地球に存在する生物種の5割がいる熱帯雨林は地表の僅か6%
シャオプーまで残り100キロ、残燃料僅かだがなんとか持ち堪えられそうであったが、着いた先では金がない。ここいらで少しでも機獣を倒しておきたいところだが、こういう時に限ってその機獣達は鳴りを潜めたままで、森は静かなものである。
なんで機獣出てこないの?安くていいからさ、こう弱っちくて命の危険が無くて、小銭が稼げる奴出てくんないと、俺飢え死にしちゃうよ。
“いつもは無駄に出現するし、収納出来ないレベルの大型なのが襲って来たりするんですけどねぇ”
あの辺の森に入ったらわんさかいるんじゃねぇの?
“足踏み入れたら、おそらく瞬殺だと思いますよ。こっちが”
マジっすか。
“森の中あちこちにいるのは確かです。擬態してて、ちょっと見ただけじゃ見分け付かないだけですよ”
この辺には何が出るんだ?
“クーニャンで落としたリクエストのデータを出しますね。海の方は省略します”
小鳥型機獣 ハント 10c
小型哺乳類機獣 ハント 10c
食人植物 駆除 50c
野良ドローン ハント 1台 50c
とっとこガブ太郎 ハント 1体 50c
クソナゲテナガザル 駆除 1体 50c
スローイングロリス ハント 1体 50c
ポイズンアローフロッグ ハント 1体50c
キラーキノボリカンガルー ハント 1体 100c
テールガンパイソン ハント 1体 100c
ヘラクレスオオカブトリッパー ハント 1体 200c
電機有刺鉄線スパイダー ハント 1体200c
ライフリングナナフシ ハント 1体 200c
ハンニバルクイナ ハント 1羽 300c
ジャッカルカノ ハント 1体 300c
切り過ぎリス ハント 1体 500c
マインラフレシア ハント 1体 500c
M2ホッパー ハント 1体 500c
デミピューマ 駆除 1体 1,000c
ドラグノフフライ ハント 1体 1,000c
バレットマンバ ハント 1体 2,000c
マッスルゴリラ 駆除 1体 2,000c
バルカンムリワシ ハント 1羽 2,000c
サーベルジャガー ハント 1体 3,000c
ミユビハタラキモノ 駆除 1体 3,000c
ソコニハオラン・ウータン 討伐 1体 5,000c
ストーキングオウム ハント 1羽 5,000c
閃斬鋼 ハント 1体 5,000c
ゴリラレスラー 討伐 1体 8,000c
バルコンドル ハント 1羽 8000c
未確認集落 調査 10,000c
キングジャガー 討伐 1体 10,000c
上位ランカーゴリラ 討伐 1体 20,000c
メガハタラキモノ 討伐 1体 30,000c
気狂いレシプロ 討伐 1体 30,000c
タイトルホルダーゴリラ 討伐
50,000c
アンチマテリアルカイマン 討伐 50,000c
カイザージャガー 討伐 80,000c
チャンピオンゴリラ 討伐 100,000c
アヴェンジャーフライ 討伐 300,000c
エレファンク 討伐 10,000,000c
熱いゴリラ推しやめてくれよ。にしてもさ、種類多くね?
“これでも極々ほんの一部です。なんせスクラッチ前の地球でも生物種の半分は熱帯雨林に生息してましたからね。機獣も似たようなもんでしょう”
見つかっていない奴らの方が多いレベルか。
“おそらく9割方は未発見でしょうね”
このジャングルの中に製造工場とかあっても絶対発見できねーわ。
“未確認集落調査とか臭いですね”
俺もう絶対その手のリクエスト受けねーからな。ロクなことにならねぇ。
“賢明です”
他にもツッコミどこが多すぎてどこから手を付けていいかわかんないけど、とっとこガブ太郎って何?
“土佐犬程のハムスターです。鉄でも何でも噛みちぎるそうです。肉は食用になるので、あまり重機銃などで倒さないほうが良いそうです”
そしたら俺武器鉄パイプしかないんだけど。
ハンニバルクイナって?
“人食いになったヤンバルクイナの機獣で体高も人間くらいありまして、鋭い嘴は防弾ガラス程度なら貫くそうです”
絶滅危惧種だったからって調子のってんな。
ドラグノフフライはトンボか?
“狙撃銃ドラグノフとトンボの機獣です。トンボの飛行能力に長距離射撃能力がついた恐ろしい機獣です”
まさかアヴェンジャーフライって……
“お察しの通り30ミリバルカンの『GAU-8 Avenger』を搭載したトンボの機獣です”
それって最強じゃね? 襲われたら終わりだろ。
“絶対出くわしたく無いですね。でも大きさが戦闘機くらいあるので、すぐ視認できます。それから速度が時速300キロくらいなのでそこまでではありません”
明らかに地面を這いずる俺たちの負けじゃねーか。
ストーキングオウムは?
“獲物を見つけるとずっと遠くから着いてきて、やられたところでおこぼれをもらう、大型オウムです”
それってもうハゲワシだろ。でも結構高く売れるな。
“人語を解し姿が美しいので、鑑賞愛玩として売れるそうですが、生捕にしなければいけません”
空飛ぶ相手にそれは難しいな。
このミユビハタラキモノって何?なんか想像つくけど。
“ご想像の通りナマケモノの機獣ですね。めっちゃ樹上を素早く動いて、他の機獣の援護をします。メガハタラキモノはヒグマの倍以上も大きい巨体で、戦車も狩るそうです”
いいよもう、怠けてろよ。
なんかお腹いっぱいだよ。
“そんな事いってられませんよ。ホラさっそく出て参りましたよ、とっとこガブ太郎です”
面倒だからこのままジャノピーで体当たりして倒そう。
“ジャノピー酷使ですね”
前を立ちはだかった二頭の巨大な浅黄色のハムスター。目は血走り30センチはあろうかという前歯を剥き出しにして、大きな口を開けて威嚇してくる。
こちらが跳ね飛ばす為速度を上げると、向こうも怯まず四つ足で地面を蹴り駆けてくる。
あれ、闘争心剥き出しだわ。このまま衝突しとらこっちもタダじゃ済まんぞコレ。
“仕方無いですね”
と、ナビはブローニングを操作し、ドンドンと数発の銃弾をガブ太郎の足元に着弾させる。
足元を撃たれた衝撃に、一瞬の怯みを見せるガブ太郎目掛けて、錫乃介はアクセルを上げ激突し10数メートル跳ね飛ばされるガブ太郎。さらに追い打ちをかけるためにアクセルを再び回して跳ね飛ばす。
もう一頭がジャノピーの横腹を狙って全力で駆けてくるが、ナビが脳天に12.7ミリ弾を一発食らわせ錫乃介達の勝利となった。
リアボックスにガブ太郎を詰め終えてジャノピーに跨る。
アクセルを回そうとすると、野良ドローンがチラホラ見受けられる。小遣い稼ぎにちょうど良いとブローニングを向けるが、ナビに無駄弾を撃つ余裕は無いと嗜められ、射撃を代わられる。
ナビの射撃は正確無比で、5台の野良ドローンを一発必中で撃墜する。
ドローンは同じ型がなく、マルチコプター型の現代でもよく見かけるものもあれば、昆虫型や鳥型など様々だ。即座に獲物を回収する途中ナビが何かに気付いたのか声を漏らす。
どした?
“いえ、後でご説明します。それより早くここを離れましょう。もうすぐ夕暮れですし森がざわついてきました”
マジかよ。他の機獣どもが複数出てきたら、俺なんかひとたまりもねぇぞ。
くわばらくわばらと祈り、アクセルを回して荒れた大地をジャノピーで突き進む錫乃介であった。
やけにガコガコいうのはもしかしたら錫乃介自身の震えだったかもしれない。
30×113ミリ弾 残10発
12.7×99ミリ弾 残10発
残金0
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