第3話 これ乙女ゲーよね?

「それにしても、この乙女ゲー何歳から乙女ゲーになんの?子供の時の出会いがフラグに…とかあるのかな?」


 等と意味も無く呟くとこの乙女ゲーのオールプレイ時間がふと気になる。


「ん?待って。5分で1日だと1年は1825分…と言う事は大体30時間よね。確かプロローグの爺さんが20年とか言ってたから、600時間。なら一応は25日で話は終わるのか。イベント起きても寝ずにやれば1ヶ月でクリアできるのね。て事は普通に2ヶ月あればで余裕でクリア出来る……のか?いやいや待ってよ。これ、イベントスチルのコンプリートするのにどんだけ掛かるんだよ」


 そうなのだ。

 この乙女ゲー、オートセーブしかなくて分岐点前のセーブが一切出来ないという鬼畜使用なのだ。

 なので、先程から攻略サイトを探しているのだ。



「ふ、ふふふふふふ。面白いじゃない。そう言う事なら、とことんやってやろうじゃないの。こいつとは長い付き合いになりそうね」



 私の乙女ゲー廃ゲーマー魂に火が着く。

 言うても、仕事には行くけど。

 仕事と基本的な生活以外は乙女ゲーばかりしているこんな私の職業はケアメンテ屋さん。


 まあ、有り体に言えばクリーニング屋の高級番?

 貴方も貴女も洋服から何やら綺麗にしまっせぇ。

 そんでもって綺麗過ぎて出会いがない。

 受付じゃないんでな!


 そして、癒しを求めて乙女ゲーマスターに成り果てた今現在なのでした。

 トホホ。


「てか、本気で攻略サイトないな。どんなクソゲーでも攻略サイトの1つや2つはあるもんなのに、なんでだ?」


 本気でヒットしないタイトル。


 ちなみに、この乙女ゲーのタイトルは【誰が為たがため乙女オトメく】だ。


 略すならタガサクだろうか?


 何気にR18指定なのが気になるが、そんな事よりこのヒロインはニューゲームでスキルボーナスが1つだけ付けられる。


 ちなみに、私が付けたスキルはピュアクリーン。

 何となくというか、職業柄思わず付けた。

 他にもっとマシなスキルがあったけど勢いで付けた。

 後悔は……うん。

 察しろ!


 赤ちゃんは健康大切なの!

 清潔じゃないと病気になっちゃうの!


 てか、なんで赤ちゃんから始まるんだよ!

 乙女ゲーやろが!これ!


 などとツッコミを入れてプレイしていると、いつの間にか半年たっていた。


 あれ?私の休日がバブみでオワタ感じですか?


「マジか!?」


 仕方ない明日も早いのだ。

 早く寝よ。


「フリージア。また明日な!元気に育てよ」


 そして、ゲームを終了させる。

 こういう時オートセーブなのは楽チンだな。


「お風呂入って寝よ」


 明日も作業の様なスキルコンボをちまちまやって行こう。





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