第5話「.......弁当忘れた」「佐藤くん!一緒にお弁当食べようよ!」
退屈な授業が終わり、俺以外の生徒が友達と並んで食べたり、屋上に食べに行こうと誘う声が飛び交う昼休み。
俺はある失態に気づいた。
「…………弁当忘れた」
最悪だ。朝ドタバタしすぎててっきり弁当の準備を忘れていた。
購買に行けば売ってるがあんな人がたくさんいて気持ち悪くなるところに行くのは冗談じゃない。
「ねーねー。佐藤くん!お弁当一緒に食べない?」
俺が机に突っ伏しているともう聞きなれた女子の声が聞こえた。
もう顔を起こさなくてもわかる。どうせ秋山美優だ。
「なんだよ……秋山さん。俺は一人で食べたいんだよ」
「でも今日は佐藤くんお弁当忘れてるでしょ?」
「……なんでわかった!?」
俺はびっくりして顔を起こした。
「だっていつも佐藤くんが眠い眠いだるいだるいって言いながら台所でお弁当の準備してるの今日は見なかったからね」
忘れてた……秋山さんは俺の家の隣だったな。
つーか俺ってそんなに独り言の声でかいか!?
「わかってるなら誘ってくるなよ。俺は今日餓死して死ぬんだ。ほっといてくれ」
「そんな可哀想で愚かな佐藤くんに朗報です!」
「可哀想で愚かで悪かったな!」
「なんとこの私が朝、君のために作ってあげたお弁当が一つ私の手に握られているんだなーこれが」
「……は?」
「さてさて。佐藤くん。あなたには二択を差し上げましょう!私の手に握られているお弁当を受け取り私とお弁当を食べるか、それともこのまま机に突っ伏してお腹が減りすぎて死んじゃうか!」
こいつ……なんとも恐ろしい二択を……!
しかしグルルルと鳴る自分のお腹と相談をして二択を俺は選んだ。
「…………今日だけは致し方あるまいか……」
「やったー!じゃあ昨日一緒に食べた。中庭に行こうよ!ほらほら!」
両手を高く上げながら喜んでいる秋山さんを見ながら俺は席を立った。にしてもおうげさ過ぎませんか?
と、いうわけでいつも俺がぼっち飯を謳歌している場所中庭に来た。
今日もここの程よい風は俺を歓迎してくれているようだ。
「やっぱりここいい所だよね~。佐藤くんがぼっち飯したい気持ちほんのちょぴっとだけわかる気がするよ」
「ここの良さが少ししか理解できないようではまだまだぼっち飯検定8段の俺には及ばないな」
「そんなに私ぼっちになりたくないから!てゆうか8段ってどんだけぼっちなの!?[#「!?」は縦中横]」
「……うるさいぞ。ぼっちぼっちと」
言われ慣れてはいるとはいえここまでぼっちと言われると軽いショックをウケるな。
「ま、いっか。佐藤くんのぼっちは今に始まったことじょないしね!はい。お弁当」
はい。お弁当だけでいいじゃん!?そこの言葉!その前にすごく失礼な言葉が入ってる気がしたんだけど!?
「……ありがとう」
「どういたしまして!」
なんか人にお礼を言ったのも何ヶ月ぶりだろうか。妹以外の人間と関わらなかったからしばらく感謝なんて口に出してなかったな……。
弁当を開けると綺麗に卵焼きやご飯。野菜炒めなどなど一般的だがすごく美味しそうな料理が出てきた。
秋山さんって料理できたんだな……。
「……いただきます」
そう小さく口にしてまずは卵焼きを自分の口に運んだ。
噛んでいくと何故かまず初めに来たのは異常なしょっぱさだった。
「……ぶふぉ。ゴホッゴホッ」
え?なにこれ?しょっぱいを通りおり越してもはや辛い?
いや、待って辛いんだけど!
「どうしたの!?佐藤くん!?」
「……卵焼きが辛いんだが……。一体何を入れた」
「え?卵焼きが辛い……そんなわけ……」
そう言って秋山さんも自分の弁当の中に入っている卵焼きを自分の口に運ぶ。
「え?……ちょっと待って……めっちゃしょっぱいじゃん!これ.....多分砂糖と塩間違えてるね……」
少し前の秋山さん料理できたんだなの発言は撤回する。
正しくは塩と砂糖がまともに分からないただのアホということでよろしく。
「でもまあ、佐藤くんにお弁当を渡したっていう功績だけ貰っておくね!」
「そんな都合よくいくかぁぁ」
もう一度言おう俺と同じクラスの秋山美優はただのアホである。そして料理は出来ない。
その後……。
「ご、ご馳走様……でした」
「な、なんかごめんね」
何とか食べきったが野菜炒めには大量の醤油。
ご飯には梅干しと間違えてりんご味の飴が入っていた。
そしてこの時俺は決意した。これから死んでも弁当だけは忘れない.....と。
こんにちは三上蒼太です。
ここまで見てくださりありがとうございます。
なんかこの作品ラブコメのランキングに乗ってるらしいです。
まあ200位ぐらいなんですけどね……(笑)
深夜テンションで書いているので話の内容の出来は朝確認しようと思います。
そしてここまで読んでくれた人にお願いですレビューや感想を送っていただけると大変作者のやる気につながりますよろしくお願いします。
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