第35話 今年一年、頑張った私にご褒美的なアレ。

 朝、起きて朝ごはんの準備をする。

 何時もの何気ないルーティンがこんなにも華やかなものになるなんて…。



 食卓の前には美少女2人。



 朝から眼福な訳なのだが、こんなにも幸せで私、来年まで生きられるのかしら?



 等と馬鹿な事を考えていたら、何度かこちらで朝食をとった経験のあるフリージアちゃんがエルザちゃんに得意げに食べ方をレクチャーしていた。



 何それ!ドヤ顔フリージアちゃん!可愛すぎて鼻血でそうなんですけど!



「尊い…」



 思わず声が漏れる。



「?」


「な、なんですの!?」



 首を傾げる天然フリージアちゃんと若干慣れない感じで対応するツンデレエルザちゃんが、生暖かい目で2人を愛でていた私に即反応する。



「ううん。2人は仲がもの凄く良いんだなぁ〜って思っただけだよ」


「うん!私、エルザの事、大好きだよ!」


「し、シア!」



 頬を赤らめるエルザちゃんがカワユス。



「勿論、サキお姉様も大好きです!!」


「ありがとう、フリージアちゃん。私も大好きですよ」



 にっこりと微笑んでいつも通りに対応する。


 しかし、頭の中ではフィーバー状態!



 フリージアちゃんカーニバルがリオのカーニバルも霞んでしまうほどの盛り上りでマツ○ンサンバならぬフリージアサンバしていた事は言わずと知れた事だろう。



 そんなこんなで待ちに待ってた3人揃ってのお出掛け買い物デートです!



 いやぁ〜世の中には、年末の仕事終わりに頑張った自分へのプチご褒美とかをされていらっしゃる方がいるみたいですが、何コレ!プチじゃないよ!ビックだよ!ビックリだよ!!


 何?この幸せ空間!!



 逸れないようにと私と手を繋いだエルザちゃんと反対側の私の腕を組んで、はしゃいでるフリージアちゃんが私を挟んで会話を楽しんでいる。


 そして、そんな2人の会話をニコニコしながら相槌打ったりしてるけど!2人から漂う甘い少女の香りがマジパねぇ。



 まさにグッとくるスメル!略してGoodSmelグッドスメル!いや!マーベラス!!

(※咲はテンション上がり過ぎてヤバい薬やってるんじゃないかと疑われるLvで馬鹿になっております。ご了承下さい)



 幸せ過ぎて意識、飛びそうでマジでヤバい。


 そして、周りから集中する視線!視線!視線!



 まあ?こんな美少女2人も侍らしていたらそりゃ見ずにはいられないでしょうよ!


 どうだ!良いだろ!羨ましかろう!



 混ざりたいか?そうだろぉそうだろぉ!

 だが、断る!



 くはぁ〜たまりませんなぁ〜このマウント感!癖になりそうですわ!



「ねぇねぇ、彼女達?どこ行くの?俺らと一緒に…」


「だが、断る!」



 年末だからって朝っぱらからナンパとか真面目にテンション下がるわ。氏ねばいいと思うよ。



 そんな事を思いながら、秘技ガンスルー見なかった事にを決め込んで通り過ぎようとするとナンパ男の1人クズ男がエルザちゃんの腕を掴んで引き留めてきた。



「ちょっと待てよ!」


「痛!」


「な!」



 痛がるエルザちゃんを見た瞬間、私は瞬間湯沸かし器の如く頭に血が上り、その腕を掴んだソ野郎の足をヒールで踏み躙った。



「だああああ!」



申し訳ございませんがなに晒しとんじゃあ〜当店のコンパニオンはこんボケェがぁ!!お触り禁止ですわしのスケに手ぇだしてあしからず生きて帰れると思うなよゴラァ!


「サキお姉様ってとっても器用なんですのね!心とお口の言葉がとっても複雑怪奇ですわ!」



 そう言ってタブレットを眺めているフリージアのタブレットを覗くとソコにテキストボードがいた。



「オマ!ふざけ!何見せて!」



 そう言って私は、テキストボードに文句を垂れる。


 私の心の声は、いつの間にかフリージアちゃんにコネクト筒抜けしていた。



 誰だ!フリージアちゃんにタブレット持たせた奴!

 ………私だ!!



 Orz

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る