第37話 sideマル あれ?此処ってゲーム内だっけ?
年も明け、俺たち私立の高校3年は2月に修学旅行が控えていた。
私立の高校の修学旅行と言えば海外と相場は決まっていると思っていたのだけど、何故か京都・奈良の歴史物観光である。
「何だよ、絶対海外だって思ってたのに!」
「何言ってんだよ!京都なんて最高じゃん!ギャルゲーの聖地が乱立してんだぜ!」
「ええなぁ〜、丸やんは通常営業で…。俺なんか爺様家にわざわざ学校行事で行くみたいで、結構萎えとんのに…」
「だったら拓海は、爺ちゃん所いって小遣い貰って来ればいいじゃん」
「いやぁ〜、
「何だ、残念。拓海の金で豪遊計画が!」
「阿呆ぬかせ!誰が好き好んで、
「はいはい。阿呆な事で喧嘩すんな」
「だってよ!丸、和哉の阿呆が!」
「悪かったって、冗談だっつうの」
「そんな事よりもだな、ギャルゲーの聖地をどれだけ多く効率良く周れるかをだな─」
「「却下!!」」
そんな阿呆なやり取りをしつつも、俺と拓海と和哉と今回、溢れていた麻木優希さんと班を組み、俺たちの修学旅行は始まるのだった。
◇
修学旅行当日。
新幹線で移動後、奈良をバスで移動。
歴史的建造物をクラスグループで散策。
俺の感想:大仏デカい。鹿が多い。以上。
「うおおおおぉ、ここ冴え○ノの聖地じゃん!上がる⤴︎⤴︎」
「第一話やな!第一話!」
「いやいやいやいや!オープニングだろ!オープニング!」
「あ〜、そやったっけ?」
「ふっ!ニワカめ!」
「ほら、お前ら次行くぞ」
「なんや、丸やんテンションひっくいなぁ〜」
「こう言うのは
奈良に1泊後、京都へ移動からの自由行動。
「ふおぉ゚+。:.゚おぉ(*゚O゚ *)ぉぉ゚.:。+゚ここは、Kan○nで出てきた、あゆベンチだ!すげぇすげぇすげぇ!!!」
「……丸やん。こう言うのは心静かに楽しむもんやないの?」
「ベンチ1つでどんだけ盛り上がってんだよ」
「阿呆か!これが落ち着いていられるかってぇの!」
「昨日のセリフはなんだったんだ」
「ホンマやな」
ボソッ
「…ユーフォの聖地」
「ほら、次行こうぜ」
「せやな」
「そうだな!名残惜しいが、早く移動しないと、全て周りきれん」
「いやいやいや、丸のスケジュールは、ほとんど却下だから」
「な、なん…だと…!?」
「いやいや、何が悲しゅうて京都来てまでベンチとか噴水見なぁ〜アカンねん」
「そうそう、それに麻木さんの観たい所だって、あんだから」
「ええと、大吉山だっけ?」
「ひゅえ!?…う、うん。そう」
◇
「ええと…登んの?ここ」
「せやな!」
「うへぇ、マジか〜」
「あ、あの!む、無理なら別に」
「でも、ここまで来たし目的地この上でしょ?」
「う、うん」
「なら行きますか」
「せやな」
「あ、あの…ごめんね」
「ええよええよ、俺らの趣味にも付き合わせてしもうたし、実際、麻木さんもウチら側の人やろ?」
「え?」
「有名な聖地やからなぁ〜、宇治上神社からの大吉山は。ユーフォやろ?」
「ふぁ!」
「やっぱりなぁ〜、うんうん。わかる!わかるでぇ!」
「何が分かってんだ?拓海は」
「まあ、ギャルゲーしか興味ない丸にはわからんだろうな」
「せやな」
「何だよ!和哉まで!」
「ええからええから」
「早く登ろうぜ」
そして、ひたすら登る。
「はぁはぁ、なあ?何が悲しくて京都来てまで山、登ってんだ?俺たち」
「阿呆か!これも立派な聖地巡礼や!」
「そうだぞ、丸。男は黙って前に進め」
「ご、ごめんなさい。私の我儘で…」
「んあ?問題ないぞ?唯のじゃれ合いだからな」
「そ、そなの?」
「そだぞ」
◇
「つ、着いたぁ〜!」
「お?流石に有名聖地。俺らの他にも人居んぞ」
「お?ホンマや」
「あ、ほんとに…が、外国の人かな?綺麗な子達」
「え?」
あれ?俺の目、遂におかしくなったか?
目の前に、つい数日前にゲーム内でお見かけした人達が居るのだが…。
「……マルクスのねーちゃん?」
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