一次選考を通過するためにはどうすればいいか

 一次選考を通過するためにはどうすればいいか。

 基本的には、今まで解説してきた足切りポイントをクリアすればいいわけです。どんな世界にも100%はありませんが、これで一次選考を通過する可能性がかなり上がることは間違いありません。


 整理してみましょう。

 一次選考は書籍化できない作品を足切りすることが目的である。だから一定レベル(修正して書籍化できる)以上の文章レベルは必須になる。また、著作権に問題のある作品やレーベルで出版不可能な作品は、どんなに他の部分が優れていても通過は難しい。人称のゆらぎや特定のシーンに頼るなど、初心者の失敗しやすい典型的なパターンは、仮にプロ並みの技巧で作品として成立させることに成功したとしても、下読みの段階で排除される可能性がある。

 読者選考は小説投稿サイトを盛り上げるためのお祭り(宣伝)であり、ゼロ次選考に当たるため、本来の一次選考はその後に始まる。


 今まで考察したのはここまでです。

 ここから導き出される一次選考突破のための方法です。

 まず、一次選考を突破したしたことのない人は文章力を磨くこと。そして上記のポイントに注意して、自分の作品にあったレーベルを選択すること。


 文章力の向上方法についてはこの論考のテーマではないので、別の指南書等に譲ります。ただし、ここで注意すべきは、文章(文体)そのものについてもカテゴリーエラーがあるということです。

 濃厚な描写で文章そのものを味わうような文体は、いくらレベルが高くてもラノベには向きません。もちろん逆もあります。純文学に、ただ読みやすいだけの文体で挑戦することは明らかに無謀です。

 まずは入賞作品と同じ土俵で読んでもらえる文章力を目指しましょう。


 レーベルについては事前にちゃんと調べましょう。作品の力で勝負する気概があってもいいとは思いますが、門前払いされてもいいくらいの覚悟は必要です。(これは筆者の自戒でもあります)



 さて、ここまでの論考で賢明な読者の方は気づいたと思いますが、一次選考とそれ以降の選考では評価基準が違います。一次選考を通過したからと言って、その延長線上に最終的な入賞はないのです。

 これは、仮に公募作品を10%に絞る一次選考に毎回残ったとしても、『更に次の10%に残るためには10回投稿すればいいわけではない』ことを意味します。


 残念ながら筆者はまだ最終的な入賞を経験していないので説得力のある結論を導き出すことはできないのですが、とりあえず想像することはできます。

 次回は、最終選考で選ばれる作品について考えてみたいと思います。

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