おまけ

おまけトム


 ふんぬ〜!


 何をしている?


 あ、ポチにタマ。トムはね今度空飛びたくなって翼を生やそうとしてるトム! ふんぬーー! 


 トムの努力は凄いと思うが、いくらなんでもそれは無理だろ……


 なんか、出来そうトムよ。生体肩甲金筋骨の内側でトンプソンマシンガンを換装する要領で平たくするイメージをすれば、飛行機の翼みたいなのが出てきそうな気がするトム!


 コイツの訳のわからないモードチェンジだけは素直に凄いと思うわ。それ以外自慢のギャグ含めて一切認める気はないけど。 


 酷いトム! あ! タマはそんなにトムの新ネタ聞きたいトムね!!!


 ところでトム!


 話しをナチュラルに無理矢理流さないで欲しいトム。略して“ナチュ無理”で話しを曲げられたトム!


 翼が生えたとして! 


 な、なにポチ、そんなハウリングで話さなくてもいいトムよ。


 推力はどうするんだ!


 す、推力トム?


 プロペラなりジェットエンジンなり必要だろ。まさか羽ばたいて飛ぶなんて重量的に無理だろうし。


 あ、足に団扇つけて……い、犬かき……ならぬ、ガゼルかきで……い、いや、つ、角と尻尾をプロペラに……


 考えてなかったのか、トム。


 やっぱりトムはトムね。


 こうなったらプラズマエンジンでも出してみるトムか? 燃料系は身体を大きくしないと難しいけど、電気系ならいけるトムか? コールドスラスタなら…… 無理せず液体燃料? どこで燃料補充する? ならやっぱり電気系でイオンスラスタとか──


 ま、まあ無理はせず程々にしとけよトム。


 仕事が出来なくなるまでやりすぎて力尽きるまでは読めたわ。



 ◇    ◇    ◇    ◇    ◇ 



三週間後



 ポチ、タマ見て見て! 飛べたトムよ!



 ま、まさか本当に……


 ことごとく私達の常識を壊すガゼルね──あ、墜落したわ。



 ひ、飛行時間5秒が限界トム。やっぱ無理トムね……


 い、いや凄すぎだろトム。

 

 どうしてそこまで出来て、無理と判断するのかしら……



 錫乃介と別れ以前サンドスチームによって破壊された機獣達の街を復興させるために奔走していたポチ、タマ、トムの三匹。そんな彼ら休日の一幕であった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る