第10話 乙女のピンチに素早く駆けつけ! ピスマン!
とある休日。
行きつけのラーメン屋があるというので、そこに向かい少し話をした。
未咲「ねぇねぇ玲香ちゃん、動画サイトにあがってたあのアニメ観た?」
玲香「なによ」
未咲「乙女のピンチに素早く駆けつけ! ピスマン! ってやつ! あれどきっとするよね!」
玲香「あーあれね、ちらっとは見たけど、ああいうのほんと好きよねネットの人達って……」
未咲「玲香ちゃん、それもしかしてわたしのこと〜……?」
玲香「もちろんあんたもばっちり含まれてるわよ」
未咲「はぁ〜……わたしもなんでこんなにおしっこ大好きなんだろ……」
玲香「それはそうと内容教えなさいよ」
未咲「はっ! そうだねっ、え〜っと……どんなだったっけな〜……」
玲香「もう忘れたの……?」
未咲「覚えてるよ! えっとね、すっごいかわいい女の子が……」
玲香「そういうのってだいたいそうじゃない?」
未咲「ん〜っ、そりゃそうなんだけど……『もう限界……』って言って……」
玲香「そこで現れるのよね」
未咲「もうっ! なんで言っちゃうの! れいかちゃんのばかっ!」
玲香「馬鹿で結構。あのね、ああいうのはたいてい筋書き通りだったりするの」
未咲「そうなんだけどぉ……あぁもう、なんて言ったらいいんだろ……」
そのとき、不意にもじもじしだす未咲に気づく。
この子、もはやそんなことでももよおすようになっていたなんて。
未咲「はぁぁぁどうしよう……おしっこしたくなってきちゃった……」
そんなことが……と思ったけど、どこかこの間の私に似たような雰囲気を感じ取った。
未咲「昨晩飲みすぎちゃったから、溜まるの早くなってるのかな……もう我慢できないっ……」
縮こまる未咲を見ることしかできない。そのときだった。
真琴「未咲どの! 大丈夫だろうか?!」
どこかで見たような……。
真琴「ちょっと失礼する!」
我慢してる途中なのに容赦なくがばっと股をひらき、なにやら紙コップを用意している。
真琴「さあ、ここに! もう間に合わないのであろう?」
丸見えになるスカートの奥には、いまにも出したくてたまらない未咲のまだかわいい股が見える。
未咲「真琴ちゃん……いきなり股ひらいちゃだめ……っ」
なんとか閉じようとする未咲。しかし晩酌のこともあり弱々しくなっているせいでうまく閉じることができない。
少し漏れてしまい、そのしみはくっきりと残ってしまう。純粋なおしっこのにおいを直接嗅がれることになり、かなり恥ずかしい。
真琴「早く!」
未咲「だめ……ここ人いるんだもん……」
真琴「我慢してる方が毒ではないか! なんならいますぐこのまま排泄してもいいのだぞ?!」
未咲「だめっ……いまおしっこのこと意識させないで……」
あれこれ考えた末ようやく肩の荷が下り、真琴ちゃんの言うとおりにしていた。ようするに……
玲香「……間に合わなかったわね」
未咲「うわーん、ひどいよ真琴ちゃ〜ん!」
子どものように泣く未咲を、大人になって初めてこのとき見てしまうのだった……。
玲香「ちなみにピスマンの内容は?」
未咲「だいたいこういう感じ……女の子はちゃんと助けられて間に合ってたけど……」
現実はうまくいかないものである。
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