第40話 平和な日常回の後って大概、超展開だよね。
ゲーム内時間が進み、今日は目出度くフリージアちゃんとエルザちゃんの卒業式である。
目出度くもあり、憂鬱でもある卒業式。
何故なら、御貴族様の学院の卒業とは即ち、嫁入りの始まりなのだ。
「フリージアちゃんもエルザちゃんも、何処ぞの馬の骨に嫁入りするのかぁ〜。つ、辛たん!!」
そもそもこの学院は、貴族としての常識や家庭教師を雇えない貧乏貴族では身に付けられない習い事などをどの貴族にも身に付けさせるため、国が貴族の底上げを目的として立ち上げた学院なのである。
故に、この学院は貴族社会の縮図であり、また将来の伴侶を見つけたり見定める場でもあるのである。
それ故に長子には、領地の取り回し方の基礎向上を、次男以降には騎士や役人になる為の訓練を、淑女には、妻となる為の言わば花嫁修業や嫁いだ屋敷の管理運営の基礎向上等が執り行われる。
そんな中、早い者は学生時代中に婚約をするもの達もいる。
なので、お相手の居ない淑女である女性の皆様方は卒業と同時に社交界で、自分アピールをしなければならなくなるのである。
所謂1つの負け組と呼ばれる淑女達である。
ちなみに、フリージアちゃんもエルザちゃんも、この負け組カテゴリーに入っては、いる。
そもそも理想が高いのか、学生時代に何人ものアプローチがあったものの、全てを袖に振っている。
なので、厳密には負け組とは言いきれない。
その気になれば引く手
◇◇
アシュレイ:
「卒業おめでとう」
レイラ:
「おめでとう」
フリージア:
「ありがとうございます。お父様、お母様」
アシュレイ:
「エルザ嬢もおめでとう」
エルザ:
「ありがとうございます、ですわ。おじ様」
レイラ:
「エルザちゃん。これからどうするの?良かったら貴女も私達の所に来ない?」
エルザ:
「おば様…その心遣い有難く存じます。ですが、
エルザの父はエルザの在学中に亡くなっていた。
◇◇
「はあ!?何でいきなり?この間、会った時は、普通に元気だったじゃん!?超展開過ぎるわ!!」
◇◇
領地から王都に向かう途中で落石事故に合い、そのまま帰らぬ人となった。
だが、この落石事故には不審な点があった。
故に、故意に命を狙われた可能性があった。
その報せはエルザ嬢に父親の死の報告と共に知らされた。
そして、その報せはフリージアの父、アシュレイにも届けられていた。
アシュレイは国の諜報機関の重臣であり、友人のルーベンス氏から国の一大事になるかもしれないと調査を依頼されてもいた。
故に、唯一の肉親であるエルザが危険に晒される可能性は非常に大きなものとなっていた。
アシュレイ:
「……フリージア」
そして、アシュレイもまた、親友の忘れ形見であるエルザを引き止めたいが、エルザの気持ちも分かるアシュレイは、自身の心の感情がグルグルと回る中、苦渋の選択として娘を送り込む事に決めた。
フリージア:
「わかっております。お父様」
アシュレイ:
「すまない」
フリージアもまた、国の諜報機関のエージェントとしての教育を家族から仕込まれていた。
◇◇
「は?え?は?いつの間に!?私、聞いてないよ!?」
◇◇
フリージア:
「とんでもありません。寧ろ、
エルザ:
「フリージア!?」
フリージア:
「止めても無駄ですわよ、エルザ。
エルザ:
「!?」
◇◇
「待って!待って!ちょっと待って〜〜!?本気で超展開過ぎて頭が追い付かないんですけど!?誰か説明ч(゜д゜ч)ぷり〜ず!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます