足切りポイントその1 何よりもまず、オリジナルであること

 そんなこと、当たり前だと思うかもしれません。


 二次創作専門のコンテストでもない限り、オリジナル作品に決まってるじゃないか。募集要項にも書いてある。わざわざ解説する必要なんてない。そう思ったかもしれません。

 でも、果たして単純にそう言えるでしょうか。


 あなたが考えるオリジナル作品はどっちでしょう。

 オリジナルの部分が含まれているもの。

 全てがオリジナルだけで構成されているもの。


 オリジナルの部分が含まれていても、残りが盗作では駄目です。

 全ての部分が完全なオリジナルだけで構成されている作品は、おそらくどこにも存在しません。


 オマージュは、パロディはどうなのか。題材は似ているかもしれないが、内容は完全オリジナルだ。そもそもキャラクターが全然違う、とか。色々と考えていると線引きをするのが難しくなってしまいます。


 ここで最初の定義に戻りましょう。

 コンテストの目的は書籍化できる作品を選出すること。

 一次選考の目的は明らかに選出される見込みのない作品を足切りすること。


 つまり上記の定義から『オリジナリティに問題があって書籍化できない作品は一次選考で落ちる』という結論が導き出されます。

 具体的には著作権上問題がある作品、明らかにパクリという非難を受けるような作品がこれに当たります。たとえば危険な薬を飲まされた高校生の体が化学変異し、子どもになって名探偵になって活躍するとか。他にもスパイダーマンみたいなアメコミとか。著作権にうるさいアメリカの作品には特に注意する必要があります。

 また、著作権上は盗作とまでは言えなくても、有名作品の設定が透けて見えてしまうような作品もパクリとみなされる可能性があります。よくある『ああ、あれね』という作品です。


 もちろん源氏物語やシャーロックホームズなど、百年以上も経った作品には著作権上の問題はありません。また、異世界転生などのテンプレも最近生まれた斬新な設定でない限り、かなり許容されていると考えても良さそうです。

 個別にどこまでが許されるのかは、実際に受賞して出版されている作品を見ればわかるはずです。自分の作品がオリジナルかどうか、疑問になってしまうのであれば駄目だと思うくらいでちょうどいいかもしれません。


 ここでこの章のまとめです。

 著作権に問題があったり、明らかにパクリと思われてしまうような作品は一次選考は通らない。


 さて、次回はウェブ小説サイトの公募における一次選考での足切りについて解説したいと思います。

 

 

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