごかったって近所の人言ってたっけ……通りがかりのおじさんずっと笑ってたよね」

 玲香「〜〜〜……!」


 思い出しちゃったのかな、顔がすごく赤い。


 未咲「『ひあぁっ、だめぇっ、もれちゃう、もれちゃう〜!』からのぶしゃぁぁぁっ、だっけ? もうめちゃかわでねほんとあれ、あのころスマホ持ってたら全力でおさめてるよね」

 玲香「そんなこと覚えてなくていいのよ……」


 そんなことを言いながら、玲香ちゃんはずっと当時のようにおしっこを漏らし続けている。まるであのときの勢いがそのまま現在ここに持ってこられたかのように。


 未咲「いまもおさめたいんだけどなぁ……玲香ちゃんの上に乗っちゃったから水たまりしか撮れなさそうだよね、いまからカメラ回しても……」

 玲香「だめっ、おしっこ、気持ちいいっ……!」


 だめだ、わたしの話全然聞こえてなさそう……。


 未咲「もうっ、玲香ちゃんなんてわたしのおしっこで溺れちゃえ〜っ!」


 じょぼ〜……まさしく玲香ちゃんの口にしたら洪水レベルの量の怒涛のおしっこが流れ込む。


 玲香「ごぼぼっ?!」


 びっくりしてむせちゃったらしい。せっかくのおしっこが……。


 未咲「ほら、まだ終わりじゃないよ!」

 玲香「?!」


 このとき玲香ちゃんの目にはわたしが鬼のように映ったらしい。泣き顔で許しを乞うように上を見たらしいけど、そんなの知らないっ。見えないし。


 未咲「くらえっ、未咲のハッピーシャワー!」

 玲香「ん〜〜〜、ん〜〜〜?!(やめてー!)」


 未咲がこの頃ハマってる女児アニメものからきていると類推してみるけど、ほんとうのところはわからない。ただそれっぽく言おうとしているようにも見えるし。


 未咲「はぁはぁ……もう玲香ちゃんなんか、未咲のおしっこでしか生きられなくなっちゃえ!」


 それは言い過ぎにしても、それくらいの気持ちで玲香ちゃんのお口に注ぎ込んでいった。


 玲香「(どうでもいいけど、なんでいつの間に自分のこと下の名前で呼んでんのよ……おえっ)」


 もうそんな年でもあるまいに。ちゃん付けはギリ許すとして。


 玲香「(あぁでもそっか、春泉がいたわね……でもあの子はちょっと例外というか……)」


 未咲がやるとこんなにも違和感が出るのはどうしてか、わたしにもよくわからなかった。


 玲香「(あぁまたおしっこでるっ……あのときみたいに、なさけなく……)」


 いまだけは、あのころみたいな女の子に戻るのも悪くはないと思えてきた。


 玲香「(おしっこでりゅっ、でちゃう……こんなことばづかい、絶対いまの未咲の前ではできない……)」


 そう思ってたのに。


 玲香「あぁぁもえゆ、ちっちもえゆ……みしゃきおかしゃん、れいかちっちすりゅかやみて……」

 未咲「えっ、どうしたの玲香ちゃん……」


 あきらかに引かれている。無理はない。ふだんこういう自分を見せなさすぎた。違和感がすごい。


 玲香「あおねおかしゃん……れいかね、こーやってよーじぷえいすゆのしゃいきんしゅき……みしゃきのころおかしゃんあとおもってちっちすゆの、もっとしゅき……」


 そう言って、目には見えないけどはっきりと自分のおまたをがばっと押さえたのだけはわかった。

 きっと目はとろとろで、こういうのが好きな玲香ちゃんもまあ悪くはないかな……? と思えてきた。要するに玲香ちゃんが気持ちよければなんでもいいよね。最初はちょっとびっくりしたけど。


 玲香「れいかのちっち、みてぇ……」


 あいにくうまく視界に入らないので、なんとか想像で補うしかない。あと、わたしもおしっこしたいし。


 未咲「あぁ、ごめんねれいかちゃん! おかしゃんもね、おしっこしたいの……! だから……はぁ、はぁ……!」


 高まる尿意。発射したくてたまらない。だけど相手は子ども。下手したら泣き出されるかもわからないこの状況で、わたしは我慢を余儀なくされた。


 玲香「でへへ、きもち〜」

 未咲「まってれいかちゃん……おかしゃん、がんばっておしっこがまんしてるのに……」


 そんな気持ちよさそうな音聞かされたら、わたしだって……!


 未咲「わたし、やっぱりれいかちゃんのかわいい顔におしっこなんてかけられないっ……!」


 そこでようやくそう思えたのはいいけど、今度は引っ込みがつかず、おもらし秒読み状態に。


 未咲「どうしたらいいの……ママとして愛する娘にこんな汚いものをかけるなんて……どう考えても間違ってるのに……あぁっ、娘の笑顔がまぶしいっ……こっちみないで……いまからあなたの顔に、くっさいおしっこかけちゃうのよ……?」


 そこで限界がやってきた。このときの玲香ちゃんはさすがにノリノリというか、完全に人が変わったみたいだった。


 玲香「きゃっきゃっ」

 未咲「まぁ美味しそうに飲んじゃって……これ、おしっこなのに……味がついてるとはいえ、このままじゃ娘の健康状態が心配で心配で……」


 娘ちゃうっちゅうねん。ここにきてようやくそう思ってしまう。


 玲香「ぷはぁっ」

 未咲「どう、おいしかった? えらいわねぇ」

 玲香「でへへ〜」


 もしこんな親子が実在したら通報もの。妄想だからこそ実現した、まさしくありえない光景だ。


 玲香「れいかもきもちおかった〜」

 未咲「そう、よかったわねぇ」


 できればこれ、逆でやりたかった……。玲香ちゃんのこんな一面が見えてちょっとショック。だけど案外悪くもなかった。


 未咲「よいしょっと」


 降りたらこの状態も解けるかな。そうした甘い判断のもと床に足を下ろしたところ、


 玲香「んっ」


 また子どもっぽく、玲香ちゃんが我慢をはじめた……。


 未咲「えっ、まだやるのこれ……?」


 今度は知ってるぶん、まだ心構えもできるけど……。そう思ってた。


 玲香「んもぉ〜〜〜っ、トイレどこぉ?! 玲香ここでおもらしするのやだ、トイレ、トイレ! 未咲も早く探してよね……きゃうっ?!」


 あっ、これちょっと成長した玲香ちゃんだ。私の記憶がそう言ってる。それにしてもうまい。さすがご本人。


 玲香「未咲のせいでしょっちゅうおもらしするんだから……この前だってね! カラスに進路妨害されてぶじゅぁぁぁっておもらししたんだから! 未咲には一生経ってもわからないんだろうけど!」


 わたしはどちらかというとカラスを手懐けるのがうまいほうだった。それこそ鷹匠のように。


 玲香「ったくもう……小さい頃はひんやりした雪におしりつけておもらししておじさんに笑われたりこんなわけのわからない幼馴染までついてきちゃって……あぁもう、わたしの人生早くもめちゃくちゃなんだけど……!」


 そう言いながら、おなかの中ではなにかが溜まる音がしている。


 玲香「信号待ちきれなくておもらししたでしょ……身体いじってたらなんかわかんないけど気持ちよくてぱんつはいたままおしっこしちゃったし、

お風呂なんてほとんどトイレみたいなものよ……」


 そう、玲香ちゃんはたいへんえっちな子だった。


 玲香「未咲と追いかけっこして、追いついた〜と思ったら未咲がつんのめってこけて、それにつられてわたしもちょっとやらしい体勢、つまり膝立ちになりながらお腹出して我慢してて……その……未咲のおなかのところに、わたしのおまたがくっついたりして……そして、未咲といっしょに……」


 思い出して熱くなってるのか、玲香ちゃんは股間を押さえてる。


 玲香「未咲はよく覚えてないでしょうけど、そういう時期あんたにもあったんだからね……」


 涙のかわりに体温以上の液体が噴き出す。


 玲香「このおしっこは、あんたとの絆でできてるんだから……」

 未咲「玲香ちゃん……」


 なぜだかじぃんときてしまった。ただのおしっこなのに。


 未咲「玲香ちゃんっ!」

 玲香「ちょっ……暑苦しいわね! 離れなさい! あんたはね、人との距離ってものをわかったほうがいいわ! それと物との距離もね! よく目測誤ってなんでもない標識のポールに頭ぶつけたりしてるでしょ?! わたしね、あれずっと危なっかしいって思ってるんだけど?!」

 未咲「すきぃ、玲香ちゃんすきぃっ……♡」

 玲香「うれしょんするんじゃないわよ! あぁもうっ、めちゃくちゃじゃない……!」


 夢か現かわからない時間だけが過ぎていき、いまも昔も少しも変わらないものを確認しあう。


 未咲「おしっこは愛の結晶、だよね♡」

 玲香「認めたくはないけど、どうやらそのようね……」

 未咲「だったらもっとしよ? おま○こぐちょぐちょになるまで……」

 玲香「表現が生々しいわね……いいわよ、もうこれ以上ここは汚せないから、続きは風呂でしましょ」

 未咲「そうだねっ」


 下半身をひたすら温かくさせて、なかよく風呂に入ることになった。


 未咲「いくよ〜玲香ちゃん、しっかり受け止めてねっ」

 玲香「もちろんよ」


 しゃぁ〜っ……手で受け皿を作って、それをいただくスタイル。


 未咲「どう? おいしい?」

 玲香「まずくはないわね」

 未咲「あいまいな表現だなぁ……じゃ、玲香ちゃんのもいただくね?」

 玲香「どうぞご勝手に」


 しょぉ〜っ……そっか、わたしより低いんだ、おしっこの音……。こんなに長くいたのに、そのことになかなか気づけなかった。


 未咲「んっ?!」

 玲香「えっと、それはどっち?」

 未咲「んー……よくわかんない!」

 玲香「どうしたのよ、いつもの未咲らしくない」

 未咲「いろいろ思い出しちゃって。きょうからまた覚え直すね、玲香ちゃんのおしっこの味」

 玲香「で、どんな味がするのよ?」

 未咲「わたしのおしっこの味に、なんていうかな……芳醇? な感じがふわっと……」

 玲香「人のおしっこをお酒みたいに……思い当たる節がないこともないけど……」

 未咲「わたしたち、もう完全に大人になったってことかな?」

 玲香「完全かどうかはわからないけど、ある程度はなったって言っても誰も何も言わないんじゃないかしら」

 未咲「そうだといいね」

 玲香「そうね」


 話の中身はそんなにない。折りいった大人の話ってわけでもない。だけどわたしたちはこんな形で成長してるんだと知る。おしっこはいつまで経っても我慢できないんだけどね……。


 未咲「はぁすごい、すごかったよぉ……わたしのクリ○リスもこんなに出たがってる……」

 玲香「わたしもそんな感じなんだけど……」

 未咲「どんなに子どもっぽくふるまっても、ここはちゃんと成長してるねっ」

 玲香「さっきやっぱり恥ずかしかったんだけど……走馬灯みたいでわたし死ぬのかと思ったわよ……」

 未咲「うーん、もし死んじゃっても幸せだったんじゃない?」

 玲香「縁起でもない……」


 立つものも立たない。だけど、引っ込めようもない。


 玲香「じっくり時間かけてやっていくしかないわね……」


 凝り固まった肩をもみほぐしつつ、恥部を弄っていくことにした。


 玲香「あぁもうすぐきちゃいそうっ、前準備がすごかったから……」

 未咲「わたしも……玲香ちゃんのおしっこのにおい、なんだかちょうどいいんだもん……」


 それぞれ理屈は違っても、それに達する時間はぴったりと合いそうだった。


 未咲・玲香「はぁぁ〜〜〜〜〜んっ!!」


 おしっこのかわりに潮が出た。わたしたちにとっては潮吹きもおもらしみたいなものだし、ひたすら満足していた。


 未咲・玲香「きもちいい……」


 まるであの双子のように息がぴったり合い、二人で見つめあった。


 未咲「最後にキス、する?」

 玲香「喜んで受け取っておくわ」


 オーガズムに達した疲れを少しでもいやすように軽くくちづけ。ただ幸せだった。


 未咲「ねぇ、おしっこしたくならない?」

 玲香「えっ? わたしはべつにそんなこと……」


 言ってるそばから水音がして、わたしは恥ずかしくなった。


 未咲「もう、おしっこはちゃんとトイレでしなきゃだめなんだよ……?」


 そう言ってまたキスをかわす。小さい頃を見ているようでかわいく思えてきたから。


 未咲「じつはね……わたしもおしっこしたいんだ……」


 大陰唇のところをみずから触ってこじ開け、玲香ちゃんにはっきりと尿道が見えるようにした。


 未咲「ここがぷくーってふくれたら、玲香ちゃんどうなっちゃうのかな……」


 わざとそんなこと言ってみたりする。早くおしっこを全身にひっかけたくてたまらない。そううずいてしまって余計に我慢が効かなくなる。


 未咲「待っててね、満タンになるまでもうちょっとかかるはずだから……」


 なにも限界まで溜めなくても……そう静止しようとしても聞かないことは、過去の経験からすべて知っている。


 未咲「あっ待って、こぼれちゃう……」


 フライングのようにわずかなおしっこが待ちきれないといわんばかりにほとばしってしまう。


 未咲「パンツ穿いたままおしっこしたい……なんか、そのままおしっこするのって味気なくて……」


 この子がおもらしの快感に目覚めたのはいつだったのか、わかりやすいところに書いておいてほしい。まわりが警戒できそうだし。


 未咲「玲香ちゃん……パンツもってきてぇ……」


 くぅぅ……とか言いながら我慢してる未咲が、ついにそんなことを言い出した。そんなことをしたら二度目のおもらしになる。なんとか阻止しないと。


 玲香「いい? ここはお風呂よ。昔のわたしみたいになるのはよくないけど、パンツにしてしまうよりかは……」

 未咲「やだっ、パンツはきながらしたい!」


 この子もまたどうしちゃったのか。ちょっと乾きかけてきたところをまた濡らすのか。よくわからない。


 玲香「なにもそんな泣かなくても……」

 未咲「おもらしこそがわたしの生きがいなの!」


 めっちゃ泣いてる。噴き出しそうになってる下半身を見ていると、気が気でない。


 玲香「わかったわよ……取りに行けばいいのね?」


 ついでにわたしもしたくなったので、未咲の気持ちを知るべくわたしもやってみることにした。


 未咲「玲香ちゃんもおもらししてくれるの?」

 玲香「そりゃ、こんなお子さまにいられたら」

 未咲「決まりっ。一緒におもらししよ?」


 わくわくは、すぐに尿意に変換されていった。


 未咲「はぁぅっ、おしっこ、おしっこぉ……玲香ちゃん、わたしもう我慢の限界だよぉっ……」


 相変わらず陰部をひらき、そこからじわりじわりと噴き出してくるおしっこが下着に染みていくのをただ見守るしかできなかった。


 玲香「早くしなさいよ……こっちだってこんなところでおしっこなんてしたくないのよ……」

 未咲「そんなこと言って、昔はばんばんしてたくせに……」

 玲香「あのときはあのとき、いまはいまよ」

 未咲「そんなこと言って、いまもしてるくせに……」

 玲香「当てずっぽう言ったって無駄よ(どうしよう、当たってる……どきどきしてきた……いまなら気持ちいいおしっこ、いっぱいできる気がする……)」

 未咲「ほら、ちょっとしみちゃってるよ? わたしの言うこと、そんなに外れてないんじゃないかなぁ……」

 玲香「きっ、気のせいよ気のせい!(あぁっもう、はやくおしっこしたい……)」

 未咲「なんだかヘンだねっ、こうやってお風呂でおしっこ我慢してるだなんて」

 玲香「まったくよ……(はぁぁっ、おしっこ、おしっこ……)」


 玲香ちゃんの呼吸に合わせて、ダムで言うところの水門が開きそうになる。


 未咲「そろそろ我慢できないんじゃない?」

 玲香「だ、誰がそんな……」


 きゃるんと見つめられてやばって思うと、余計にその機能は猛威を振るいはじめる。限界が近い。ちょこまかと動く元気なのを見ていると、それが自分にも乗り移りそうで目をそらしたくなるけど本人がそれを許さなくて、もう逃げ出しなくてたまらないけどどんどん熱っぽく見つめてきて、わたしの身体までそれに応えようとする。


 玲香「おしっこ……だめ……未咲に見つめられて……わたし、こんなにしたくなっちゃってる……沸騰、しちゃいそう……なに、この感覚……」


 気分がどんどん高まっていくのを感じ、次の瞬間……


 玲香「あ……あ……」


 熱に浮かされたっぽい声で、まず玲香ちゃんが失禁した。なんだかこの先、玲香ちゃんがこのことを思い出しておもらししても許せそうな気がする。


 玲香「これが……おもらし……」


 おもらしの良さを再確認したようだった。長らく純粋さを取り戻せずにいたっぽい玲香ちゃんが帰ってきた瞬間だった。


 玲香「いままでほんとに苦しかった……なんとか思い出そうとしてさっきみたいなこともしてたし、でも無駄じゃなかったみたい……」


 静かに涙を流している。よほど苦しかったんだと思う。


 未咲「よかったね、玲香ちゃん」


 置きにいくようにそう言った。


 未咲「わたしも早くしようかな……」


 遅れたことが逆に申し訳なく思い、わたしは切り替えてさっきのように我慢してみた。


 未咲「あれっ、もう出始めてる……」


 いつの間にか我慢が効かなくなってたみたい。あと単純に気持ちいい。


 未咲「でも玲香ちゃん下向いてるよね……見てほしかったんだけどなー」


 これはこれでありだけど、欲を言えば……ね。


 未咲「よし、これで全部出たね」


 ぱぁっと笑顔を取り戻し、玲香ちゃんの肩をやさしく叩いた。


 未咲「終わったよ、玲香ちゃん」

 玲香「ふぁ……?」


 ちょっと寝てもいたっぽい……。これ、音も聞かれてない可能性が高いなぁ……。


 未咲「あのね、おもらし終わった」

 玲香「そんなのわかってるわよ……くかぁ」


 また寝た。わかってはいてくれたみたい。


 未咲「んもぉっ……ゆっくりおやすみ」


 中途半端なやさしさを玲香ちゃんにぶつけ、身体を拭くのからパジャマ着させてベッドに運ぶまで全部わたしひとりでやった。


 玲香「おしっこ……」

 未咲「えっ、これ寝言だよね……」


 もしほんとにおしっこしたかったらまた大ピンチがやってくる。だけどそんな心配もなさそうで。


 玲香「のみたい……みさきの……」

 未咲「それはそれで愛が重い……」


 愛って何か、それを考えるきっかけができたみたいで嬉しくなった。

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