第20話 具合い悪いと思考が馬鹿になる事例。
サキ:
「う〜ん。今何時だぁ〜」
サキは目覚まし代わりのスマホを手探りで探すが見つからない。
サキ:
「…………」
サキは状況を思い出し無言になる。
無言になるじゃねえわ!
誰なの?あんた
しかし、返事はない。
……ただの屍のようだ。
しかし、誰も答えない。
(💢・-・)
サキ:
「今何時だ?」
サキはテキスト画面上のカレンダーを見る。
見るとレンバルト王国時間と日本時間がカレンダーと一緒に記されていた。
サキ:
「なんてご都合主義な」
しかし、日本時間がそろそろ仕事に出かける時間に近ずきつつあるのを見て焦る。
サキ:
「いや、普通に焦るわ!」
ガチャりとドアが開く音がした。
フリージア:
「サキお姉様!良かったお目覚めになったのですね」
フリージアは安堵した。
何せ、サキが再び眠りについてから既に2日も立っていたのだから。
うわ!そうか!だから出勤の時間なのか!
焦るサキ。
やかましいわ!
サキ:
「フリージアちゃん」
駆け寄ってくるフリージアにサキは甘く蕩ける様な微笑みを向ける。
……外野がうるさい。
フリージア:
「良かった。サキお姉様、本当に良かった」
そう言ってしっかりと抱き着いてくるフリージア。
しかし、サキはそれを堪能している場合ではなかった。
やかましいわ!
いや、確かにそうだけど!
だが、あえて言おう、やかましいわ!
サキ:
「ごめん。フリージアちゃん、私、仕事に行かなきゃ、向こうに戻して貰ってもいいかな?」
フリージア:
「え?でも」
困惑するフリージア。
何故なら戻し方が分からないからだ。
ああ、そうだよね。
それ以上にフリージアはサキの身体が心配だった。
うぅ、フリージアちゃん、マジ天使。
サキ:
「ありがとうフリージアちゃん。でも私行かなきゃ。お願い私に扉を使わせて」
更に困惑するフリージア。
サキはお構い無しにフリージアの手を取り願う。
フリージアは戸惑いながらもサキに言葉をかける。
フリージア:
「お姉様、行ってらっしゃいませ」
サキ:
「行ってきます。またねフリージアちゃん」
そう言うとサキは揺らめきフリージアの前から消えたのだった。
フリージア:
「はい、サキお姉様。おかえりをお待ちしております」
消えたサキに思いを飛ばす様にフリージアは呟くのだった。
◇◇
「わぁ〜!マジで急がないと!」
慌てて、出社の支度をして駆け出す。
「朝ご飯抜きはマジ辛たん!」
嘆きつつも私はバス停まで駆け出すのだった。
………
「真島ちゃん大丈夫?すっごく顔色悪いわよ?」
「あはは、まあちょっとね」
「ひょとして徹夜でゲームでもしてたの?どんなに愛しててもゲームの中の人は答えてくれないわよ?いい加減に現実見つめたら?」
「まあ、分かってはいるんだけどねぇ」
「はぁ、分かっているのに止められないってそれ中毒症状よ?大丈夫?」
「スイスイスーダラ節?」
「はぁ?何言ってるの?本当に大丈夫?」
「スーダラ節を知らないとは…これがジェネレーションギャップ」
「何がジェネレーションギャップよ!同い年でしょうが!失礼しちゃうわね」
「あはは…」
「本当に大丈夫?」
「うん。大丈夫大丈夫」
「そう。なら良いけど…で?」
「で?」
「そのスーダラブシ?っての若い子の間で流行ってるの?どんな時に使うの?ネットに情報出てたりする?」
「いやぁ、まあ、ネットに出てはいるだろうけど、若い子には流行って無いんじゃないかなぁ〜」
「何よそれ」
「あはは…はぁ〜」
「?」
やばい、マジ早退したい程に身体が怠くなってきた。
やっぱり病院行った方がいいかも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます