二 外法師の血統
鑑真和上に
ときおり、酔った父に
母以上に、よたを父は憎んだ。その父に
それがどういうことを意味するのか、幼いよたにはよくわからなかった。
近所の子どもらにも、よたはよくいじめられた。
それは、よたの浅黒い肌やその目鼻立ちのせいであろう。あるいは、子どもらの母親たちが、よたの母を疎外する態度による挙げ句であるようにも、よたには思えた。
しかし第一の原因が、父母に似ぬ
いずれにしろ、よたにとって毎日が辛いことに変わりなかった。
七つになって、興福寺によたを父は預けた。
興福寺の客僧となった外法師の血を、よたが引いているからではない。
「寺男の下働きにでも使ってやってください」
興福寺の
鑑真和上が創建した唐招提寺と並ぶ
よたを興福寺に入れるにあたり、母も反対しなかった。
わけのわからぬまま父や兄に
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