ホラー好き女子は告白しました
「あれ、
突然、背後から声がした。
ま、さ、か・・・・・・。
そこには、カバンを肩にかけて片手をポケットに入れた
「かっ、かけっ」
いつもより早い。まだ心の準備ができてない。
「ちょっと、キャプテンに言い忘れたことがあって。メッセージ送りたいんだけど、ここ座っていい?」
「い、いいよ」
「よしっと。もうすぐ暗くなる。
「そうなんだ、同じの方向じゃん。一緒に行く?」
「ところで
ホラーだなんて絶対言えない、
「そんな言えないようなやつなの?」
「いや、言えないって程じゃ、ないけど、ひ、引くかなって」
「引くって、もしかして愛し合う男子と女子が・・・・・・とか?」
「いやいやいや、そ、そんなんじゃないよ」
「オレは
-終った。始まる前に終った。とんだ
「おお、これは予想外。
引いている様子はない。
「だからって、別に誰かを
「分かってるって」
「ひ、引かない・・・・・・の? 血がビャーとかなんだよ」
「なんで引くの? オレたちの読んでるバトル系のマンガなんて血がビャーなんてザラだよ。腕も切れるし、人も死ぬ。一緒じゃん」
新たな価値観。
これまでに感じたことのないほどの肯定感だった。
「うれしい」 心から思った。
この人の事をもっと知りたい、もっと話がしたい、もっと一緒にいたい。こんなチャンスは二度と来ない。でも、でも・・・・・・。
-空気を読むな、
突然、頭の中に声が響いた。
誰の声か分からない声。
しかし、否定を許さないほど強い声。
「ねえ、
「どうした?」
「高1から
「その頃から私 ― 」
沈黙―
5秒? 10秒?
(続く)
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