第2話 産まれた。

???:

「おぎゃーおぎゃーおぎゃー」


 赤子の声が響き渡る。



???:

「産まれたか!」


執事S:

「その様ですな。おめでとうございます旦那様」


 廊下でウロウロしていた私に執事のセバスが声を掛けてきた。


メイドA:

「旦那様!御産まれになりました!」


 とその後すぐにメイドが妻の部屋から顔を出し私に声をかける。


???:

「おお!そうか!」


 ドタドタと妻のいる部屋へと入る。


産婆:

「おめでとうございます。旦那様。女の子ですよ」


 産婆に言われ動きを止める。


???:

「そ、そうか」


 女と聞いて男で無いことに若干焦りを感じたが、だが良い。我が愛しの妻と私の子だ。

 美貌の女性になるだろう。


???:

「良く頑張ったな。レイラ」


レイラ:

「アシュレイ様。申し訳ございません。わたくし男の子を産めませんでした」


アシュレイ:

「よい!気にするな、お前が無事ならまだ、チャンスはある。案ずるな」


レイラ:

「はい。アシュレイ様」


アシュレイ:

「それより名を付けようぞ!女子ならお前が付ける取り決めだったろう。何が良い?」


レイラ:

「では…フリージアと」


アシュレイ:

「フリージア。良い名じゃないか。きっと周りから愛される美人になる」


レイラ:

「ありがとうございます」


セバス:

「旦那様。そろそろ。奥様もお休みされないとお身体に影響が」


アシュレイ:

「そ、そうか。レイラ。この子を産んでくれてありがとう。ゆっくり休め」


レイラ:

「アシュレイ様。ありがとうございます」


アシュレイ:

「うむ。ではな」


 


 こうして、この世界にフリージア・ピュア・ホワイトの人生が始まったのだった。



 ◇◇


++++


 name:フリージア・ピュア・ホワイト

 age:0

 rank:1

 skill:

 ・ピュアクリーン(何時でも清潔に)

 ・徒手格闘(抱っこからの顔ビンタ)

 ・挑発(指ちゅぱ)

 ・威嚇(駄々こね)

 ・精神攻撃(夜泣き)


++++


「はあ?何この乙女ゲー!まさか幼児から始まるの!?いやいやいや!なんでよ!乙女ゲーならせめて恋愛出来る年齢から始めなさいよ!」


 操作画面に移行してもベッドの上から動けない。



 システムウィンドを開いてもステータスと空っぽのストレージのみ。


 とりあえず、イベントがない場合は5分で1日過ぎるポイけど、都市作りゲーかよ!

 しかも、夜中に夜泣きするか昼間に指ちゅぱか駄々こねをするか抱っこされたら相手の顔をビンタするしか操作出来ない。


 なんだこれ?


 もしかしてクソゲーなの?


「いやいやいや!もしかしても何も無いわ!クソゲーだよ!クソゲー!クソゲーオブザイヤーだよ!乙女ゲー何処いったんだよ!イケメン出せよ!イチャラブさせろや!」


 バンバンと床を叩く!


 確かに私が見た事のない乙女ゲーだったから値段もプライスレスなディスカウント商品だったので即買いしたよ!


 クソ!道理で500円の筈だよ!

 誰もやらんわ!こんなん!


 しかし、1度手を出してしまったからにはどうしようも無い。


 私の性格上、中途半端に終わらせるのは気持ちが悪い。


「あー。イベント起こるまで攻略サイトでも探すか」


 等といいつつ5分毎事にルーティンの様にスキルをコンボする。


 唯一カレンダー機能があるから話、進んでいるのが分かるのはある意味助かった。

 出なければ永遠にスキルコンボ繰り返すだけの先が見えないゲーとか精神病むわ!


「これ?スキル鍛えてなんかなんのかな?身体が丈夫になるとか?」


 考えても拉致が開かないので攻略サイトカモーンヌ!щ(゚Д゚щ)

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