第5話 中学生のころのお話その3 千秋、千冬編
もうふたり紹介する。双子のように仲がよかった千秋と千冬についでだ。
この年にしてはどこかころっころしていて、それはそれで未咲の琴線に触れる感じがしていた。
苗字をそれぞれ前沢、美山という。見ての通りあいうえお順的に近いので、よく前後で話をしてた。
千秋「ねぇ、今度未咲ちゃんにあれ、してみない?」
千冬「いいねぇ〜、やろうやろう!」
そう言って取り出したのは、技術の授業であまった丸い棒。
千秋「未咲ちゃん、これなんだかわかる?」
未咲「さぁ、なんだろう……」
嫌な予感はしていた。無邪気さが時として仇になることを、このとき思い知ったかもしれない。
千冬「これね、技術の授業のときどう使っていいかわかんなくてそのままにしてた棒なんだ」
未咲「そ、それをどうするつもりなのかな……」
冷や汗は出るわ、これから何されるかわかったもんじゃないわで混乱がおさまらない。
千冬「これをね、未咲ちゃんの穴にずぼーって入れるの!」
未咲「やめて! わたし、まだ綺麗なままでいたいの!」
そうは問屋がおろさず、次の息を吸うときにはもう下は後ろにいた千秋に脱がされていて……。
千冬「大丈夫だいじょうぶ。後ろにしとくって」
未咲「そういう問題じゃなくて!」
さすがに抵抗があったらしく、じたばたしてなんとか逃れようとするも……。
未咲「うぅぅん〜〜っ……!」
まるで赤子のようにおしっこが出てきた。なんだかおいしそうなにおいがする……。
千冬「ねぇ未咲ちゃん、これ飲んでもいい?」
千秋「あっ、わたしもわたしも! ずるいぞ千冬ばっかり!」
未咲「だめぇ……ふたりともおかしくなっちゃう……」
危機感を覚えてなのか、ついて出たのはそんなことばだった。
二人「にししっ……」
未咲「やだぁぁっ……」
意に反して勢いは増し続け、さながらふたり専用のサーバーと化していた。
千秋「おいしいね、千冬!」
千冬「そうだね、千秋ちゃん!」
未咲「ふたりともやめてぇ!」
花の蜜に集まる蝶たちのように、ふたりは未咲という花のいちばんおいしいところを味わっていた。
千秋「ぷはーっ、おいしかった!」
千冬「ごちそうさま〜」
未咲「これでいいでしょ……もう十分だから、棒でつくのは絶対にやめてね……」
千秋「えーっ、これからが本番なんじゃん!」
千冬「そーだそーだ! これで終わりなんてわたしたちが許さないんだから!」
未咲「もう、おうちかえりたい……!」
それからというもの、あんなことこんなことされてひとしきり満足して、ていねいに服は着せてくれてその戯れは終わった。
あとから思い返せば気持ちいいこともあったけど、それでもどうしても嫌な思いは残り続けた。
未咲「そういえば、こんなこともあったな……」
玲香ちゃんとの再開を喜びながらも遠い目をして、そのときを振り返る。
玲香「これで4人目まで振り返ることができたわね」
未咲「そうだね……残るひとりは……」
これまた癖が強い子だったと記憶している。
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